Pulsar Xboard QS レビュー
Pulsarのメカニカルキーボード Pulsar Xboard QS をレビューします。
提供:Pulsar
動画で見る
Pulsar Xboard QSについて
Pulsarは今後、3種類のキーボードを発売する予定とのこと。その3種類の中にはラピッドトリガーに対応するゲーム向けモデルも含まれます。
第1弾として登場したのはクリエイター向けモデルの Xboard QSです。Pulsar独自のKVM機能 Quick Switch Technology とType-Aポートを2つ備えたUSBハブを搭載しており、2PC環境での作業に適したモデルとなっています。
メカニカルキーボードとしての基本的な構造にもこだわりを感じられ、打鍵感や打鍵音も心地良いものに仕上がっています。
製品仕様とスペック
価格 | ¥39,800 | カラー | ブラック/ホワイト |
---|---|---|---|
キー配列 | 英語配列 | キー数 | テンキーレス (88キー) |
互換性 | Windows/Mac | ケース | CNCアルミフレーム |
サイズ | 360x163x35mm | 重量 | 1480g (±1g) |
スイッチ | Kailh Box Ice Mint V2 Linear | マウント方式 | ガスケットマウント |
キーキャップ | PBTダブルショット | メディアキー | 音量/LED調整ノブ |
USBハブ | USB-A 2ポート | ソフトウェア | QMK/VIAサポート |
Quick Switch Technology 機能について
早速ですが、このキーボードの最大の特徴は、Pulsar独自の機能 Quick Switch Technologyを搭載していることです。この機能は、2PCユーザーにとって非常に便利なものになっています。
キーボード本体の右上にある+マークと×マークのボタンがQuick Switch Buttonです。
このキーボードの背面左側には、PCを接続するためのUSB Type-Cポートが2つと、デバイス接続用のType-Aポートを備えたUSBハブが2つ搭載されています。
右側にPCを2台まで、左側に好きなUSBデバイスを2つまで繋げられます。
デスクトップPCとMacBook Proの2台にこのキーボードを接続し、
USBハブには無線マウスのドングルとスティック型の外付けSSDを繋いた状態です。
この状態でクイックスイッチボタンを押すと、無線マウスと外付けSSDごと2台のPCを行き来できます。切り替えの際に、USBハブに繋いだ2つのデバイスごとPCを切り替えられるというのが他に無い強みとなっています。
ワンタッチで、ラグなく、瞬時に切り替わります。ソフトウェアのインストールは不要で、PCに繋いですぐにこの機能を利用できます。
また、WindowsとMacのモード切り替えも、F12の右隣のキー (F13?) で行えます。モードはLEDの色から一目で判別できます。(Windowsモードが青、Macモードが赤)
クイックスイッチボタンと近い位置にあるので、「PCを切り替えて、モードも切り替える」という一連の動作がスムーズです。この辺りはうまくデザインされているなと感じました。
競合製品と比較して
複数台のPCを行き来しながら使えるキーボードといえば、有線/2.4GHz/Bluetoothのような色々な接続モードに対応している製品が挙げられます。実際に使っていて不満に感じた点がいくつかありました
- キーボードだけ2台のPCを行き来できても、結局マウス複数台は用意する必要がある
- デスク上がごちゃごちゃになる
- Bluetooth/2.4GHz両対応マウスを2台のPCに繋げても、Bluetooth側のカーソルの動きが粗くなってしまって快適ではなかった
- PCを切り替えるときの一連の動作がちょっと面倒で、そこまで快適な環境にならなかった
- キーボードの背面にあるスイッチを手探りで切り変えて、マウスを裏返してスイッチを切り変えて、と動作が多い
このキーボードなら、マウスとキーボードは1台ずつで済みます。PCを行き来するのはワンボタン。Win/Macモードの切り替えもワンボタン。これは素晴らしい体験と言わざるを得ないです。
2PCで配信しているストリーマーや、WindowsとMacBookなど複数のPCで作業を分担している人に最適です。今まで複数のマウスやキーボードを使っていたのを、これ1台にまとめることができます
デザイン
見た目はとても良いと思います。アルミフレームはまったく黄色みがかっていない白です。表面には少し艶があり、高級感があります。
キーキャップも質感に優れていて、ケースと色味が合っています。黒のアクセントも良い感じ。
上部にはライティングバーが搭載されています。これも控えめで悪くない。
ボトムハウジングは派手に肉抜きされています。かなり珍しい。
ケース自体はかなり頑丈ですし、底から少し高い位置に基板やプレートがあるので、水をこぼしたりしても壊れることはなさそうですが、少し心配ではあります。
背面の左側にはケーブル差し込み口とUSBハブが各2つずつ。
キーボード本体からケーブルが最大4本も伸びた状態になるので、どうしても見栄えが悪くなってしまうのは難点です。ケーブル同士を束ねても微妙だし、綺麗に見せるのは難しいと思います。
無線マウスのドングルとUSBタイプの外付けSSDだとそこまで気になっていません。
キーキャップ
(約1.45mmと)十分な厚みのあるダブルショットPBTキーキャップ。表面の質感はさらっとしていて、指にまとわりつく感じがありません。長時間使用してもべたつきづらいです。
打鍵感
音、かなり良くないですか? SpaceバーやEnterキーを押したときのスタビライザーのノイズもほぼ無いですし、雑にタイピングしたとしても嫌な音が鳴りません。
内部構造はこのようになっています。キーを押したときにガスケットマウントが程よく沈んで、衝撃が吸収され、指に伝わる感触が柔らかくなります。
ガスケットマウントの下には3層の吸音フォームが敷き詰められています。これは本体を裏返すとすぐに分かりますね。キーを強く叩いても反響しません。十分な吸音性があります。
このキーボードはホットスワップに対応していて、
キーキャップとスイッチを取り外すためのツールも付いてくるので、好きなスイッチを用意するだけですぐに交換作業が行えます。
標準で搭載されているのはKailh Box Ice Mint V2。やや高めの底打ち音が心地いいリニアスイッチです。キーの軽さも普通くらいなので、癖を感じずに使うことができると思います。
- Switch Type: Linear
- Actuation Force: 38±10gf
- Bottom-out Force: 50±10gf
しっかりと作られていて、メカニカルキーボードとして良いものなので、スイッチを交換しながら長く使っていけると思います。
打鍵音の大きさが気になるという人は、Silent系のキースイッチに変えると静かにすることもできます。使用環境や用途に合わせてカスタマイズできるのは強みになると思います。
ソフトウェア
このキーボードは、VIAというChromeなどのブラウザで使えるソフトウェアに対応しています。
URL「https://usevia.app/」にアクセスすると利用できます。初回はPulsar公式サイトから設定用の.jsonファイルを入手して、.jsonファイルを読み込む必要があります。
.jsonファイルを入手する手順は、このページにアクセスし、KEYBOARD – Keyboard – XBOARD QS Mechanical Gaming Keyboard – FIRMWARE の順にクリックし、Firmware (mass production) and JSON file supporting VIAの横にあるダウンロードボタンをクリック
初回のみ面倒ですが、一度設定を済ませてしまえば不便なことはありません。キーマップ変更後は、 クイックスイッチボタンでPCを切り替えても設定は引き継がれます。
上記の画面でキーマップの変更が行えます。WindowsとMacの両方で使う場合、画面左上のLAYERを切り替えてWindows用とMac用それぞれのキーマップを作ることで対応可能です。
- Layer0: Macのデフォルトキーマップ
- Layer1: MacでFnキーを押した際のキーマップ
- Layer2: Windowsのデフォルトキーマップ
- Layer3: WindowsでFnキーを押した際のキーマップ
結論
Pulsar Xboard QSについて詳しく見てきました。2台のPCをシームレスに行き来できるQuick Switch Technologyはパソコンを2台使うユーザーにとって革新的な機能だと思います。
- ボタンをワンタッチするだけの簡単操作
- Win/Macモード切り替えも近くのボタンを1回押すだけ
- USBハブ2つに繋いだ機器ごと行き来できる
- マウスが1つで済む = デスクが片付く
- 余ったポートには外付けSSDなどもOK
KVM機能がキーボードに搭載されていると、複数台のPCを使った環境構築の幅がかなり広がると感じました。筆者はWin/Macの2台を使った自宅の作業環境がとても快適になり満足しています。
メカニカルキーボードとしてもよくできていて、打鍵感に飽きてもスイッチを変えることもできるので、長く使っていける良い仕事道具になると思います。
良い意味でゲーミングらしくなく、デスクに馴染みやすい見た目をしていると思います。しかし、ボタンの+と×マークは無くせなかったのかとか、キーボード本体からケーブルが何本も伸びているのが気になるみたいな、そういった細かな不満はあります。
また、PCは1台しか使わないけど、単なるメカニカルキーボードとして興味があるという場合は、他のキーボードを探すことをお勧めします。いくら内部構造に凝っているとはいえ、USBハブが2つ付いたメカニカルキーボードに4万は割高だと思います。
Quick Switch Technologyのような機能を求めていた人にとっては価格以上の価値を生み出す製品だと思います。
Pulsarのメカニカルキーボード Pulsar Xboard QS のレビューでした。