「Pulsar Superglide」レビュー。PTFEとはかけ離れた操作感を体感できるガラス製マウスソール

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「Pulsar Superglide」レビュー。PTFEとはかけ離れた操作感を体感できるガラス製マウスソール

本稿では、Pulsarのマウスソール「Pulsar Superglide」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: Pulsar Japan

Pulsar Superglide
価格:2,490円(執筆時点)  Amazon  楽天市場

ファーストインプレッション

低価格でトレンドに沿ったゲーミングデバイスを展開する新興メーカーPulsarより、ガラス製のマウスソールが登場しました。超低摩擦でスムーズな操作性、高耐久性を謳っており、話題を集めています。

現在主流となっているPTFE製ソールとはかけ離れた性質を持っており、とにかく人を選ぶものであることは間違いありません。ただ様々な条件が噛み合えば、大幅なパフォーマンス向上に繋がる可能性があるのではないかと思っており、検証・レビューを終えた今も同じ感想を抱いています。

製品仕様とスペック

材質 アルミノシリケート強化ガラス エッジ 処理済み
ラインナップ 記事内に記載 同梱物

パッケージと内容物

しっかりとしたパッケージ。内容物はソール1セット、ステッカー、取り扱い説明書。

バリエーション

バリエーションは今後拡大予定。既に発表されているのは以下の通り。 *クリックで開閉します

現行ラインナップ (全4種)
  • Pulsar Xlite Wireless
  • Logicool G PRO X SUPERLIGHT
  • Logicool G703 / G603 / G403
  • Razer Viper Ultimate
3月上旬に入荷予定 (全12種)
  • Logicool G PRO Wireless
  • Logicool G303 Shroud
  • Razer Orochi V2
  • DeathAdder V2 Pro / V2 X HyperSpeed
  • Finalmouse Starlight-12 M / S / Ultralight
  • Endgame Gear XM1 RGB / XM1r
  • SteelSeries Prime Mini Wired / Prime Mini Wireless
  • ROCCAT Kone Pro Air
  • Glorious Model O / Model O-
  • ZOWIE EC series
  • ZOWIE FK / ZA series (ZA13を除く)
  • Vaxee ZYGEN NP-01 / OUTSET AX
3月末に入荷予定 (全11種)
  • Logicool G502
  • Logicool G604
  • Logicool G304 / G305
  • Logicool G900 / G903
  • Razer Viper Mini
  • Razer Viper 8K / Viper
  • Razer Basilisk Ultimate
  • Razer Naga Pro
  • SteelSeries Prime Wired / Prime Wireless
  • Glorious Model D
  • Xtrfy M4 Wireless

主要メーカーのゲーミングマウスはほぼ押さえられているものの、対応していないものもちらほら。

パフォーマンス

基本仕様

アルミノシリケート強化ガラスを採用したマウスソール。

主流のPTFE製などの既存ソールとはかけ離れた性質を持ち、とにかく低摩擦でスムーズな操作性を実現します。その特徴や操作感に関しては後述します。

厚さはG PRO X SUPERLIGHT、Viper Ultimate用ともに実測値0.82mm (※台紙を除く) です。

Superglideのパッケージにはセンサー周りのO型ソールは付属していませんが、厚めに造られていて干渉することはないので、もともと貼り付けられているものを剥がす必要はないでしょう。

ガラス素材の性質上、ソール自体がそれなりに重たいです。ソール面積の広いG PRO X SUPERLIGHTでは5.9g、比較的狭めのViper Ultimateでも2.4gとなっています。これだけマウスの本体重量に加算されるということは把握しておくべきでしょう。

取り付け

使用中のマウス底面に貼り付けられたマウスソールを取り外します。

*粘着シートが残っていないか確認し、必ず剥がし切ってください。これが残った状態で新しいマウスソールを貼り付けると、想定されていない厚みとなり、マウスセンサーが接地面を読み取れなくなる可能性があります。

粘着剤などが残らないようアルコール洗浄布などで拭き取ります。

マウス底面のガイドに沿って新しいマウスソールを貼り付けます。

ガイド線から逸れないよう慎重に取り付ける必要があります。特に「G PRO X SUPERLIGHT」の下部ソールのような湾曲した形状は注意が必要かと思います。

ガイド線よりも若干小さな造りとなっていますが、特に問題はありません。

粘着テープはソールの内径に収まっており、マウスパッド上の繊維や埃が吸い付くことはありません。

エッジ

エッジは丸みを帯びており、深い部分まで処理されています。

中間層の柔らかいマウスパッドと組み合わせた際、ソールが沈み込んでも引っ掛かりが発生しません。

操作感

まず前提として、現在主流となっているPTFE製のマウスソールとは全く異なる性質を持ちます。そのため、使用中のマウスパッドの操作感(滑走速度・初動のスムーズさ・静止力など)がまるで違うものに感じられる可能性が高いです。

また、PTFE製ソールよりもマウスパッドとの接地面積による操作感の変化が大きく生じます。そのため、上下に大サイズが2枚の「Logicool G PRO X SUPERLIGHT」、四隅に小サイズが4枚の「Razer Viper Ultimate」の2機で検証し、その違いについても触れていきます。

分類はハイスピードタイプ。操作感の目安として、PTFE製ソールはマウスパッドを擦っている感覚、一方でこのガラス製ソール(Superglide)はマウスパッド上で滑らせている感覚、というように表現できます。

初動のスムーズさ

初動は極めてスムーズです。これはほとんどのマウスパッド上で再現されます。初動が重いとされているマウスパッドと組み合わせた際も、引きずり感は薄れるかほぼ感じない程度になります。

PTFEソールで操作したときと比べ、マウスパッドの種類による初動のスムーズさの違いは曖昧になる印象です。

静止力

静止力は低く、PTFE製ソールとはかけ離れた性質を持ちます。

PTFE製ソールはピンポイントで止めることが比較的容易です。マウスを静止したいタイミングで若干の圧を掛けるなどして摩擦を強めるなど、マウスを静止しやすくするテクニックもあり、無意識的に実践しているプレイヤーも多いのではないかと思います。

一方でSuperglideは、ある程度脱力した状態のほうがマウスを静止しやすいです。圧を掛けると動きは若干鈍くなるものの、ピンポイントで静止しないまま数ミリのブレが生じます。

つまり、摩擦に頼らずにマウスを止める能力が求められます。既存ソールの操作性に慣れている場合、初めはピンポイントで止めることが困難に感じるでしょう。また、マウス操作中に強めの圧を掛ける癖がついている場合、非常に扱いづらい・または合わないと感じる可能性が高いです。

マウス側の重量が重たいと慣性が働きやすいので、なるべく軽いものと組み合わせることで静止しやすくなります。

滑走速度

滑走速度は極めて速いです。マウスパッド表面の抵抗感をほぼ掻き消し、スムーズに滑走します。

ただし、マウスに圧が掛かると滑走速度が大きく変化します。これはクリックするときに掛かるような僅かな圧でも「鈍くなった」と体感できるほどです。例えば『Apex Legends』では視点移動と撃っている最中で、『VALORANT』では視点移動とタップ撃ち、スプレーで滑走速度の変化を感じます。

また、マウスの重量や持ち方による滑走速度の変化にも注意を払う必要があります。かぶせ持ちでは比較的マウスに圧が掛かりやすく、つかみ持ちやつまみ持ちよりも滑走速度が遅く感じられる可能性が高いです。

上部ソールの接地面積が広い「Logicool G PRO X SUPERLIGHT」では、クリックをホールドするなど上部に圧が掛かったときの滑走速度の減衰が特に大きいです。

*G PRO X SUPERLIGHT用のSuperglideには裏蓋のソールも付属していますが、個人的には貼らないほうが滑走速度が安定すると感じたので貼り付けていません。

トラッキング/フリック

トラッキングの切り替えしがスムーズになり、よりエイム対象の動きに近いマウス操作が容易になります。また、小さな対象をトラッキングする際、エイムのギザギザ感が緩和されます。

ピンポイントでマウスを静止するのが難しく、フリックの精度を上げるには相当量の練習が必要になります。しかし、初動のスムーズさを活かして対象まで素早くマウスを動かすことが可能なので、練習次第でパフォーマンスの向上が狙えます。

理論上は非常に優れたマウスソールと言えるのですが、やはり長年使われてきたPTFE製ソールなどとは性質が大きく異なり、扱うのが難しいことがネックであると言えるでしょう。

主要マウスパッドとの相性リスト

「使用中のマウスパッドの操作感(滑走速度・初動のスムーズさ・静止力など)がまるで違うものに感じられる」と前述したように、ほとんどの布製マウスパッドとの組み合わせでは、滑走面の性質を問わず極めてスムーズな滑り出し、速い滑走速度となり、コントロール性能は大幅に失われます。

どのマウスパッドでもPTFE製ソールと組み合わせたときの操作性とはかけ離れたものになるため、滑走速度や初動のスムーズさ、静止力などの既存のマウスパッドに関するデータはあまり参考にならないものと考えたほうがいいでしょう。

* あくまで筆者の肌感覚なのでご了承ください。

名称相性備考
Artisan 紫電改 Xsoft×ガラス粒子が配合されているためダメージが懸念される / 静止力がほぼ皆無でコントロールが極めて難しい
Artisan 疾風乙 Xsoft滑走面の水平方向の粗さとクッション性の高さから、水平方向の引きずり感が増す
Artisan 疾風甲 Soft
Artisan 飛燕 Mid静止力が極めて低くコントロールが難しい
Artisan 飛燕 Soft
Artisan 雷電 Xsoft静止力がほぼ皆無でコントロールが極めて難しい
Artisan 零 Mid
Artisan 零 Soft
BenQ ZOWIE G-SRあまり印象が変わらない
BenQ ZOWIE G-SR-SE
BenQ ZOWIE GTF-X
Cooler Master MP510
Corsair MM200 Pro
Corsair MM300 / MM350
Esports Tiger Neon
Fnatic DASH
Glorious Mousepadあまり印象が変わらない
HyperX Fury S Pro
Inked Gaming Mousepad滑走速度と静止力のバランスが崩れる (静止力が大幅に低下する)
Logicool G440×マウスパッドとソール双方へのダメージが懸念される
Logicool G640
Mionix Alioth
Odin Gaming Infinity
Odin Gaming ZeroGravity
PureTrak Talent
Razer Gigantus V2
SkyPAD Glass 2.0×マウスパッドとソール双方へのダメージが懸念される
SkyPAD Glass 2.0 XL×マウスパッドとソール双方へのダメージが懸念される
SkyPAD Glass 3.0 XL×マウスパッドとソール双方へのダメージが懸念される
SteelSeries QcK Heavy
SteelSeries QcK+
The Mousepad Company Strata Bold
vaxee PA Mousepad
X-raypad Aqua Control+
X-raypad Equate Plus滑走速度と静止力のバランスが崩れる (静止力が大幅に低下する)
X-raypad Thor
X-raypad Thunder X×マウスパッドとソール双方へのダメージが懸念される
XANOVA Deimos
XANOVA Phobos M×マウスパッドとソール双方へのダメージが懸念される
Xtrfy GP2
Xtrfy GP3×マウスパッドとソール双方へのダメージが懸念される
Xtrfy GP4

布製マウスパッドでは操作が不可能と感じるほど相性の悪い組み合わせはありませんが、一部のスピード系マウスパッドでは滑走速度と静止力のバランスが崩れ、コントロール性能を完全に失ってしまう印象。

また、双方の表面にダメージが入ってしまうため、ハードタイプのマウスパッドと組み合わせるのは避けたほうがいいでしょう。「ガラス素材などのハードタイプのマウスパッドとのご併用はお控えください」と公式からも明言されています。

耐久性・湿気への耐性

PTFEをはじめとする既存ソールのように擦り減ることがないため、ほぼ永続的にパフォーマンスが変わりません。マウス自体を買い替えない限りは使用し続けられます。

しかし、PTFE製ソール使用時と比べて布製マウスパッドの滑走面の劣化スピードが速いです。さらに、マウスパッド側の状態によって滑りが大きく変化します。摩耗によって滑走面が劣化した布製マウスパッドと組み合わせると、強めの引きずり感や引っ掛かりが生じます。

また、マウスパッドが湿気を多く含んだ状態でも同様の引っ掛かりが生じます。PTFE製ソールでも湿度による多少の滑りの変化は見られますが、Superglideではより顕著に表れます。

*もしSuperglideへの換装後に「マウスの引っ掛かりが酷くて操作できない」といった場合、布製マウスパッドの劣化もしくは湿気が原因であると考えていいでしょう。本来はかなりスムーズに滑ります。

このマウスソール自体は半永久的に使えますが、布製マウスパッド側の回転が速くなってしまうため、ランニングコストを抑えるためにSuperglideに手を出すのは避けるべきだと考えましょう。

結論とターゲット

「Pulsar Superglide」について詳しく見てきました。ほとんどのマウスパッド上で極めてスムーズな滑り出し・滑走速度をもたらし、トラッキングエイムの滑らかさが向上します。フリックエイムは精度を上げるために練習を要しますが、驚くほどの滑り出しのスムーズさを活かして対象まで素早くカーソルを移動させることができるため、”理論上は”優れたソールであると言えます。

しかし、既存ソールとはあまりに性質がかけ離れているため、本来PTFE製ソールと組み合わせた際にマウスパッドが発揮するコントロール性能はほとんど失われてしまい、ピーキーな操作感となることは懸念点と言えます。脱力状態をキープするなど、常に意識しながらマウスを動かす必要があります。

また、半永久的に使える強化ガラス製ですが、布製マウスパッドの劣化を加速させるため、その買い替えを強いられることも考えるとランニングコストを抑えることには繋がりません。さらに、マウスパッドの滑走面の劣化や湿気の影響を非常に受けやすいため、使用環境にも注意しなければなりません。

このような欠点もあるため、決して万人向けのマウスソールとは言えません。ただ、このクイックな操作性に適応できるほどの正確かつ素早いエイムを鍛える自信がある場合、大幅なパフォーマンス向上に繋がる可能性を秘めていると言えるでしょう。総合評価は低くなるものの条件が噛み合えば一考の価値あり。

総合評価3.5 out of 5.0 stars

初動が極めてスムーズ
滑走速度が速い
擦り減らない
優れたエッジの処理
豊富なバリエーション
コントロール性能が大きく失われる
マウスパッド側の劣化が速い
滑走面の状態(劣化や湿気)による滑りの変化が著しい

Pulsar Superglide
価格: 2,490円~ (本稿執筆時点)

以上、Pulsarのマウスソール「Pulsar Superglide」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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Mo0

マウスについてなんでがつい最近出たhyperx pulesefire wirelessを買ったのですが、以前使っていたgproの優先と同じ設定(同じdpiと同じゲーム感度)なのですが振り向きの距離が全然違いました。これってメーカーによって振り向きが違うのでしょうか?私の友達にも試してもらったのですが、logiの友達は同じだったのですが、razerの友達はまたhyperxやlogiとも振り向きが違いました。
今回メーカーを変えたのは初めてだったので、気になりました。ミオニさんがレビューしたマウスも同じなのでしょうか?
実験環境 apexlegendsの射撃訓練場
自分 gpro有線 hyperx pulesefire wireless
友達1 g703h
友達2 razer deathadder v3