「EsportsTiger LingYun」レビュー。湿気に強いコントロール系ゲーミングマウスパッド
本稿では、EsportsTigerのゲーミングマウスパッド「EsportsTiger LingYun」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: HID-Labs
レビューを動画で見る
この製品について
製品仕様とスペック
材質 | 布製 | 表面 | クロス |
---|---|---|---|
サイズ | 480 x 400mm | 厚さ | 4.0mm |
エッジ | ステッチ加工 | ベース | すべり止めラバー |
カラー | 1カラー |
基本仕様をチェック
パッケージと内容物
長方形の箱に巻かれた状態で入っています。内容物はマウスパッドのみ。
巻き癖
巻き癖はやや強めで、巻かれたときに内側になっている左端は少し浮いた状態になります。左端を除いて1日でほぼ真っすぐになり、マウス操作に支障をきたすことはありません。
バリエーション
サイズ
EBA BLUEの寸法は480 x 400mmで、ローセンシにも対応する大判サイズとなっています。
厚さは4.0mm。これは布製ゲーミングマウスパッドの一般的な厚みです。
カラー
LingYunはワンカラーです。EsportsTiger製マウスパッドは種類ごとに異なるアートワークが施されており、どれも特徴的なデザインとなっています。
エッジ
エッジにはステッチ加工が施されています。柔らかい糸でやや緩めに縫われていて、肌触りはサラサラとしています。
ステッチ幅は標準的です。しかし、滑走面よりもやや背が高く、丸みを帯びるように飛び出しているので、手首や腕への引っ掛かりが気になる可能性があります。
底面
底面のすべり止めラバーはよく見かけるタイプのもので、グリップ性能は高いです。
ホワイト天板とラバーウッド天板の両方でマウスパッドが定位置でしっかりと固定され、マウスを激しく動かしてもズレることはありません。これはとても優れていると感じます。
パフォーマンス
滑走面
LingYunの滑走面はラフに織られており、細かな凹凸のある立体的なものです。拡大写真から分かる通り、水平方向と垂直方向でテクスチャがほぼ変わらず、縦横の滑りに体感できるような差はありません。
肌触りはザラザラとしていますが、マウスを操作時に手首や腕が擦れても痛むほどではありません。長袖やアームカバーを着用した状態では若干引っ掛かりを感じます。
表面に施されたアートワークは、コーティングではなく織り込まれているものなので、コーティング剥がれによる早期劣化の心配はありません。また、耐水能力を備えた素材も加えられているようです。
操作感
LingYunはコントロールタイプに属するゲーミングマウスパッドです。他社製マウスパッドと滑走速度を比較すると、「Razer Gigantus V2」や「SteelSeries QcK Heavy」よりも遅く、「X-raypad Equate Plus」や「Corsair MM200 Pro」よりも速いといった具合で、全体で見るとかなり滑りの遅いものになります。また、「X-raypad Equate Plus」とは質感が似ており、操作感やフィーリングも近しいものがあります。
マウスを滑らせた際の引きずり感が強い、粗い滑走面を持つマウスパッドらしいフィーリングです。中間層のスポンジはやや硬めですが、マウスパッド自体に適度な厚みがあるので、マウスにしっかりと圧を掛けるとソールが適度に沈み込んで摩擦が増し、マウスを止める際に有利に働きます。
滑り出しはやや重たいものの、それと引き換えにマウスを止める際には摩擦による強いストッピングアシストが得られ、止め性能に優れています。ただし、かぶせ持ち・つかみ持ちでマウスに強い圧を掛ける癖がある場合、滑り出しの鈍さが際立つ可能性があります。
これらの傾向から、小さい対象に素早くカーソルを合わせるフリックエイムが主体となる『VALORANT』などのタイトルに適しています。ハイセンシでは滑り出しの鈍さが気になる可能性が高く、ミドルセンシ~ローセンシの方が恩恵を得やすいように感じます。
「Corsair MM200 Pro」や「BenQ Zowie G-SR」などのハイコントロールタイプに属するマウスパッドを使用していて、それなりに止め性能を維持しつつ滑るものを探している方、もしくはバランス~コントロールバランスタイプを使用していて、より止めやすいものを探している方に適しています。
他社製マウスパッドとの滑り比較
LingYunは「コントロール」タイプに属します。
※それぞれ上から滑走速度が速い順に並べています。筆者の肌感覚なので変動する可能性有り。
ソール相性
LingYunの滑走面はやや粗いので、エッジが尖ったソールと組み合わせると不均一な引きずり感や引っ掛かりが発生します。角が丸まったソールとの組み合わせを推奨します。
クッション性は低いので、マウスにしっかりと圧を掛けなければソールが沈み込まないので、厚さはそこまで気にする必要がありません。
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス12種すべてで正常に動作しました。このほか『VALORANT』『Apex Legends』でのプレイテストも行い、同様の結果が得られました。
耐久性・湿気への耐性
LingYunは一般的な布製マウスパッドと比べ、湿度の影響による滑りの変化を感じづらいです。
本来、布製マウスパッドは湿気や耐摩耗性への耐性はそこまで期待できません。基本的には消耗品という認識を持ってください。しかし、このLingYunは滑走面に耐水性能を持つ素材が含まれており、湿気の影響を受けづらくなっています。検証中、体感できる滑りの変化は見られませんでした。
表面にはアートワークが施されていますが、これはテクスチャに織り込まれているものなので、早期劣化の心配はありません。しかしコーティング剥がれによる滑りの変化は避けらません。コーティングが施されたマウスパッドは、ノンコーティングのものと比べて耐久性に劣る傾向にあります。
結論とターゲット
「EsportsTiger LingYun」は止め性能に優れたコントロール系のゲーミングマウスパッドで、滑り出しの鈍さと引き換えに強いストッピングアシストが得られます。フリックエイムが主体となるタイトルに適しています。滑走速度は「Razer Gigantus V2」や「SteelSeries QcK Heavy」よりも遅く、「X-raypad Equate Plus」や「Corsair MM200 Pro」よりも速い、全体で見るとかなり滑りの遅いものになります。
エッジのステッチ加工は高品質ですが、滑走面からやや飛び出しており、手首や腕に少し引っ掛かります。底面のすべり止めラバーはグリップ性能に優れ、あらゆる天板でうまく機能します。巻き癖はやや強く、左端がやや浮いた状態が続きますが、マウス操作に支障はきたしません。
湿気の影響をほぼ受けないことや全体のクオリティを考えると、税込5,000円という価格は妥当です。滑り出しが鈍いことからハイセンシには向きませんが、ミドルセンシからローセンシでそれなりに滑りつつ高いコントロール性能を持った布製マウスパッドを探している場合、LingYunは非常に良い選択になります。
総合評価4.5 out of 5.0 stars
ステッチ加工が頑丈
優れたグリップ性能
コントロール性能に優れる ★
ソールとの相性問題が発生しづらい
主流センサーと相性が良い
湿気の影響を受けづらい
ステッチ加工は滑走面より少し背が高い
以上、EsportsTigerのゲーミングマウスパッド「EsportsTiger LingYun」のレビューでした。