「Corsair K70 RGB MK.2 Low Profile」レビュー。作動点1.0mmのロープロファイル銀軸を備える薄型ゲーミングキーボード
本稿では、Corsair(コルセア)のゲーミングキーボード「Corsair K70 RGB MK.2 Low Profile」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: CORSAIR JAPAN
製品仕様と外観
メカニカル式のゲーミングキーボードを選ぶうえで「軸色」は非常に重量なポイントとなります。”キーを押し込むのに必要な力” や ”キーをどれだけ押し込んだら反応するのか”が軸色によって異なるので、ゲーム操作の快適性に大きく影響します。
今回レビューする「Corsair K70 RGB MK.2 Low Profile」は、反応が早いことでお馴染みの銀軸、それも薄型(ロープロファイル)のキースイッチを備えたゲーミングキーボードです。詳しく見ていきます。
K70 RGB MK.2 Low Profileは、フルサイズの日本語配列ゲーミングキーボード。キーの高さが35%低くなっており、キーボード本体の高さも2.9cmと薄型です。通常のメカニカルキーボードと比べると約1.1cm短縮されているそう。
耐久性を心配される方もいるかと思いますが、本体には航空機グレードのアルミ製フレームが採用されており、真ん中を押し込んでも沈まない頑丈な設計です。
本体右上にはメディアキーを搭載しています。横長の金属バーからはボリューム調整を、4つ並んだボタンからは再生/一時停止、次へ/前へ などの操作をキーボードから直接おこなえます。
本体背面(ケーブル根本の右側)にはUSBパススルーポートを備えています。マウスやヘッドセットの接続から、スマートフォンの充電にまで役立てることが可能です。
ケーブルの先端は二又になっており、それぞれキーボード本体とUSBパススルーポートの接続用です。それぞれの役割は接続部のアイコンで見分けられます。
キースイッチはCherry MX Low Profile Speed (ロープロファイル銀軸)で、主なスペックは押下荷重45g、キーストローク3.2mm、アクチュエーションポイント1.0mm。
同じCherry MX製の銀軸と比べると、押下荷重はそのままに、キーストローク・アクチュエーションポイントともに0.2mm短縮されており、より高速なキー反応が期待できます。
本体裏面には角度調整スタンドが備わっています。スタンドの先端までゴム足になっているので、デスク上で本体が動いてしまう心配は無さそうです。
取り外し可能なリストレストが付属しており、手首の角度調整、ストレス軽減に役立てることができます。滑り止めのテクスチャード加工が施されており、ゴム製の表面で優しい肌触りです。
K70 RGB MK.2 Low Profileはソフトウェア「iCUE」に対応しており、キー・マクロ割り当てやLEDライティングなどの詳細設定がおこなえます。詳しくは後述します。
スペック&ギャラリー
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Corsair K70 RGB MK.2 Low Profile 製品仕様 接続方式 USB 有線接続 配列・キー数 日本語配列, フルキー キースイッチ Cherry MX Low Profile Speed (低背銀軸) キーストローク 3.2mm 作動点 1.0mm 押下荷重 45g キー耐久性 5,000万回 ポーリングレート 1000Hz LEDライティング 対応 RGB ソフトウェア 対応 (Corsair iCUE) 価格 18,140円 (本稿執筆時点) - 製品イメージをチェックする (開閉できます)
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パフォーマンス
キータッチ・打鍵音
K70 RGB MK.2 Low Profileに搭載されたキースイッチ「Cherry MX Low Profire Speed」についておさらいしておくと、キー反応が早いことでお馴染みの銀軸を、通常のキースイッチよりも薄く設計したもの。スペックは押下荷重45g、キーストローク3.2mm、アクチュエーションポイント1.0mm。
以下はリニア系のCherry MX製キースイッチとの比較となります。
- Cherry MX Red(赤軸)
- Cherry MX Speed(銀軸)
- Cherry MX Low Profile Speed(低背銀軸)
- 45g
- 45g
- 45g
- 4.0mm
- 3.4mm
- 3.2mm
- 2.0mm
- 1.2mm
- 1.0mm
K70 RGB MK.2 Low Profileは この”Cherry MX Low Profile Speed軸”を搭載していることから、アクチュエーションポイント調整が可能なキーボードを除けば、理論上最もキーが素早く反応するゲーミングキーボードと言えます。
実際に使用してみると、それぞれのキーはほとんど揺れることなく安定しており、かといって斜めに押し込んでも同じ荷重でキーが降りてくれるので、脱力した状態でも正確かつ素早いキー操作が行えました。
ただし、メカニカルキーボードらしからぬ打鍵感なので、「カタカタ」と爽快なキータッチを求める方には物足りないかもしれません。ノートPCに内蔵されたキーボードのキーストロークを伸ばしたものを想像してもらうと近いかと思います。
多少力任せに底打ちタイピングしても「スコスコ」と柔らかい打鍵音で、アタック音のようなものは発生しません。ボイスチャットツールへの干渉もしづらいです。
メカニカルキーボード特有の「カチャカチャ」というパーツ同士の接触音は、SpaceバーやEnterキーを力強く底打ちした際にわずかに発生するものの、全く気にならない範囲です。
ロープロファイル(低背キースイッチ)のもう一つの利点は、キーを最大まで押し込んだときの深さ(キーストローク)が一般的なキーボードよりも浅く設計されているので、キーの反応が途絶えるリセットポイントにも素早く到達しやすいところ。
例えばアクチュエーションポイント1.0mmのキーボードでは、数値通りに1.0mm押し込んだ時点でキーが反応します。しかし、再度1.0mmの地点にキーを戻すまでは反応し続けます。これが作動点の短いキースイッチの難点でもあります。
このK70 RGB MK.2 Low Profileは薄型キースイッチを搭載しており、通常のキースイッチよりもキーストロークが短いです。いくら深めに押し込んでも3.2mmまでしかキーが沈まないので、リセットポイントも短く感じます。深めにキーを押し込む癖がある方ならば特に実感しやすいでしょう。
それぞれのキーには適切な跳ね返りがあり、多少キーを深く押し込んでも力を抜けばリセットポイントまで素早く到達します。『League of Legends』ではスキルを打つタイミングを計りやすくなり、銀軸+ロープロファイルの恩恵を受けられました。
キーキャップ
キーキャップはかな印字有りで、表面は艶がなく手の跡が残りづらいタイプ。Spaceバーは滑り止めのテクスチャード加工が施されています。
もちろんロープロファイル軸なので、通常のキーキャップよりも薄いです。キーキャップは交換の際には対応したものを用意する必要があります。
通常のキーキャップに加え、FPSとMOBAに適したキーキャップが付属しています。表面に滑り止めのテクスチャード加工が施されているほか、曲線状に変形しているのが特徴です。
デフォルトの指の配置(ホームポジション)はゲームジャンルごとに異なります(FPSならばW, A, S, D、MOBAならばQ, W, E, R)。それらのキーを見失わないようにするほか、指に引っ掛かりやすくすることで素早い操作を行えます。
メディアキー・各種機能
K70 RGB MK.2 Low Profile本体右上にはメディアキーが備わっています。それぞれのキーの役割は、上段からミュート、音量調整バー、下段は(メディアの)停止、前へ、再生/一時停止、次へ。
Google ChromeやSpotifyで音楽・動画再生すると連動され、ゲームプレイ中でもバックグラウンドに移ることなく再生/停止などの操作が行えます。
音量調整はWindows全体の音量が変更されるので、場面ごとのゲーム音量の上下にも役立てられます。そのような用途で使うユーザーは限られているとは思いますが、あって損は無い機能です。
本体背面にはUSBパススルーポートが備わっており、手元で素早くマウスやヘッドセットが接続できるほか、スマートフォンの充電などにも役立てられます。
頻繁にデバイスを繋ぎ変える方であれば、わざわざPC本体の裏側に潜る必要がなくなるので、便利に活用できるのではないかと思います。
ソフトウェア
K70 RGB MK.2 Low Profileは、Corsair製デバイスの統合ソフトウェア「iCUE」に対応しています。以下のURLよりダウンロード可能です。
Corsair iCUE:https://www.corsair.com/ww/ja/downloads
設定項目は、LEDライティング設定、Windowsロックに関する設定、各キーへのキー・マクロ割り当てとなります。既存キー(A-Z)を別キーへリマップすることも可能です。
基本的にはソフトウェア上に表示されたキーボードから、設定を変更したいキーを選択して進めていくことになります。
またK70 RGB MK.2 Low Profileは、「iCUE」に対応した周辺機器とライティングを同期することが可能です。デバイス類だけでなくファンなどのPCパーツにも対応機種は多いので、そういったものと組み合わせると満足度が増すのではないでしょうか。
結論とターゲット
「Corsair K70 RGB MK.2 Low Profile」について詳しく見てきました。Cherry MX Low Profile Speed (薄型の銀軸キースイッチ)は、とにかくキー反応の速さを重視する方に最適です。また、キーを深めに押し込む癖がある方にとっては、リセットポイントに素早く辿り着けるのも明確な利点の一つと言えます。
実際に『League of Legends』では、敵の動きやスキルショットに対する機敏な反応が行いやすくなったと実感しています。しかし、メカニカル特有の「カタカタ」と心地良いキータッチを求める方は物足りなさを感じるかもしれません。
メディアキーやUSBパススルーポートを搭載するなど、便利な機能も一通り揃っているので、サイズの問題さえクリアすれば好条件なゲーミングキーボード。ゲームのパフォーマンスを向上させたい方ならば一考の価値アリです。
以上、Corsair(コルセア)のゲーミングキーボード「Corsair K70 RGB MK.2 Low Profile」のレビューでした。