Pulsar ES1 レビュー
本稿では、Pulsarのゲーミングマウスパッド「Pulsar ES1」のレビューをお届けします。
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この製品について
PulsarのeS(eSports)シリーズは、競技レベルのeSports向けにデザインされたゲーミングマウスパッドです。フラットパッケージに梱包されていたり、粘着性のあるウレタンベースが採用されていたりと、ArtisanやLethal Gaming Gearのマウスパッドに見られるようなハイクオリティな仕様になっています。
eSシリーズはES1とES2の2種類を展開しています。先にBruce lee editionが数量限定で販売されていましたが、今回紹介するのは先日発売された通常版となります。
製品仕様とスペック
材質 | 布製 | 表面 | – |
---|---|---|---|
サイズ | 490 x 420mm | 厚さ | 3.0mm |
エッジ | ステッチ加工 | 底面 | ラバーベース |
カラー | 2タイプ |
開封と仕様確認
梱包・巻き癖
フラットパッケージに入っています。巻き癖のない真っすぐな状態で使い始められます。
サイズ
Pulsae ES1は以下の2サイズを展開しています。
- L:420 x 330 x 3mm
- XL:490 x 420 x 3mm
エッジ
エッジにはステッチ加工が施されています。ステッチ幅はかなり狭めで、滑走面と同じ高さになっています。大半のマウスパッドよりも操作性に優れたものです。
少し気になる点を挙げるとするならば、ArtisanやLethal Gaming Gearのマウスパッドと比べてステッチ部分の質感が硬く、手首や腕が擦れたときに若干痛いです。また、滑走面よりもステッチが低くなっているほうが好ましいですが、Pulsar ES1はマウスパッド自体の厚さが3mmと薄めに設計されているために叶わなかったのではないかと思います。
底面
底面のすべり止めベースには新開発の「アルファセル」という超高密度メモリーセルポリウレタン素材が脚用されています。ArtisanやLethal Gaming Gearのウレタンベースと同じように粘着性があって机にくっつくので、一度設置した場所から動くことはありません。手持ちのデスク天板2種類(ラバーウッド天板・メラミン化粧板)の両方でうまく機能しています。
表面に埃が付着すると粘着性が弱まりますが、水気を含ませたマイクロファイバークロスなどで拭き取ることで復活します。素材の性質上、気温が5℃になると粘着性が失われ始め、0℃以下で機能しなくなるようです。
パフォーマンス
表面特性
Pulsar ES1はアムンゼン生地を滑走面に採用した、いわゆるハイブリッドパッドです。拡大すると「Artisan 飛燕」や「X-raypad Aqua Control+」と織り方は似ているもののテクスチャが細かいことが分かります。一般的に細かく織られているものほど滑走時の抵抗が強くなり、コントロール寄りな操作感になる印象です。
均一に織られているように見えますが、水平方向のほうが垂直方向よりもわずかに滑りが速いです。
表面の質感はそこまで粗くありません。ザラつきは感じるものの、細かく織られていることもあって控えめです。手首や腕が擦れても痛みを感じるほどではありません。ただし、アームカバーのような薄い布は引っ掛かりやすいので注意が必要です。参考としてCW-Xのアームカバーはかなり相性が悪く、強めに引っ掛かってしまい全くといっていいほど滑りません。
スポンジ硬度
Pulsar ES1の厚さは3mmで、スポンジ硬度はやや柔らかめです。一定までは簡単に沈み込み、厚みがないのですぐに底打つ感触があります。マウスを軽く押し下げると滑りが若干鈍くなり、強めに押し下げると強い引きずり感が出てきます。
Pulsar ES1のような多少ザラつきのあるマウスパッドは、滑走面がでこぼこしていて立体感があるということなので、ソールが沈み込んだときの摩擦の変化が大きくなる傾向にあります。柔らかいスポンジが採用されていてソールが沈み込みやすいこともこの滑りの変化を助長していますが、厚さが3ミリなので深く沈み込みすぎず程よい変化で留まっています。
よほど力みがちな方でない限り、この性質が煩わしいと感じることはなさそうです。むしろ、表面だけでなくスポンジの沈み込みからもコントロール性を得られるので、マウスへの圧の掛かり具合をコントロールできる方にとっては長所であると言えます。
多少の撥水性があり、一般的な布製マウスパッドと比べると耐湿性に優れています。
操作感
Pulsar ES1はコントロールタイプに属するゲーミングマウスパッドです。滑走速度は「EsportsTiger LongTeng Purple Gold」や「Pulsar ParaBrake V2」よりも速く「SteelSeries QcK」や「Pulsar ParaControl V2」よりも遅いです。滑走時の引きずり感が強く、表面摩擦に頼ってマウスを止めることが容易です。
「Esports Tiger LingYun」や「X-raypad Equate Plus」など、アムンゼン生地を採用したハイブリッドパッドにもコントロール性の高いものはいくつか存在します。Pulsar ES1はそれらと比べて滑り出しが軽いことを特徴としており、マウスを微調整するときに強い圧を掛けない限りは引っ掛からないので、コントロール系マウスパッドとしてはマイクロフリックやトラッキングへの適性も高い部類であると言えます。
中間層のスポンジは3ミリ厚で柔らかいので、一定までは簡単に沈み込んですぐに底打ちします。滑走面の性質も相まってソールの沈み込みによる摩擦の変化が大きいので、意識してマウスを押し下げることで余分な摩擦が得られコントロール性が高まります。
マウスを滑らせたときのフィーリングは滑らかですが、ソールの面積が小さいほど滑走面のザラつきが手元に伝わりやすい印象です。縦横の滑りの差は少ないものの存在し、垂直方向よりも水平方向に滑らせたときのほうがわずかに速いです。
同タイプのマウスパッドと比べて滑り出しが速く、表面とスポンジの両方からコントロール性が得られるのはPulsar ES1の優れている点だと言えます。コントロールタイプ~ハイコントロールタイプのマウスパッドは初動が鈍いものが多く、しっかりと差別化が図られている印象です。
懸念点として、マウスを押し下げたときに滑りが変化しづらいタイプのマウスパッドを好んでいる方にとっては扱いづらい可能性が高いです。また、マウス操作中は常に脱力していて表面摩擦のみでコントロールするといった場合、あまり特徴がないように感じられる可能性があります。
他社製マウスパッドとの滑り比較
Pulsar ES1は「コントロール」タイプに属します。
※それぞれ上から滑走速度が速い順に並べています。筆者の肌感覚なので変動する可能性有り。
互換性
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので参考程度にお願いします。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス12種すべてで正常に動作しました。このほか『VALORANT』『Apex Legends』でのプレイテストも行い、同様の結果が得られました。
ソール相性
Pulsar ES1はソールの選択によって操作性を損なうことはありません。さまざまなソールと互換性があり、好みに合わせて選択することができます。
圧の掛かり具合による摩擦の変化が大きいマウスパッドですが、3ミリ厚なので沈み込みすぎず、面積の小さなソールと組み合わせても滑走が不安定になりづらいです。むしろどういうわけか、面積の大きいソールほどマウスを押し下げたときに滑りが鈍くなり、通常時とのギャップが大きい印象です。
結論とターゲット
「Pulsar ES1」はフラットパッケージに梱包されており、巻き癖ゼロの状態で使い始めることができます。底面ラバーはArtisanやLethal Gaming Gearのマウスパッドのように粘着性があり、デスクにくっついて微動だにしません。エッジのステッチ加工は滑走面と同じ高さかつステッチ幅も狭く、とてもクオリティが高いものの、少し硬いので手首や腕が擦れると痛いです。このマウスパッドの品質から考えると税込4,980円という価格設定はとても安いです。
コントロールタイプに分類されるマウスパッドは初動が鈍いものが圧倒的に多い中、Pulsar ES1は同タイプと比べて滑り出しがスムーズで、マウスを微調整したいときに強い圧が掛かっていない限りは引っ掛かりません。滑走時の引きずり感は強めで、表面摩擦のみでマウスを止めることも容易ですが、スポンジの沈み込みによる余分な摩擦からコントロール性を得ることもできるので、使い手次第でとても優れた操作感が得られるマウスパッドと言えます。表面は撥水性があり、一般的なマウスパッドと比べて湿気にも強いです。
アムンゼン生地を採用するマウスパッドにしては表面にそこまでザラつきがないことも良い点の一つです。ただし、薄い布のアームカバーは引っ掛かりやすいので注意が必要です。参考としてC-WXのアームカバーとは相性が悪く、強めに引っ掛かってしまって全くといっていいほど滑りません。
ターゲット層としては、既存のコントロールタイプやハイコントロールタイプに分類されるマウスパッドは滑り出しが鈍すぎると感じている方、滑り出しがスムーズなコントロール系マウスパッドを探している方にお勧めできます。表面の摩擦とスポンジの沈み込みの両方からコントロール性が得られるのが強みなので、マウスを止めたいときに意識して押し下げるような方には特に適しています。
総合評価5.0 out of 5.0 stars
非常に高いコントロール性
設置した場所から一切動かない
優れたセンサー互換性
耐湿性に優れる
フラットパッケージ
価格が安い
アームカバーが引っ掛かる
圧の掛かり方で滑りが変わりやすい
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以上、Pulsarのゲーミングマウスパッド「Pulsar ES1」のレビューでした。