「HyperX SoloCast」レビュー。コンパクトで設置場所を選ばないUSBコンデンサーマイク
本稿では、HyperX(ハイパーエックス)のUSBコンデンサーマイク「HyperX SoloCast」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: HyperX Japan
ファーストインプレッション
今回チェックした「SoloCast」は、PCやPS4に繋ぐだけで使用できるプラグアンドプレイ設計で、ゲームやストリーミング用途のマイクに必要な機能をしっかりと抑えたシンプルなもの。極性パターンの切り替えや音量調整は行えず、タッチパネル式のマイクミュートボタンが搭載されています。
- HyperX SoloCast:幅7.7cm 奥行9.4cm 高さ18.1cm (※公式で記載が無かったため実測値)
- HyperX QuadCast:幅12.8cm 奥行10.2cm 高さ24.9cm (※公称値)
また、一般的なマイクよりもコンパクトな設計で、マイクを真横に倒すことができるスタンドのおかげで、モニターの下に忍ばせるといったことも可能。もちろんマイクブームへのマウントにも対応しているので、ほぼ全てのデスク環境で設置できると言えます。
製品仕様とスペック
電源 | 5V/100mA (USB) | 動作電流 | 47mA |
---|---|---|---|
接続端子 | USB2.0 (フルスピード) | サンプリングレート | 48kHz, 44.1kHz, 32kHz, 16kHz, 8kHz |
ビット解像度 | 16ビット | 対応OS | Windows 7以降、Mac OS、PS4 |
ケーブル長 | 2m | 重量 | マイク:261g マイクスタンド:125g 合計(USBケーブルを含む):429.9g |
マイク方式 | エレクトレットコンデンサーマイク | 指向性 | カーディオイド (単一指向性) |
周波数応答 | 20 ~ 20kHz | 感度 | -6dBFS (1V/Pa, 1kHz時) |
ノイズ | -74dBFS未満 (A特性) | メーカー保証 | 2年間 |
パッケージと内容物
内容物は SoloCastマイク、スタンド(組み立て済み)、ケーブル (USB-C to USB-A、2.0m)、取扱説明書。
パフォーマンス
スタンド
SoloCastはフレキシブル調整可能なスタンドを備え、マイクアームへのマウントにも対応しています。
コンパクトなマイク本体とフレキシブルなスタンド調整のおかげで狭いスペースにも設置しやすく、手持ちのマイクアームに取り付けて使用することもできるので、あらゆるデスク環境に対応します。
スタンド背面のネジを緩めることなく、マイクを上下に傾けることができます。これといって力も要らずスムーズに可動しますが、マイクが自重で下がってくるようなことはありません。
また、左右それぞれ2段階に倒すこともできます。
ちなみに、完全に倒したときの高さは約15センチ。これによって狭いスペースに設置しやすくなり、グッと利便性が高まっています。
設置例
デスク中央に設置した例。一般的なUSBコンデンサーマイクと比べて背が低いので、ディスプレイの前に設置しても視界を遮りづらく、マイクの位置を調整しやすいです。
コンパクトなことを活かし、写真のようにディスプレイの下に忍ばせることも可能です。スペースを取らないのでデスクがスッキリとしますし、視界を遮ることも一切ありません。
ただし、キーボードの音を極力入れずに自分の声を録音するためには設定に工夫が必要です。
音質
QuadSoloの音質はエントリー向けUSBコンデンサーマイクとしては良好ですが、高価格帯のコンデンサーマイクと比べるとクリアさに欠けるといった印象。ボイスチャットやストリーミングには十分です。
以下は、筆者が実際に録音した音声となります。
ヘッドセット搭載マイクのように声の輪郭が潰れることはありません。ただ普段の機材で録音した音声と比べると、少しだけ低音が削られ、特徴の薄れた声になっているようには思います。
また、QuadSoloの指向性パターンはカーディオイド(単一指向性)のみ。QuadCast Sのように4つの指向性パターンから選択して切り替えるといった使い方はできません。ただ、単一指向性は周囲の音が入りづらい特性があり、ゲーム用途においては最も一般的なものなので、大半の方にとって問題にはなりません。
現在ヘッドセットを使用していて、ボイスチャットやストリーミングの音質向上を目的としている方ならば、満足のいくクオリティであるかと思います。こだわりがある場合は上位モデルを。
マイクのオンオフ時に発生するノイズを検証。ミュートボタンがタッチパネル式ということもあり、どうしても音を拾ってしまいます。Discordなど、ノイズキャンセリング機能が搭載されたボイスチャットツールでは気になりません。設定次第で音が入らないようにもできます。
操作性
QuadCast Sと比べてシンプルな設計のSoloCastですが、便利だったタッチパネル式のマイクミュートボタンが引き継がれているのは非常に好印象。ゲームやストリーミング中でも素早くミュートできます。
マイクの上面にミュートボタンが搭載されています。QuadCast Sと同じタッチパネルで、軽く触れるだけでマイクのオンオフを切り替えられます。パネルの感度も良好で、確実に反応します。
前述の通り、オンオフ時には多少のノイズが乗りますが、Discord等ではそこまで気になりません。
マイクの状態は赤いLEDインジケーターで確認できます。有効時は常時点灯、ミュート時は点滅します。
ライトゾーンは大きめに確保されているので視認しやすく、ミュートや解除のし忘れを防ぎ、コミュニケーションを円滑に進められます。
ケーブル
長さ2.0mのビニール製ケーブル。マイク側がUSB-C、デバイス側がUSB-A。
マイク背面からケーブルが飛び出す形となるので、やや不格好なようにも感じます。なるべくデスク上のケーブルを隠したいと考えている方は注意が必要かもしれません。
結論とターゲット
「HyperX SoloCast」について詳しく見てきました。本体はコンパクトで、あらゆる角度に調整できる付属のスタンドにより、狭いスペースにも問題無く設置することが可能。モニターの下に置くとデスク上がスッキリして◎。一般的なマイクよりも背が低く、ディスプレイの前に置いても視界を遮りづらいです。
音質はエントリー向けUSBコンデンサーマイクとしては十分です。3.5mm接続のマイクやヘッドセットのように声の輪郭が潰れることがなく、ボイスチャットやストリーミングの音質向上を目的としている方に最適です。ポップガードは付属していないので、必要に応じて導入しましょう。
タッチパネル式のマイクミュートボタン、マイクの状態を視認できるLEDインジケーターを備えており、操作性は実にシンプル。極性パターンやゲインといった難しい操作無しで、PCやPS4に繋いだ瞬間から使用できます。
SoloCastは低コストで必要な機能にフォーカスした製品。上位機種のQuadCastと比べて機能が削られていますが、そのぶん価格は一回りも二回りも安いです。マウントやポップガードといったオプション、詳細な設定を必要としない場合、とても良い選択肢となるでしょう。
総合評価4.0 out of 5.0 stars
コンパクトな本体
フレキシブルなスタンド
設置場所を選ばない
ブームアームへのマウント対応
十分な音質
シンプルな操作性
価格が安い
マウントが無く振動に弱い
ポップガードは付属していない
極性パターンやゲインを調整できない
以上、HyperX(ハイパーエックス)のUSBコンデンサーマイク「HyperX SoloCast」のレビューでした。