ゲーミングキーボードとは?通常のキーボードとの違いと選び方
ゲーミングキーボードは、ゲームの操作を担う重要な入力デバイスの1つです。通常のキーボードとの違いや、ゲーミングキーボードの選び方について初心者向けに解説します。
ゲーミングキーボードとは?
ゲーミングキーボードとは、ゲームを快適にプレイできるよう設計されたキーボードのことです。
キーの複数同時押しに対応することはもちろん、マウスを操作できるスペースを広く確保できるコンパクトな設計や、キーを押したときの感触にこだわっているものなどがあります。
現在は、キーが反応する深さをカスタマイズできるアクチュエーションポイント調整や、キー入力のオンオフを高速化するRapid Triggerなど、ゲームを有利に進められる機能を搭載している機種もあります。
ゲーミングキーボードと通常のキーボードの違いは?
複数キーの同時押しに対応
ゲーミングキーボードには、押していないキーが誤入力されるのを防ぐ「アンチゴースト」や、複数キーを同時に押しても認識する「キーロールオーバー」といった機能が搭載されています。
この2つの用語は最近あまり聞かなくなってきましたが、メカニカルキーボードを除く通常のキーボードでは搭載されていないこともあります。
LEDバックライトを搭載
ゲーミングキーボードのほとんどはLEDバックライトを搭載しています。これは直接ゲームには関係はありませんが、気分を上げたり、キーの視認性を高めるのが目的です。
キーの感度を変更できる機種も
普通のキーボードでは、キーをどれくらいの深さまで押し込むと入力がON/OFFされるかが決まっていますが、ゲーミングキーボードにはカスタマイズできる機種があります。
たとえば、Cherry MX Red(通称:赤軸)を搭載したキーボードの場合、キーを2mmほど押し込まないと入力がONにならず、OFFにしたいときもキーを1.8mmの深さまで戻す必要があります。
「アクチュエーションポイント調整」や「Rapid Trigger」といった機能に対応していると、0.1mmでも離せば入力がOFFに、再び0.1mmでも押すだけで入力がONになるような設定も可能です。
ゲーミングキーボードの選び方
ゲーミングキーボードを選ぶときに注意したいポイントについて解説します。
サイズ
キーボードにはあらゆるサイズがあります。代表的なのは、全てのキーを搭載している「フルサイズ」と、そこからテンキーが取り除かれた「テンキーレス」です。
最近では、テンキーも方向キーも搭載されていない60%、矢印キーが付いた65%、テンキーレスを左側に1つ詰めた75%など、サイズが小さくてコンパクトな機種が増えてきています。
サイズが小さくてコンパクトなキーボードは、狭いスペースにも置けたり、マウスを操作するスペースが広く確保できるというメリットがあるので、ゲーマーにとても人気があります。
しかし、普段使っているキーが無かったり、複数キーの同時押しでしか入力できなかったりと、キー数が少ないために文章入力などの普段使いで不便に感じる可能性もあるので注意しましょう。
キー配列
ゲーミングキーボードのほとんどは「日本語配列(JIS)」か「英語配列(ANSI)」です。
日本で流通しているキーボードは日本語配列のものが多く、ほとんどの人が触ったことがあるのはこちらだと思います。初めてゲーミングキーボードを買うなら日本語配列を選ぶのがおすすめです。
一方で英語配列のゲーミングキーボードは、日本語配列キーボードにある一部のキーが無かったり、EnterやBackspaceなど一部のキーのサイズや配置が異なります。好みに合わせて選択しましょう。
キーボードの種類
以前まではメンブレンやメカニカルが主流でしたが、現在は磁気式や光学式がおすすめです。また、静電容量無接点方式の一部の機種は、ゲーマー向けの機能を実装したことで人気が出ています。
メンブレン
メンブレンキーボードは柔らかくて軽めなキータッチが特徴です。静音性に優れており安価で手に入ります。しかしメンブレンの仕組み上、スイッチの反応速度や精度に劣っています。キー入力のONとOFFのタイミングに一貫性がなく、素早く正確なキー操作が行いづらいです。
また、耐久性もそこまで高くありません。故障した際には複数のキーが一気に使えなくなる可能性もあります。ゲーム用途では特に優れている部分がなく、特にFPSや格闘ゲームには不向きです。
メカニカル
メカニカルキーボードは1つ1つの独立したスイッチを備えています。そのスイッチには様々な種類があり、それぞれ打ち心地やキーが反応する深さが異なるので、自分好みにカスタマイズが可能です。
以前まではスイッチが基板にはんだ付けされたものが一般的でしたが、現在ははんだ付けなしで基板からスイッチを簡単に取り外せるホットスワップ対応キーボードが増えてきています。
もし動作不良が起きたとしても、その原因となるスイッチを交換するだけで対処が可能です。スイッチ単体の耐久性も高いので、メカニカルキーボードを一度買えば長く使っていけるのが利点です。
磁気式
スイッチの底面に付いた磁石と、キーボード本体の基板に搭載されたホールセンサーのセットで動作します。磁界の変動を読み取って信号に変えることで、キーの入力状況を検知する仕組みです。
キーをどれくらい押し込んでいるかを検知できるので、キーが反応する深さを調整する「アクチュエーションポイント調整」やキー入力のオンオフを高速化する「Rapid Trigger」などといった、ゲームを有利に進められる機能を実装できるのが強みです。
特にRapid Triggerは一部のシューティングゲームや格闘ゲームで大きな恩恵が得られることで注目されています。今からゲーミングキーボードを買うなら磁気式を選ぶのがおすすめです。
光学式
キーを押したときにシャッターが開くことで通過した赤外線を読み取って入力を検知します。高速応答を謳われることが多いですが、キーボードの入力遅延が発生する原因はスイッチ以外にも存在するので、実際に高速で応答するかどうかはその機種によります。
光学式スイッチを採用した製品は、機種によって性能差が大きいです。一部の機種は「アクチュエーションポイント調整」「Rapid Trigger」の実装に成功しており、動作の安定性にも優れています。
静電容量無接点方式
高い静音性と柔らかいキータッチが強みで、他の種類とは全く違った感触が味わえます。激しく操作しても静かなキーボードが欲しいなら、静電容量無接点方式を選んでおけば間違いありません。
以前まではタイピング愛好家向けのスイッチという印象が強かったのですが、一部の機種は「アクチュエーションポイント調整」「Rapid Trigger」にも対応しており、現在はゲーマーにも人気です。
アクチュエーションポイント
アクチュエーションポイントとは、キーをどの深さまで押し込むと入力がONになるかを示す数値です。スイッチの種類によってアクチュエーションポイントの数値は異なります。
たとえばCherry MX Red (通称:赤軸)はキーを2.0mmの深さまで押し込むと反応しますが、Cherry MX Silver(通称:銀軸)の場合はたった1.2mm押し込んだ時点で入力が始まります。
磁気式キーボードにはアクチュエーションポイントの数値を自由にカスタマイズできる機能が搭載されているのでおすすめです。光学式・静電容量無接点方式の一部機種も対応しています。
キー荷重
「キー荷重」とはキーを押すときに必要な力のことです。「押下圧」と表現されることもあります。キーボードに使われているスイッチの種類によってキー荷重は異なります。
キーが軽いと瞬時に押しやすいですが誤入力も増えてしまいます。キーが重たいと正確に入力できますが指が疲れやすくなります。自分の好みに合わせて選びましょう。
どれくらいの押下圧を好むかは人それぞれです。ゲーミングキーボードには軽めのスイッチが使われていることはあっても、あまりに重たいスイッチが採用されている例はありません。
接続方法
ゲーミングキーボードには有線タイプと無線タイプがあります。
ゲーミングキーボードは有線タイプが主流です。マウスと違ってキーボードはデスク上の決まった場所に置いて使うので、ワイヤレス化してもメリットが少ないのが主な理由です。
また、キーボードは意外とバッテリー消費が激しいです。LEDバックライトを光らせるなら尚更です。それなりの頻度でバッテリーを充電する必要があります。
何か特別な理由が無い限り、有線ゲーミングキーボードを選ぶのがおすすめです。
さいごに
以前はメカニカルキーボードとゲーミングキーボードに明確な差が無かったので、ゲーミングキーボードはそこまで重要とは考えられていませんでした。
しかし、アクチュエーションポイント調整やRapid Triggerといった特定のゲームで有利に立てる機能の登場によって、ゲーミングキーボードも非常に重要なゲーミングデバイスの1つになりました。
以下の記事ではおすすめのゲーミングキーボードを紹介しています。