「Odin Gaming Infinity」レビュー。縦横の滑りの差が少なく扱いやすいスピード系ゲーミングマウスパッド
本稿では、Odin Gaming(オーディンゲーミング)のゲーミングマウスパッド「Odin Gaming Infinity」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: ふもっふのおみせ
ファーストインプレッション
軽量ゲーミングマウスとの組み合わせや、縦にも積極的にマウスを動かす必要のある『Apex Legends』などのタイトルにも適性がある、スピードバランスタイプのゲーミングマウスパッド。
滑走速度は「Artisan 飛燕 Soft」よりほんの僅かに遅い程度で、飛燕はマウスに圧を掛けることで強い止め性能が得られる一方で、Infinityは軽く滑らせるだけで滑って止まる感覚が得られるので、あらゆるプレイスタイルで恩恵を得られやすいと言えます。
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製品仕様とスペック
材質 | 布製 | 表面 | アムンゼン生地 |
---|---|---|---|
サイズ |
XL:19.3 “x 16.5″(49.02 cm x 41.91 cm)
XL Extended:24 “x 14″(60.96 cm x 35.56 cm)
Extended:36 “x 11″(91.44 cm x 27.94 cm)
2XL:36 “x 18″(91.44 cm x 45.72 cm)
3XL:48 “x 24″(121.92 cm x 60.96 cm)
|
エッジ | ステッチ加工 |
ベース | 滑り止めラバー | カラー | ブラック |
パッケージと内容物
バリエーション
カラー
ブラックのみ。
サイズ
サイズは以下の5種類を展開しています。執筆時点では国内取り扱いはXLと2XLのみ。
- XL:19.3 “x 16.5″(49.02 cm x 41.91 cm)
- XL Extended:24 “x 14″(60.96 cm x 35.56 cm)
- Extended:36 “x 11″(91.44 cm x 27.94 cm)
- 2XL:36 “x 18″(91.44 cm x 45.72 cm)
- 3XL:48 “x 24″(121.92 cm x 60.96 cm)
パフォーマンス
巻き癖
巻き癖は少なく、巻かれた状態のときに内側になった左端が少しだけ浮いている程度です。広げた瞬間から快適に使用できます。
エッジのステッチや滑走面が波打っており、写真のように一定間隔で浮いている箇所があります。操作感には影響を及ぼさない程度には落ち着きますが、完全に元に戻る気配はありません。
滑走面
Infinityは、「Artisan 飛燕」や「BenQ ZOWIE GTF-X」などと同じアムンゼン生地が採用されています。従来の布製マウスパッドよりも湿気や摩耗に強く、この手の製品はソフトとハードの中間の性質を持つことから”ハイブリッドパッド”と呼ばれています。
表面には激しい凹凸があります。Aqua Control+よりもザラつき感が強く、飛燕よりも抑えめ。手汗によって手首や腕がひっつくことはありませんが、薄い衣服やアームカバーは引っ掛かりやすく、手首や腕が擦れると少し痛いです。手首を接地したままスライドさせるようなプレイスタイルとは相性が悪いです。
操作感
Infinityはスピードバランスタイプに属するゲーミングマウスパッドです。滑走速度を他社製マウスパッドと比較すると、「Fnatic Dash」よりも若干滑りが速く「Artisan 飛燕 Soft」よりも若干遅いといったところ。ただしかなりの僅差です。布製マウスパッドの中では滑りが速い部類となります。
飛燕との決定的な違いは、飛燕は沈み込みによって摩擦が一気に増大し、強烈な止め性能が得られるという特性がありますが、Infinityはスポンジの沈み込みに頼らなくとも、表面の摩擦のみで”滑って止まる”感覚を得られやすいこと。ハイセンシのつまみ持ちで軽く滑らせると双方の違いが分かりやすいです。
また、縦横の滑りの差もほとんどありません。流行りの軽量ゲーミングマウスとの組み合わせや、上下左右に激しくマウスを動かす必要のある『Apex Legends』などのタイトルにも適正があるように思います。
スポンジは柔らかい部類ですが、滑走面が固い素材なので、ある程度の圧が掛からないとソールが沈まず、底つき感もありません。意図的にマウスに圧を掛けて止めることもできますし、表面の摩擦のみで止めることもできるため、好みが分かれづらそうです。
筆者の印象としては、ややピーキーな操作感である「飛燕 Soft」の長所をあらゆるプレイスタイルで再現できるマウスパッド、といったところ。水平方向へのフリックエイムを主体とするゲームが主流ではない現在の環境では、こちらの方が優れていると評価せざるを得ないかなと。
エッジ
エッジのステッチ加工は幅が大きめのよく見かけるタイプ。ほつれや破れなどは見られず、左上にある縫い終わりの処理も丁寧です。
滑走面よりもステッチ部分のほうが若干背が高いですが、許容範囲です。手首や腕を接地したままマウス操作すると、引っ掛かってマウスパッドが机上からずれる可能性があります。
底面
裏面の滑り止めラバーはよく見かけるタイプで、グリップ性能は十分です。木製天板(ラバーウッド)との組み合わせでは、マウスを激しく動かしてもマウスパッドがズレることはありません。
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス9種で検証したところ、すべて正常に動作しました。このほか『Apex Legends』でのプレイテストも行っています。
ソール相性
端がしっかりと丸められたマウスソールと組み合わせることを推奨します。アムンゼン生地の性質上、マウスパッド表面に激しい凹凸があり、角が尖ったマウスソールを滑走させると強い引っかかりを感じます。
また、滑走面が硬いのでソールが沈み込みづらくはありますが、中間層のスポンジ自体は柔らかいので、ある程度厚みのあるソールと組み合わせたほうが無難かと思います。
湿気への耐性
Infinityに使用されているポリエステル素材は、よく用いられるナイロンと比べて耐摩耗性・耐湿性に優れています。実際に使用していて日によるコンディションの変化は感じません。
耐久性
この手のマウスパッドに採用されているポリエステル素材は、摩耗や湿気への耐性に優れており、一般的なクロス表面のマウスパッドと比べて長持ちします。
またエッジのステッチ加工について、強度は問題ありませんが、手首が擦れる部分は比較的ほつれやすいです。
結論とターゲット
「Odin Gaming Infinity」について詳しく見てきました。マウスパッドの上を軽く滑らせるだけで”滑って止まる”感覚を得やすいゲーミングマウスパッドです。マウスに圧を掛けることで強い止め性能が得られる「Artisan 飛燕」と滑走速度こそ近いものの、操作感は明確に異なります。
縦横の滑りの差が少なく、上下左右に激しくマウスを動かす必要のある『Apex Legends』などにも適しています。ただし、滑走面のザラつき感はほどほどに強いので、手首や腕を接地したままスライドさせるようなマウス操作には不向きです。
エッジのステッチ加工や底面の滑り止めラバーは特に問題無く、快適に使用することができます。エッジや滑走面の波打ちが見られますが操作感に影響は及ぼさず、品質は許容範囲内です。前作の「ZeroGravity」と比べるとやや強気な価格設定ですが、これに近い特性のマウスパッドの中では安価な部類となります。
総合評価4.0 out of 5.0 stars
静摩擦と動摩擦のバランスに優れる
軽量マウス・上下左右のエイムに適性あり
巻き癖が少ない
エッジのステッチ加工の強度は問題ない
底面ラバーのグリップ性能は十分
マウスセンサーを選ばない
手首や腕が擦れると痛い滑走面
滑走面やエッジに波打ちが見られる (※操作感には影響が出ない程度)
以上、Odin Gaming(オーディンゲーミング)のゲーミングマウスパッド「Odin Gaming Infinity」のレビューでした。