「Pulsar Xlite V2 Mini Wireless」レビュー。コストパフォーマンスに優れた小型エルゴノミクスマウス

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「Pulsar Xlite V2 Mini Wireless」レビュー。コストパフォーマンスに優れた小型エルゴノミクスマウス

本稿では、Pulsarのゲーミングマウス「Pulsar Xlite V2 Mini Wireless」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: Pulsar Japan

Pulsar Xlite V2 Mini Wireless
価格: 9,780円(執筆時点)  Amazon  楽天市場

ファーストインプレッション

Pulsar Xlite V2 Mini Wirelessは、Xlite V2 Wirelessの小型モデルにあたるゲーミングマウスです。Xlite V2 WirelessがZowie EC2とほぼ同等の大きさで、万人向けのサイズ感でした。一方でこのXlite V2 WirelessはZowie EC3よりもやや小さめに設計されており、手が小さめの方に向けたものになっています。

他の仕様について違いはないようですが、サイズ感の変更によってどのようにパフォーマンスに変化をもたらすのか、再度この記事で詳しくチェックしていきます。

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製品仕様とスペック

カラー ブラック / ホワイト / レッド 表面 マットテクスチャー
形状 左右非対称 サイズ 117.0 × 64.0 × 40.0mm
本体重量 55g ボタン数 5つ
センサー PixArt PAW3370 解像度 50~20,000dpi
最大加速度 50G 最大速度 400IPS
レポートレート 1000Hz LoD 1mm / 2mm
デバウンス バッテリー 最大70時間
接続方式 2.4GHz ケーブル USB-C
スイッチ Kailh GM8.0 エンコーダー
ソール PTFE 0.6mm ライティング 非搭載
ソフトウェア 不要 メーカー保証 1年間

パッケージと内容物

Xlite V2 Mini Wirelessのパッケージの内容物は以下の通りです。

  • Xlite V2 Mini Wireless マウス本体
  • レシーバー / アダプター
  • USB-A to USB-Cパラコードケーブル (レシーバー延長/充電の両用)
  • 取扱説明書 / ステッカー

パフォーマンス

接続とバッテリー

接続方式

Xlite V2 Mini Wirelessは2.4GHzワイヤレス接続に対応しています。付属のUSBドングルをPCに接続した状態で、マウス本体底面のスイッチをONに切り替えることで動作します。また、付属の延長ケーブルを用いてマウスとUSBドングルとの距離を近付けることで、ワイヤレス通信の安定性を高められます。

ワイヤレス接続時の通信は安定しており、長時間の動作においても問題は見られません。

バッテリーと充電

最大70時間の連続動作に対応するバッテリーを搭載しています。マウスを動かさないまま一定時間経つとスリープモードに移行するため、余計なバッテリー消費を防ぐことができます。

付属のパラコードケーブル(USBドングル延長ケーブルと兼用)で充電しながら使用することができます。

ビルドクオリティ

Xlite V2 Mini Wirelessのビルドクオリティは優れています。シェルは肉抜きされているものの内部で補強されており、グリップした際に軋んだりカタつくことはなく、本体を激しく振っても音は鳴りません。

ボタンやホイールなどは適切に取り付けられており、フィーリングに違和感はありません。

グリップ性能

ごく一般的なマット表面。サラッとした質感となっており、グリップ性能は可もなく不可もなく。手汗の量にかかわらず肌に張り付くような感覚は少ないので、グリップ性能が足りないと感じる場合はグリップテープなどで対策することをお勧めします。

触った部分に跡が残りづらく、汗や皮脂による汚れは比較的目立ちづらいです。

本体重量

公称値は55g、実測値は56.2gでした。剛性はしっかりと保たれていながら、ここまで重量が削ぎ落されているのは好印象です。グリップした際にシェルが軋むことはありません。

Xlite有線モデルと比較すると、サイドの指先が当たる部分がソリッドになったことに加え、ボトムシェルの肉抜き部も面積が狭くなっています。

* 無線接続のゲーミングマウスは充電式のバッテリー(もしくは乾電池)を内蔵するぶん、有線接続のマウスよりも重たくなる傾向にあります。Xlite V2 Mini Wirelessは最大70時間の連続動作が可能なバッテリーを内蔵しています。

重量バランス

Xlite V2 Mini Wirelessの重量バランスは良好です。大半のゲーミングマウスと同じように重心が中心にあるため、マウス操作の際に違和感が生じません。

1世代目のXlite Wirelessでは重心が偏っていたため、Xlite V2 WirelessおよびXlite V2 Mini Wirelessではバッテリー配置を調整することで修正されています。

形状と大きさ

Xlite V2 Mini Wirelessは、Zowie ECクローン形状であるXliteの小型モデル。手の形に合わせて造形されており、グリップしたときに手全体に張り付くような感覚が得られるのが特徴です。

寸法は64.0 x 117.0 x 40.0mmで、中~小サイズに分類されます。

Xlite V2 WirelessはZowie EC2とほぼ同等のサイズ感であったのに対し、このXlite V2 Mini WirelessはZowie EC3よりもやや小さく、想像以上に小さめに設計されているように思います。

横から見ると、本体後部はかなり背が低く、先端にはやや高さがあります。全長が117.0mmと短めに設計されているので、手のひらへのホールド感が足りず、平均的な手の大きさではやや深めにグリップすることを強いられます。

両サイドに注目すると、左サイドは親指を添えたときに自然とフィットするように造形されています。右サイドは手前側が膨らみ、先端にいくにつれて絞られているので、薬指と小指の付け根から指先までを密着させやすいです。

左右でメインボタンの高さが異なり、右側の方が若干低く設計されています。これは(かぶせ持ち向けの)手のひらへのフィット感を重視する大半のエルゴノミクス形状のゲーミングマウスに見られます。

形状を8方向からチェック

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Pulsar Xlite V2 Wireless との比較

Razer DeathAdder Mini との比較

DeathAdder V2 Miniの方がかなり小さめに設計されています。

持ち方の相性

代表的な3種類の持ち方 かぶせ持ち・つかみ持ち・つまみ持ち との相性をチェック。

筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があります。

かぶせ持ち

かぶせ持ちとの相性は非常に良いですが、手が平均よりも小さい人向けです。平均的な手のサイズではやや窮屈に感じ、メインボタンの先端から少し指先が飛び出すほど深めにグリップする必要がありますが、小さめのマウスを好む場合はそれほど問題にはなりません。

両サイドはそれぞれの指を沿わせたときの形に合わせて造形されており、付け根から指先までをサポートします。左から右に向かって背が低くなっていくメインボタンも、自然なフォームで握り込んだときの手の形に合わせて設計されており、手全体に張り付くようなフィット感が得られます。

それぞれのボタン配置は適切で、メインボタンは不要な力を加えることなく押し込むことができ、サイドボタンやホイールにも容易にアクセスできます。

つかみ持ち

つかみ持ちとも相性が良いですが、手が平均よりも小さい方でなければ窮屈に感じます。筆者のような平均的な手の大きさでは、かぶせ持ちよりもサイズ感の問題が顕著に現れます。

全長が117.0mmと短めに設計されているうえに本体後部の背が低いので、手のひらのホールド感が非常に少なめ。手が大きければ大きいほどグリップする角度や深さが限られ、深めにグリップして手のひらと本体後部をしっかりと密着させると安定します。

Zowie ECクローンはやや持ち上げづらさを感じる場面もありますが、わずか55gと軽量なので容易に持ち上がります。手首支点でマウスを操作していて、持ち上げ動作の頻度が多くても快適です。

それぞれのボタン配置は適切で、メインボタンは不要な力を加えることなく押し込むことができ、サイドボタンやホイールにもアクセスし易いです。

つまみ持ち

つまみ持ちとは相性が悪いです。左サイドが中央より奥側で窪んでいるため、親指が奥側に追いやられてしまい、深めにグリップすることを強いられます。

深めにグリップした場合、手のひらとマウスとの間に十分なスペースが生まれません。これにより、指の関節を使った細かなマウス操作の際に本体後部が手のひらと触れてしまい、可動域が狭くなってしまいます。

ボタン配置はサイドボタン・ホイールともに適切なので、グリップテープなどで指先をしっかりと固定できるよう対策すれば使えなくもないですが、他に良い選択肢が多く存在します。

スイッチ

メインボタン

メインボタンにはKailh GM8.0スイッチが搭載され、クリック感は適切に調整されている印象です。

押し心地は固くもなく柔らかくもなく。プリトラベル・ポストトラベルが徹底的に排除され、ストロークが非常に短く、跳ね返り感も強いです。これにより、不要な力を加えることなく軽い力でボタンを押し込むことができ、マウス操作やエイムに干渉しづらいです。

Xlite V2 Wirelessと同じく、一見やや歯切れが悪く詰まったような感触のようにも思えますが、実際のゲームプレイではうまく機能し、FPSのスプレー・タップ撃ちともに正確に行えます。

ボタンを押し込む箇所によるクリック感の変化は比較的少なめ。ホイールより手前側にいくにつれて押下圧と跳ね返り感が増していきます。これは大半のゲーミングマウスに見られるものです。

左右非対称形状のマウスは左右でクリック感に違いが出ることが多いですが、このXlite V2 Mini Wirelessは同じクリック感になるよう内部で調整されています。

サイドボタン

サイドボタンは本体からしっかりと飛び出しており、親指に沿うよう僅かに角度がつけられています。指をスライドして押し込む際にも引っ掛かることなく、マウス操作に干渉しづらいです。

ボタン配置は適切です。マウス本体中央よりもやや奥側、かぶせ持ちとつかみ持ちの両方でアクセスしやすい位置に取り付けられています。

押し心地は固くもなく柔らかくもなく、押し込んだ際の感触が指先に伝わりやすい明瞭なクリック感です。タクトスイッチ特有のコトコトといった低めのクリック音が鳴ります。FPSなどでキャラクター操作などに関わる重要なキーを割り当てても、マウス操作やエイムに干渉しづらいです。

ホイール

ホイールはメインボタンからしっかりと飛び出しており、リングには水平方向に切り込みが入っているため、指に引っ掛かりやすく転がしやすいです。

粒が大きめでノッチ感は弱め。スクロールすると常に弱めの抵抗感があります。これらのバランスがよく、連続したスクロール時にも行き過ぎることなく安定した操作感をもたらします。ただし分離感は物足りず、1ノッチ単位の細かな操作が頻繁に求められるような環境には不向きであると感じます。

ホイールクリックの押し心地は軽く、指に不要な力を込める必要はありません。押下時にはハッキリとした感触があり、やや高めのクリック音が鳴ります。

センサー

Xlite V2 Mini Wirelessは、現行の高性能ワイヤレスマウスによく用いられるセンサー「PixArt PAW 3370」を搭載しています。主なスペックは最大20,000DPI、最大加速度50G、最大速度400IPS。

DPIは50 ~ 20,000で、Pulsarより提供されている専用ソフトウェアで調整可能です。 *本体にはDPIスイッチが搭載されておらず、ソフトウェアをダウンロードして調整する必要があります。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサー性能を検証。DPIは400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTester: xCounts

MouseTester: xSum

xCounts, xSumともに正確で、実際のセンサー挙動にも問題は見られませんでした。過去の検証結果も含め、PixArt PAW3370を搭載するワイヤレスマウスは軒並み安定している印象です。

『Apex Legends』や『VALORANT』でのプレイテストも実施しており、同様の結果が得られました。

* Xlite V2 Mini Wirelessのパッケージに付属する延長アダプタを使用し、マウスパッドの端までUSBドングルを近付けた状態で検証しています。

センサー配置

Xlite V2 Mini Wirelessのセンサー配置はややフロント寄りですが、類似形状のゲーミングマウスと比べてごく僅かな差です。大半のゲーミングマウスでは中央辺りに配置されることが最も多いです。

* センサー配置によって、手首を軸にして弧を描くようにマウスを動かしたときのカーソルの可動域が異なります。センサーがフロント側に寄っているほど、手首の動きを細かく捉えるので、水平方向へのカーソルの可動域が広くなります。

リフトオフディスタンス (LoD)

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス を検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

リフトオフディスタンスが長すぎると、マウスを大きく振ったあと、元の位置に戻すために持ち上げたときにカーソルが余分に動いてしまい、ゲームプレイ中の精密な操作を妨げてしまいます。個人的には1.5mm以下なら〇、1mm前後であれば◎。

Xlite V2 Mini Wirelessは、ソフトウェアからリフトオフディスタンスを1mm/2mmの2段階に切り替えることができます。「PureTrak Talent」上で計測した結果、リフトオフディスタンスは1mm設定時0.9mm、2mm設定時1.9mmでした。ほぼ公称値通りの結果です。

マウスソール

マウスソールは上下に2枚。材質はPTFEで、厚さは公称値0.6mm。エッジは適切に処理されており、滑走面が粗かったり中間層が柔らかいマウスパッドと組み合わせても引っ掛かりは生じず、スムーズに滑走します。

Xlite V2 Wirelessと同じ形状・大きさのソールが採用されており、使いまわすことが可能です。

滑走を重視したソールという印象で、軽い滑り出し・速い滑走速度をもたらします。また、他の類似ソールには見られない「キュッ」といった高めの滑走音が鳴ります。耐摩耗性にはそこまで期待できません。

あらかじめセンサーリングが取り付けられています。これがあることで、センサーとマウスパッドの読み取り面との距離を一定に保ち、マウスに圧を掛けたときなどのカーソル移動量の変化を抑えられます。特に中間層の柔らかいマウスパッドと組み合わせる場合、剥がさずに使用することを推奨します。

Pulsarからは、厚さや形状が異なる4種類のPTFEソール「Original」「Original Thin」「Control」「Power」に加え、話題となったガラス製ソール「Superglide」も発売されています。メーカー曰く、このラインナップから好みに合わせて選択してほしいそう。 *デフォルトはOriginal Thinを搭載

このようにユーザー側で選択できるオプションが充実しているのは印象が良いです。

ソフトウェア

Xlite V2 Mini Wirelessは専用ソフトウェアに対応しています。以下のURLにアクセスし、ページ下部にあるリンク「ソフトウェアのダウンロード」より入手可能です。

Xlite V2 Wireless Software: https://pulsargg.jp/products/xlite-v2-mini

ソフトウェアはシンプルなUIで構成されており、不慣れでも目当ての項目にたどり着きやすいかと思います。また、動作不良は見られず、筆者の環境ではすべての設定がうまく機能しています。

設定項目は、ボタンへのキー・マクロ割り当て、DPI設定 (50 ~ 20,000DPI)、ポーリングレート (125, 250, 500, 1000Hz)、リフトオフディスタンス (1mm / 2mm)、デバウンスタイム (0~30ms)、リップル制御/直線補正のオンオフなど。

DPIやポーリングレートといった基本的な設定だけでなく、リフトオフディスタンスやデバウンスタイムといった細かな部分まで調整可能です。自分に合ったセッティングを見つけることで、ゲームで最大限のパフォーマンスを発揮することができます。

結論とターゲット

「Pulsar Xlite V2 Mini Wireless」について詳しく見てきました。Xlite V2 WirelessはZowie EC2とほぼ同等のサイズ感でしたが、こちらはZowie EC3よりも小さく、手が平均よりも小さい方向けの選択肢として提供されています。思ったよりも小さめに設計されており、平均的な手の大きさでは窮屈に感じます。

わずか55gと軽量で、最大70時間持続する十分な容量のバッテリーを搭載しながら、とても剛性の高い造りとなっています。2.4GHzワイヤレス接続時の通信は安定しており、充電もUSB Type-Cケーブルによるシンプルなもので、安心して使用できるワイヤレスマウスです。

左右非対称マウスながら左右クリックのフィーリングが同等になるよう調整され、クリック感も優れています。メインボタンのやや詰まった感触と、ホイールにそこまで分離感が無いことは好みが分かれそうなポイントではあるものの、インゲームではどちらもうまく機能しており、問題には感じません。

こちらもXlite V2 Wirelessと同様に、どの部分においても優れている印象です。また、競合製品と比べて価格も安いです。既存のかぶせ持ち向けエルゴノミクスマウスが大きいと感じ、より小さめに設計されたものを探している場合はこれが最も良い選択肢になりそうです。

総合評価5.0 out of 5.0 stars

* それぞれの項目を///の4段階で評価
安定した2.4GHzワイヤレス接続
USBドングル延長アダプタ付属
最大70時間持続するバッテリー
優れたビルドクオリティ
 わずか55gの軽量設計
優れた重量バランス
 十分なグリップ性能
 Zowie ECライクなエルゴノミクス形状
 左右のクリック感の違いが無い
 操作に干渉しないサイドボタン
押し込みやすいホイールクリック
安定したセンサー
 LoD/デバウンスタイムを調整可能
品質の高いマウスソール
競合製品と比べて価格が安い
 ホイールの分離感が物足りない
 想像以上に小さい (<Zowie EC3)
Pulsar Xlite V2 Mini Wireless
価格: 9,780円 (本稿執筆時点)

以上、Pulsarのゲーミングマウス「Pulsar Xlite V2 Mini Wireless」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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