Lamzu Atlantis レビュー

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Lamzu Atlantis レビュー

本稿では、Lamzuのゲーミングマウス「Lamzu Atlantis」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: HID-Labs

Lamzu Atlantis
価格: 13,500円(執筆時点)   Arkで見る

この製品について

「Lamzu Atlantis」は、新興メーカーLamzuの1作目となるゲーミングマウスです。2.4GHzワイヤレス対応、形状にはつかみ持ちユーザーに人気の高いXM1クローンを採用し、シェル表面が肉抜きされていないソリッドシェルながら本体重量わずか55gとミディアムサイズとしては最軽量クラスとなっています。

ボタン数は必要最低限で、LEDライティングの余計な装飾もない、パフォーマンスと軽さを追求した設計も好印象です。また、軽量化に一役買いつつも奇抜なデザインのボトムシェルは、マウス操作中には見えない部分ながらこだわりを感じられる要素の一つとなっており、製品としての完成度の高さが伺えます。

製品仕様とスペック

カラー 5種類 表面 マット
形状 左右対称 サイズ 123.0 × 66.0 × 38.0mm
本体重量 55g ボタン数 5つ
センサー PixArt PAW 3395 解像度
最大加速度 最大速度
レポートレート 1000Hz LoD
デバウンス バッテリー 最大70時間
接続方式 2.4GHz/有線 ケーブル USB Type-A to USB Type-C
スイッチ Huano blue shell pink dot (80m) エンコーダー TTC gold
ソール PTFE ライティング 非搭載
ソフトウェア 対応 メーカー保証 1年間

入手方法と販売価格

Lamzu製品はHID-Labsが国内正規代理店を務めており、HID-Labs公式オンラインショップ、Arkで購入可能です。

価格はHID-Labs公式サイトで13,500円+送料、その他のECサイトでは15,000円前後で販売されています。海外ECサイトでは89.99ドルで販売されており、現在のレートで換算すると同等の価格となっています。※2022/10/04執筆時のレートは1ドル144.82円

バリエーション

ブラック・グリーン・マイアミ・ピンク・ホワイトの5色展開となっています。

パッケージと内容物

Lamzu Atlantisのパッケージの内容物は以下の通り。

  • Atlantis マウス本体
  • USB Type-C to USB Type-A ケーブル
  • ケーブル延長用アダプタ
  • ワイヤレスレシーバー
  • 交換用PTFEソール
  • ガラスソール *現在は別売りのオプションに
  • マウス保管用ポーチ
  • 取扱説明書

パフォーマンス

接続とバッテリー

接続方式

Lamzu Atlantisは有線と2.4GHzワイヤレスのデュアル接続に対応しています。

付属のワイヤレスレシーバーをPCに接続し、マウス本体底面のスイッチを切り替えると動作します。延長用アダプタとケーブルが付属しており、距離を近づけて使用することで安定性が高まります。

ワイヤレス接続時の動作は安定しており、長時間使用していても不具合は発生しませんでした。

バッテリーと充電

Lamzu Atlantisは最大70時間の連続動作に対応するバッテリーを搭載しています。ミディアムサイズでソリッドシェルながら本体重量55gと軽量化を重視した仕様ながら、バッテリー容量もそれなりに大きいのは評価できる点だと言えます。

マウスを動かさないまま一定時間経つとスリープモードに移行し、余計なバッテリー消費を防ぎます。

付属の充電ケーブルは根元が上を向けられており、マウスパッドと擦れ合うのを防ぎます。不意にバッテリーが切れてしまって充電せざるを得ない状況でも快適に使用できます。

デザインされたボトムシェルの下部には、ワイヤレスレシーバーを格納できるスペースが設けられています。一度レシーバーをはめ込むとしっかりと固定され、抜け落ちることはありません。

ビルドクオリティ

Lamzu Atlantisのビルドクオリティは十分です。軽量化のために薄いシェルが採用されている影響で、サイド中央のやや手前側や奥側はマウスを握るフォームで指先に強く力を加えると数ミリたわみます。普通にグリップしている分には気にならず、操作に影響を及ぼすことはありません。

これは軽量化とのトレードオフで、グリップや操作に影響を及ぼさない限りは品質の良し悪しに関わらないものとして個人的には認識していますが、神経質な方は避けた方が良いでしょう。

シェル各部が軋んだりカタつくことはなく、ボタンのフィーリングも良好です。本体を激しく振っても音は鳴りません。トップシェルとサイドシェルの継ぎ目も見えず、しっかりと組まれている印象を受けます。

グリップ性能

シェル表面のグリップ性能は低いです。サラサラとした質感のマットコーティングで、指先や手のひらに張り付くような感覚は得られません。手が乾燥した状態では滑りやすく、手汗の量が多いとかなり滑ってしまう印象です。

マウスをしっかりと固定したい場合、グリップテープでの対策が必須になるかと思います。サイドボタンが本体から大きく飛び出しているので、よほど厚いテープを貼らない限りは押し心地に影響は出ません。

触った部分には跡が残りづらく、汗や皮脂による汚れは目立ちづらいです。非常に細かい部分ですが、Lamzu Atlantisはトップシェルとサイドシェルに継ぎ目が無いので、汚れが溜まらず使用感が出づらいです。

本体重量

公称値は55g、実測値は55.1gでした。公称値通りです。

大手メーカー製の主力ラインナップは、Logicool G PRO X SUPERLIGHTが63g、Razer Viper V2 Proが58gとなっており、軽さを重視する方にとっては優れた選択肢になりそうです。

類似形状のゲーミングマウスと比較すると、既に発表されている同形状の本家であるXM1のワイヤレスモデル「Endgame Gear XM2w」は63g以下、先日発売された「Pulsar X2」は56gとなっています。類似形状ではLamzu Atlantisが最軽量クラスのゲーミングマウスとなっています。

* 無線接続のゲーミングマウスは充電式バッテリーを内蔵するため、有線接続のマウスよりも重たくなる傾向にあります。

重量バランス


重心はセンサー付近にあり、ほぼ中心になるよう調整されています。

大半のゲーミングマウスはこれと同じように重心が中央辺りに調整されているので、他のマウスからLamzu Atlantisに乗り換えても違和感は出づらいです。

形状と大きさ

Lamzu Atlantisは「EndgameGear XM1」クローン形状の左右対称ゲーミングマウスです。寸法は123.0 × 66.0 × 38.0mmで、ミディアムサイズに分類されます。

クローン元のXM1とサイズ感は全く同じですが、Lamzu Atlantisの方が本体後部の背がわずかに低く、両サイドの窪みと逆ハの字の角度がやや控えめになっています。そのため、XM1の方が親指や小指がサイドにめり込むような感覚が強く、Lamzu Atlantisでは弱まっています。

XM1に限りなく近い形状ではあるものの、実際にグリップした際にはそれなりに違いが感じ取れます。

横から見ると全体的に平べったくはありつつも、本体中央から後部にかけて盛り上がるように設計されています。表側から見ると本体幅が広く、裏側から見るとかなり狭いことから分かるように、真ん中から先端にかけて急な逆ハの字になっています。

手のひらに触れるコブはかなり大きいです。本体後部の幅が広いうえに、左右の両端までしっかりと高さが残されています。

両サイドには深めの窪みがあり、急な角度のついた逆ハの字になっているので、指先が引っ掛かり強いフィット感が得られます。指の力を抜いた状態でもマウスの持ち上げ動作が簡単に行えるのも利点の一つです。

左右メインボタンはかなり背が低く、指先とマウスパッドとの距離が近付きます。こういった設計は指先でのマウスコントロールが行いやすく、つかみ持ちやつまみ持ちでうまく作用します。

持ち方の相性

代表的な3種類の持ち方 かぶせ持ち・つかみ持ち・つまみ持ち との相性をチェックします。

筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があります。

かぶせ持ち

かぶせ持ちとの相性は良くありません。サイドの深く窪んだ部分に薬指と小指を折り込む必要があり、グリップする角度や深さをうまく調整できません。

つかみ持ち

つかみ持ちとは非常に相性が良いです。サイズ感は万人向け~やや大きめといったところで、筆者のような平均的な手の大きさ~手が大きめの方に適しています。

本体後部は程よく盛り上がっていて、左右の両端まで高さが残されています。グリップする深さや角度を調整しやすく、手のひら全体を預けて深めに握り込んだり、薬指から小指の付け根で支えて浅めに握り込むこともできます。

両サイドが深く窪んでおり、急な逆ハの字になっているので、しっかりと指先が固定されて強いフィット感が得られます。指の力を抜いた状態でもマウスが簡単に持ち上がるので、マウスのポジションを戻すための持ち上げ動作が行いやすいです。

ボタン配置はよく考えられており、よほど深めにグリップしない限りは両方のサイドボタンを押し込むことができ、ホイールも無理なく指が届く位置にあります。

操作感はとても良く、フィット感に優れているうえに本体重量が55gと非常に軽いことから、マウスと手が一体になっているかのような感覚が得られます。メインボタンの背が低く、人差し指・中指とマウスパッドとの距離が近いので、手のひらよりも指先でマウスを制御している感覚が強い方に適しています。

つまみ持ち

つまみ持ちとも相性が良いです。表側から見ると本体幅が広めに設計されているように見えますが、急な逆ハの字になっているので、実際にグリップすると意外と幅狭な印象を受けます。

両サイドにある深い窪みによって指先との接地面積が広くなり、マウスをしっかりと支えることができます。サイドの急な逆ハの字と55gの軽量設計によって、マウスが持ち上がりやすく、ポジションを元に戻すため頻繁に持ち上げても操作が安定しやすいです。

そこまで背が高くなく全長も短めに設計されているので、マウスと手のひらの間に広いスペースが生まれ、指の関節を使ってマウスを縦に動かすときの可動域が広く確保できます。

ボタン配置は適切です。かなり浅めにグリップしない限りは両方のサイドボタンを押し込むことができ、ホイールも指が届きやすい範囲にあります。

スイッチ

メインボタン

メインボタンにはHuano blue shell pink dot (80m)が採用されています。

やや固めで跳ね返りが強く、歯切れの良さを感じられます。いわゆるクリスピーな感触です。強い跳ね返りと短いポストトラベルのおかげで高速で連打しやすく、ホールドするのも苦ではない固さなので、FPSにおけるスプレー・タップ撃ちのどちらもうまく制御できます。

Lamzu Atlantisは55gと超軽量ながらクリック時のフィーリングが良く、押し心地がしっかりとしています。クリック感の良し悪しはマイクロスイッチの種類だけでなくシェルのクオリティにも大きく左右されます。軽いゲーミングマウスほど軽量化を優先するあまりにシェル構造が簡易化されがちで、フィーリングが悪いものが多い中、Lamzu Atlantisはうまく設計されているようです。

メインボタンが分離したセパレートタイプになっており、押し込む場所によるクリック感の変化が抑えられています。手前側にいくにつれて押下圧と跳ね返り感が若干増しますが、ホイールより1cmほど手前側を押し込んでも大きな変化はなく、浅めのつまみ持ちでも違和感なく操作できます。

サイドボタン

サイドボタンは程よいサイズで、本体から大きく飛び出しています。ボタンの配置はよく考えられていて、かなり浅めにつまみ持ちしない限りは両方のボタンに指が届きます。

エッジはしっかりと丸められており、親指をスライドさせても引っ掛かりません。

やや固めで歯切れが良く、ポストトラベルが若干長めに取られています。若干チープな気もしますが、押下時の感触が指に伝わりやすく、FPSでキャラクター操作にかかわる重要なキーを割り当ててもうまく機能します。

ホイール

ホイールは本体から大きく飛び出しています。ホイールリングはゴム製で、波のような模様が浮き出しており、指に引っ掛かりやすく回しやすいです。

回し心地はやや硬めで、かなりハッキリとしたノッチ感があるぶん少し重たく感じます。連続したスクロールも細かい操作も行いやすく、個人的にはかなり好みです。あまり抵抗感のない軽いものが好みな方にはウケが悪そうです。

ホイールクリックは固めで、それなりに指に力を込める必要があります。咄嗟の判断で素早く押し込むには固すぎるので、頻繁に使用するキーをバインドするのには不向きです。

センサー

Lamzu Atlantisは、最大26,000DPI、最大速度650IPSに対応するPixArt製ハイエンドセンサー「PixArt PAW3395」を搭載しています。DPIは400, 800, 1600, 3200, 6400の5段階で、本体底面に搭載されたDPIボタンより切り替えられ、設定状況はLEDインジケーターの色で判別できます。

センサーの挙動を可視化するツール「Mouse Tester」での検証に加え、『VALORANT』と『Apex Legends』でもプレイテストを実施した結果、センサーは正常に動作していることを確認できました。

* 付属の延長アダプタ・ケーブルを使用し、マウス本体とUSBドングルを近付けた状態で検証。DPIは400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッドは「BenQ ZOWIE G-SR-SE Deep Blue」。環境によって結果が変動する可能性があるので、あくまで参考程度にお願いします。

MouseTester: xCounts

MouseTester: xSum

センサー配置

センサーはマウス本体の真ん中よりも少し前側に配置されています。

* センサーの位置が変わると、手首を支点にしてマウスを動かしたときのカーソルの移動量に差が出ます。一般的には、手首の動きを細かく捉えられることから、センサーが真ん中よりも前側に寄っているものは優れているとされており、後ろ側に寄ったものは好まれない傾向にあります。

マウスソール

半透明のPTFEソールが上下に2枚貼り付けられています。厚さは実測値0.81mmです。

面積の小さい横長タイプで、とても滑りが速く、滑り出しも非常にスムーズです。エッジがしっかりと丸められており、滑走面が粗かったり中間層が柔らかいマウスパッドと組み合わせても引っ掛かりません。

標準マウスソールとしては非常にクオリティが高く、サードパーティー製ソールに貼りかえる必要性は今のところ見当たりません。

交換用の純正PTFEソールが1セット付属します。これは2セット税込770円でオプションとしても販売されているので、必要になった際には入手することができます。

ボトムシェルのデザインに合わせたオリジナルのガラスソールも1セット付属しています。これも税込2,310円でオプションとして販売されています。

またLamzuはサファイア製ソールも展開しています。サファイアは硬度が非常に高く、耐久性に優れています。販売店曰く、滑りの速さはPTFEソール以上、ガラスソール以下とのこと。こちらは税込4,400円となっています。

ソフトウェア

Lamzu Atlantis 専用ソフトウェア:https://lamzu.com/pages/download
※ダウンロードしたファイルは拡張子が7zなので、7-Zipなどの解凍ツールが必要になります。

Lamzu Atlantisはソフトウェアに対応しています。設定項目は、ボタンへのキーバインド、デバウンスタイム調整(0~30ms)、DPI調整(50~26000dpi)、ポーリングレート切り替え(125/250/500/1000Hz)、LOD調整(1mm/2mm)、マクロの記録・保存となっています。

UIがシンプルで分かりやすいです。基本的な設定はすべて揃っていて、デバウンスタイムやLODなどの詳細設定にも対応しているので、これといって困る部分は無いかなと思います。

結論とターゲット

「Lamzu Atlantis」について詳しく見てきました。つかみ持ちユーザーに人気の高いXM1のクローン形状を採用しつつ、ソリッドシェルで本体重量55gと非常に軽い、とても魅力的なワイヤレスマウスです。

つかみ持ちでは強いフィット感が得られ、つまみ持ちでも安定感の高い、とても優れた形状です。クローン元のXM1より僅かに本体後部が低く、両サイドの窪みと逆ハの字の角度がやや控えめになっているので、本家そのままの形状を期待している場合は本家ワイヤレス機の発売を待つのが賢明かもしれません。

使用感はとても良く、超軽量マウスながら左右クリックのフィーリングに優れ、55gと非常に軽いことでマウスと手が一体になったような感覚が得られます。充電用ケーブルは根元が上を向けられていたり、マウスソールの品質が非常に優れているなど、全体的に満足度が高いです。

懸念点として、シェルが薄いのでサイド真ん中の前後を強めに押し込むと僅かにたわみます。グリップや操作に影響を及ぼすほどではなく、個人的には軽量化とのトレードオフと割り切るべき部分であると感じますが、神経質な方は注意が必要です。また、大半の超軽量マウスと同様、シェル表面のグリップ性能が低いですが、グリップテープで簡単に対策できることを考えれば大した問題にはなりません。

結論として、Lamzu Atlantisは非常に軽く使用感にも優れたゲーミングマウスです。ボタン数は必要最低限で、LEDライティングの余計な装飾もない、パフォーマンスと軽さを追求した設計となっています。つかみ持ちで強いフィット感を得られるゲーミングマウスを探していて、ワイヤレスかつ軽量設計であることを条件としている場合、一度試してみて損はないでしょう。

総合評価5.0 out of 5.0 stars

* それぞれの項目を///の4段階で評価
 十分なビルドクオリティ
 XM1のクローン形状
安定したワイヤレス時の動作
根元が斜め上を向いた充電ケーブル
最大70時間持続するバッテリー
 わずか55gの超軽量設計
 適切な重量バランス
 歯切れの良いクリック感
 明瞭なサイドボタン
軽くて分離感のあるホイール
高精度かつ安定したセンサー
 優れたセンサー配置
品質の高いマウスソール
 表面のグリップ性能が低い
 サイドシェルが僅かにたわむ
Lamzu Atlantis
価格: 13,500円 (本稿執筆時点)

以上、Lamzuのゲーミングマウス「Lamzu Atlantis」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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1 件のコメント
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名無しの権兵衛

詳しいレビューありがとうございます。
太古のマウスですがsteelseriesのkanaを使用していました。
その際には親指〜手の掌底部分?〜薬指でパームして小指は外側へ外したようなパームグリップ?でした。
そのような例えばgproを同じような握り方をすると逆ハの字になっていないため滑るような感覚があります。
こちらのマウスやxm2we等は上記の握りは可能でしょうか?