「BenQ ZOWIE GTF-X」レビュー。総合的に優れたスピードタイプのゲーミングマウスパッド
本稿では、BenQ(ベンキュー)のゲーミングマウスパッド「BenQ ZOWIE GTF-X」のレビューをお届けします。
ファーストインプレッション
凹凸のある粗い滑走面のアムンゼン生地を採用したゲーミングマウスパッド。布製マウスパッドの中ではかなり滑りが速い部類で、中間層のスポンジは硬く、常に安定した滑走をもたらし、縦横の滑りの差も少ないのであらゆるゲームタイトルに適応します。ただし肌が擦れると痛いです。
他社製の布製マウスパッドと比べて品質が高く、高級感のある造りとなっています。滑走面のポリエステル素材も耐久性に優れており、よく用いられるナイロン製のマウスパッドと比べて長持ちします。また、湿気の影響も受けづらいです。
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製品仕様とスペック
材質 | 布製 / ポリエステル | 表面 | – |
---|---|---|---|
サイズ |
PTF-X:345 x 305 x 3.5mm
GTF-X:470 x 390 x 3.5mm
|
エッジ | ステッチ加工 |
ベース | 滑り止めラバー | カラー | ブラック |
パッケージと内容物
完全にフラットな状態でパッケージに入っています。内容物はマウスパッドのみ。
バリエーション
カラー
ブラックのみ。
サイズ
サイズは大小2種類を展開しています。製品名が変わるので注意。
- PTF-X:345 x 305 x 3.5mm
- GTF-X:470 x 390 x 3.5mm
パフォーマンス
巻き癖
フラットな状態で梱包されているので、巻き癖は一切ありません。
本製品は元々巻かれた状態で入っていましたが、2019年末頃にフラットパッケージに変更されました。GTF-Xは巻き癖が取れづらいのが難点でしたが、その懸念が無くなったことで全く印象が違うマウスパッドになっており、かなり操作性が向上しています。
滑走面
GTF-Xは梨地織りの一種であるアムンゼン生地が採用されています。表面には激しい凹凸があってザラつき感が強いので、薄い衣服やアームカバーが引っ掛かりやすく、手首や腕が擦れると痛いです。手首を接地したままスライドするような操作には不向きです。
ポリエステル素材が採用されており、マウスパッドによく用いられるナイロン素材と比べて湿気や摩耗に強いことを特徴としています。また滑走面に手首や腕がひっつくことがなく、汗をかいても快適に使用することができます。
この手のゲーミングマウスパッドはソフトとハードの中間の性質を持つことから、海外では「ハイブリッドパッド」と呼称されています。類似製品には「Artisan 飛燕」や「Odin Gaming Infinity」などが挙げられます。
操作感
GTF-Xはスピードタイプに属するゲーミングマウスパッドです。全体で見ても滑走速度が非常に速い部類で、これよりも滑る布製マウスパッドは「Artisan 紫電改 Mid, Xsoft」と「Artisan 雷電 Mid」のみ。
純粋に滑りが速くて初動も軽いです。それと引き換えに止めは効きづらいですが、操作感が近い布製マウスパッドはどれも同じです。
中間層のスポンジはやや硬めかつ、滑走面自体も硬めの素材なので、マウスに圧を掛けてもソールの沈み込みによる止め性能は得られませんが、常に安定した操作感が得られます。
縦横の滑りの差は比較的少ないです。指でなぞってもマウスを滑らせても明確に感じ取れはするものの、その差は許容できる範囲内です。『Apex Legends』のようなXY軸の両方にマウスを動かす必要のあるタイトルにも適応します。
他社製マウスパッドとの滑り比較
※筆者の肌感覚なので変動する可能性があります。
エッジ
エッジのステッチ加工は滑走面と同じ高さになっています。
縫い目の見えない細かな糸で丁寧に縫われており、ほつれや破れ等は見られません。縫い終わりの処理は、左上に配置されているロゴがプリントされた布の下に隠されています。
底面
底面の滑り止めラバーは完全にフラットとなった珍しいタイプ。グリップ感に優れており、木製天板(ラバーウッド)との組み合わせでは強力な滑り止め性能を発揮します。
マウスを激しく動かしてもデスク上でズレることはありません。
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス10種で検証したところ、すべて正常に動作しました。このほか『Apex Legends』でのプレイテストも行っています。
この手の滑走面はマウスセンサーとの相性を選ばず、トラッキング不良を引き起こす可能性は極めて少ないと言えます。
ソール相性
端がしっかりと丸められたマウスソールと組み合わせることを推奨します。
滑走面に凹凸があるので、角が尖ったソールとの組み合わせでは擦れ感や引っ掛かりが生じます。中間層のスポンジは硬いので、そこまで厚みのないソールと組み合わせても干渉しづらいです。
耐久性・湿気への耐性
GTF-Xはポリエステル素材が採用されています。これはナイロン素材と比べて耐摩耗性や耐湿性に優れたもので、一般的なマウスパッドと比べて長持ちしやすく湿気にも強いです。検証中、日による滑りの変化は感じませんでした。
エッジのステッチ加工は頑丈で、長期間使用していると手首が擦れる部分に毛玉ができる程度。ほつれや破れは発生しません。
結論とターゲット
「BenQ ZOWIE GTF-X」について詳しく見てきました。「Artisan 紫電改」や「Artisan 雷電」に次いで滑りが速いマウスパッドです。中間層のスポンジが硬いのでソールの沈み込みがほとんど発生せず、安定した操作感が得られます。縦横の滑りの差も許容範囲内で、あらゆるゲームタイトルに適応します。
フラットパッケージに変更され、巻き癖が一切無い状態で届きます。エッジのステッチ加工は滑走面とほぼ同じ高さになっており、マウス操作時に干渉しづらいです。底面の滑り止めラバーはあまり見かけないフラットなタイプで、十分なグリップ感があります。
ポリエステル素材が採用されており、一般的なナイロン製マウスパッドと比べて耐摩耗性と耐湿性に優れています。ただし表面はザラつき感が強く、肌が擦れると痛いので、マウスパッドに手首を接地させながらマウスを操作する方には不向きです(飛燕ほどではない)。懸念点はそれくらいで、総合的に見てかなり優秀。
品質の高いスピードタイプのゲーミングマウスパッドを検討していて、Artisan 飛燕や疾風シリーズの縦横の滑りの差が気になるという方にお勧め。 フラットパッケージに刷新されたことで巻き癖が無くなったのは非常に大きく、同社の「G-SR」や「G-SR-SE」も同じように変更してほしいところ。
総合評価5.0 out of 5.0 stars
とにかく速い滑り
初動が軽い
縦横の滑りの差は許容範囲
巻き癖は一切無し
優れたエッジのステッチ加工
マウスセンサーを選ばない
耐湿性と耐摩耗性に優れている
底面の滑り止め性能は十分
手首や腕が擦れると痛い
以上、BenQ(ベンキュー)のゲーミングマウスパッド「BenQ ZOWIE GTF-X」のレビューでした。
ミオニさんこんにちは
ZOWIE G-SRのように止まりやすくて、ZOWIE G-SRよりも値段が安めなマウスパッドってありますか?(今使ってるマウスパッドはRAZER Giguntus V2です。)
ZOWIE G-SRレベルで止まりやすいマウスパッドはさすがに難しいかもしれませんが。。。今使ってるマウスパッドよりも止まる物を探しています。