Endgame Gear XM2we レビュー

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Endgame Gear XM2we レビュー

今回はEndgame Gearのゲーミングマウス「Endgame Gear XM2we」をレビューします。

レビューサンプル提供: 株式会社アーキサイト

Endgame Gear XM2we
価格: 12,980円 (本稿執筆時点)

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この製品について

今回はEndgame Gearより待望のワイヤレスマウス「Endgame Gear XM2we」が国内発売となったのでレビューします。前作XM1r発売から2年以上経ち、いわゆるXM1クローンマウスも数多く登場している中で、XM2weはどのような立ち位置になるのか詳しく見ていきます。

製品仕様とスペック

カラー ブラック/ホワイト 表面 マットコーティング
形状 左右対称 サイズ 66.0 x 122.0 x 38mm
本体重量 ~63g (Whiteは+0.5g) ボタン数 5つ
センサー PixArt PAW 3370 解像度 最大19,000dpi
最大加速度 50G 最大速度 400IPS
ポーリングレート 1000Hz MCU CompX CX52850
エンコーダー TTC Silver スイッチ
メイン: Kailh GO Optical
サイド: Kailh GM 2.0
ホイール: Kailh GM 2.0
接続方式 2.4GHzワイヤレス ケーブル パラコード (Black Flex Cord 3.0 Type-C 180cm)
ソール PTFE バッテリー 410mAh
ソフトウェア 対応 メーカー保証

バリエーションと本体価格

Endgame Gear XM2weはブラックとホワイトの2色展開です。

パッケージと内容物

Endgame Gear XM2weのパッケージは有線版と同じように見えます。内容物はマウス本体、ケーブル、延長アダプタ、USBドングル、取扱説明書です。

接続とケーブル

Endgame Gear XM2weは2.4GHzワイヤレスに対応しています。延長アダプタとケーブルが付属しており、USBドングルとマウス本体を近付けて使用できます。

バッテリー

Endgame Gear XM2weのバッテリー容量は410mAhで、最大80時間の連続使用に対応しています 約1週間のゲームプレイに対応しているとのことです。(2023年6月17日00時28分修正) 個人的にバッテリー持ちは十分だと感じますが、他社のハイエンド機と比べるとやや劣るという評価になります。

充電ケーブルは根元が上を向けられていて、マウスパッドとケーブルが擦れるのを防止します。充電中に有線マウスとして使用する際にも快適です。

ビルドクオリティ

Endgame Gear XM2weのビルドクオリティは素晴らしいです。シェルの強度がとても高いです。強い力でグリップしてもたわむことはなく、カタついたり軋み音が鳴ることもありません。シェルの継ぎ目は段になっておらず、寸法精度も高いといえます。それぞれのスイッチは適切に取り付けられていてフィーリングに違和感はありません。

コーティング

Endgame Gear XM2weのコーティングは有線版(XM1rやXM1)と同じものです。マットな質感で非常にグリップ性が高いですが、相変わらず触った部分には跡が残りやすく、汗や皮脂による汚れがかなり目立ちます。

指先や手のひらをしっかりと固定できます。手が乾燥していても汗で湿っていてもグリップ力が維持されて快適です。個人的にはグリップテープは不要だと感じます。既存マウスの中でも滑りづらい方ではあるが汚れはかなり目立ってしまうことから好みが分かれそうです。触った部分への一時的な汚れが目立つのが気になる方はホワイトを選択することをお勧めします。

本体重量・重量バランス

Endgame Gear XM2weの本体重量は公称値63g以下 (Whiteは63.5g以下)、実測値はブラックが公称値通りの63.0g、ホワイトが公称値よりも若干軽めの62.4gでした。

重心はセンサー付近にあります。重さが偏っている部分もなく、重量バランスは良好です。

形状と大きさ

SteelSeriesのSenseiやKinzu、Kanaの開発に携わった人物が関わっているマウスだけあり、それらに近しい要素が含まれたつかみ持ち向けの素晴らしい形状です。言わずもがな旧型の「Endgame Gear XM1」「Endgame Gear XM1r」と同じです。XM1クローンマウスと呼ばれる「LAMZU Atlantis」「Ninjutso Sora」「Pulsar X2」などはこのマウスの形状をベースに設計されています。

表側から見ると本体幅が広いように見えて、裏を向けると意外にもスリム。

全体的に平べったく、真ん中よりもやや後ろ側が膨らんでいます。

本体の真ん中よりもやや後ろ側からお尻のギリギリまで高さがあるので、指の付け根で支えるような浅めのグリップ、手のひらでしっかりと支える深めのグリップのどちらでも快適です。手のひら側をどのように置いても違和感が出づらい、とても理にかなった形状だと感じます。

両サイドの窪みが深く、強烈な逆ハの字となっているため、指を立ててグリップしたときに簡単にマウスが持ち上がります。

基本的にはつかみ持ちに適した形状と言えますが、指先が潜り込むことを許容できればつまみ持ちでも問題無く操作が可能です。薬指や小指を沿わせることができないので、かぶせ持ちのような全ての指を寝かせる持ち方はできません。

Lamzu AtlantisやNinjutso Soraなど類似マウスとの比較:

XM2weはトップとボトムで本体幅に差があるのが特徴です。表から見ると幅が広いように見えますが、裏から見ると細めな印象を受けます。

Lamzu Atlantisはトップの本体幅がXM2weよりも広がっています。つかみ持ちしたときに薬指の指先よりも先に第1関節がシェルにぶつかるイメージです。ボトムはそのままにトップの本体幅のみが広がっているので、薬指を置く位置は逆ハ字の角度が急になっているのも違いの一つです。

また、Lamzu AtlantisはXM2weよりも両サイド真ん中の窪みがややマイルドです。サイドに親指を置いたとき、真ん中が深くくびれているXM2weのほうが指先が深くまで潜り込む感じがします。

Ninjutso Soraはトップの本体幅が狭めに設計されていて、表から見ても少し幅が狭いように見えます。これによってトップとボトムの本体幅の差が縮まっており、逆ハの字の角度がかなり緩やかになっています。つかみ持ちしたときに薬指の指先と第1関節のあたりが同時にシェルにぶつかるイメージです。

また本体後部の横への膨らみも控えめなので、つかみ持ちしたときにコブが丸くて本体後部の幅がそこまで広くない印象を受けます。

Pulsar X2はトップとボトムで本体幅に差がありません。真ん中すらほとんど窪んでおらず、両サイドがほぼ水平になっています。

XM2weと類似マウスそれぞれの寸法は以下の通り。

XM2we Atlantis Sora X2 Atlantis Mini X2 Mini
幅(mm) 66 66 65 63 63 61
全長(mm) 122 123 121 120 117 116
高さ(mm) 38 38 37 38 37 37
重量(g) 63 55 45 56 49 53

トップとボトムの本体幅に差がある形状なので、数値以上にグリップしたときに違いが出やすいです。筆者がつかみ持ちしたときに大きいと感じた順番に並べると Atlantis > XM2we > Sora = X2 > Atlantis Mini > X2 Mini といった感じになります。筆者の平均的な手の大きさにジャストフィットするのはEndgame Gear XM2weで、ゆとりを持たせたいなら小さいサイズを選択します。

この中でもトップとボトムの差が大きかったりサイドのくびれが深くて強いフィット感が得られるのはEndgame Gear XM2weとLamzu Atlantis、Lamzu Atlantis Miniです。逆にトップとボトムの差が少ないNinjutso Soraや、トップとボトムの差がなくサイドも水平なPulsar X2、Pulsar X2 Miniは本家のようなフィット感が得られないものの癖が少ない形状であると言えます。

マウス自体が手の大きさに合うかを確かめたうえで、好みに合ったものを選んでみてください。

スイッチ

メインボタン

メインボタンには光学式マイクロスイッチ「Kailh GO Optical Switch」が搭載されています。押し心地は固くて跳ね返りも強いです。プリトラベルとポストトラベルが適度にあり、押し込み時には「カチッ」と強いバンプがあります。バランスが取れています。連打とホールドのどちらも行いやすく、ハッキリとした感触が得られます。優れているとは言い難い独特な感触がある光学スイッチの印象が180°変わる素晴らしいクリック感だと思います。ただし、浅めにつまみ持ちする方・クリック感が重たいマウスを苦手とする方には不向きです。

メインボタンはセパレートタイプになっており、ボタンを押し込む場所によるクリック感の変化が抑えられています。手前側にいくにつれて押下圧と跳ね返り感が増し、ホイールより1センチほど手前側まではやや固いように感じるものの違和感なく押すことができました。

サイドボタン

サイドボタンは細長いタイプで、従来と変わらず手前側のボタンの方が長めに作られています。エッジは丸まっていて親指をスライドさせても引っ掛かりません。

押し心地はやや固めで、プリトラベルとポストトラベルともに短いです。カチカチと歯切れがよく、押した感触が指にしっかりと返ってきます。ゲームで重要なキーを割り当ててもうまく機能します。

ホイール

ホイールは本体から程よく飛び出しています。ゴムリングには水平方向に切り込みが入っており、適度に指に引っ掛かって回しやすいです。エンコーダーにはTTC Silverが搭載されています。押し心地はやや重ためでノッチ感が強く、1ノッチごとにハッキリと分離するタイプです。

ホイールクリックの感触は良いですが、とにかく重たいです。メインボタンよりも重たいので咄嗟に押す必要のある場面では使いづらいです。エイムと並行しながら押す必要があったり連打しなければいけないキーをバインドするのには不向きです。

センサー


Endgame Gear XM2weは「PixArt PAW 3370」を搭載しています。最大19,000DPI、最大加速度50G、最大速度400IPSに対応しています。初期DPIは400 / 800 / 1600 / 3200の4段階で、本体底面に搭載された「mode」というボタンで切り替えられます。

「Mouse Tester」での検証に加え、「VALORANT」と「Apex Legends」でもプレイテストを行った結果、センサーは正常に動作していることを確認できました。

センサーがPixArt PAW 3370であることをデメリットとして指摘されているのを見かけますが、通常使用において3395と体感できるような違いは確認できず、マイナス要素にはならないと判断しています。

* 付属の延長アダプタ・ケーブルを使用し、マウス本体とUSBドングルを近付けた状態で検証。DPIは400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッドは「BenQ ZOWIE G-SR-SE Rouge」。環境によって結果が変動する可能性があるので、あくまで参考程度にお願いします。

センサーの位置

Endgame Gear XM2weのセンサーは本体の真ん中に配置されており、前作「Endgame Gear XM1」「Endgame Gear XM1r」と同じ位置にあります。類似マウスと比較すると写真のようになります。とても良い位置だと思います。

マウスソール

大きなマウスソールが上下に1枚づつ貼られています。材質はPTFEです。

滑り出しが軽くて滑走速度もそれなりに速いです。接地面が広いマウスソールながら引きずる感触が少ないです。エッジは適切に処理されており、厚みも十分にあるので、滑走面が粗かったり中間層が柔らかいマウスパッドと組み合わせても引っ掛かりません。とても品質の高いマウスソールです。

設定/ソフトウェア

Endgame Gear XM2weは専用ソフトウェアに対応しています。以下のURLよりダウンロード可能です。

Endgame Gear XM2we Configuration Software V1.0:https://www.endgamegear.com/downloads/xm2we

キー割り当てやDPI変更(初期DPIは400, 800, 1600, 3200の4段階)、ポーリングレート変更といった基本的な設定のほか、リフトオフディスタンス変更(1mm, 2mmの2段階)とデバウンスタイム調整(0~30ms、デフォルトは3ms)にも対応しています。シンプルなUIなので迷わずに設定できるかと思います。

結論とターゲット

「Endgame Gear XM2we」について詳しく見てきました。グリップ性の高いコーティングに包まれた頑丈なシェルに始まり、それぞれのスイッチの調整、適切な重量バランス、高品質なマウスソールなど、各部のクオリティが素晴らしいゲーミングマウスです。

左右クリックはハッキリとした感触をもたらし、光学式スイッチのあまり良くない印象を払拭してくれます。サイドボタンやホイールのフィーリングにも優れています。ホイールクリックは感触こそ悪くないもののメインボタンよりも重たいので使いづらいです。咄嗟に押し込んだり連打する必要のあるキーをバインドしない限りは問題ありません。

国内での販売価格は税込12,980円で、同じ価格帯の左右対称マウスの中では最も優れた選択肢になるでしょう。いわゆるXM1クローンマウスもいくつか登場していますが、その中でもXM2weは軽さよりも作り込みを重視する全ての方にお勧めです。63gと十分に軽量ですが、軽さを最重要視する場合には選択肢から外れます。

Endgame Gearは本当に価格競争力のあるメーカーだと再認識させられました。既に発表されている次作「Endgame Gear OP1」にも期待できそうです。

総合評価5.0 out of 5.0 stars

* それぞれ 長所 注意点 短所 の3段階で評価しています。
 本家XM1形状
 安定したワイヤレス接続
非常に高いビルドクオリティ
バッテリー持ちは十分
 滑りづらいコーティング
 ハッキリとしたクリック感
 明瞭なサイドボタン
分離感の強いホイール
高精度なセンサー
高品質なマウスソール
表面の汚れが目立ちやすい
ホイールクリックが固い
Endgame Gear XM2we
価格: 12,980円 (本稿執筆時点)

*国内正規代理店より6月15日(木)に発売

以上、Endgame Gearのゲーミングマウス「Endgame Gear XM2we」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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