「Pwnage Ultra Custom Wireless Symm」レビュー。カスタマイズ要素を盛り込んだS2クローン形状のワイヤレスマウス

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「Pwnage Ultra Custom Wireless Symm」レビュー。カスタマイズ要素を盛り込んだS2クローン形状のワイヤレスマウス

本稿では、Pwnage(ポウネイジ)のゲーミングマウス「Pwnage Ultra Custom Wireless Symm」のレビューをお届けします。

Pwnage Ultra Custom Symm
価格:11,800円(執筆時点)  ふもっふのおみせ

ファーストインプレッション

ZOWIE ECクローンにカスタマイズ要素を加えた「Pwnage Ultra Custom Wireless Ergo」で知られるPwnageの第2作は、同じくZOWIEのS2クローン形状のワイヤレスマウス。形状はもちろんのこと、バッテリー周りは優秀ですが、何かと課題が多い印象を受けました。

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配信アーカイブ

製品仕様とスペック

カラー ブラック/ホワイト 表面処理
形状 左右対称 サイズ 60 x 120.0 x 38mm
本体重量 68〜86g ボタン数 6つ
センサー PixArt PAW3335 解像度 200 ~ 16,000DPI
最大加速度 40G 最大速度 400IPS
レポートレート 1000Hz LoD 実測値1.3mm
プロセッサ オンボードメモリ
接続方式 2.4GHz無線 / USB2.0有線 ケーブル USB-C/パラコード
スイッチ エンコーダー
ライティング RGB ソフトウェア 対応
メーカー保証 1年間

パッケージと内容物

内容物は Ultra Custom Wireless Symmマウス本体、交換用トップシェル、充電用パラコードケーブル(USB-C)、延長用アダプター、予備マウスソール(厚さ0.8mmと0.3mmが各1セット)、ボタンスペーサー(0.6mm~0.9mmの4種)。

USBレシーバーはマウス本体に格納されており、トップシェルを取り外すと現れます。

パフォーマンス

ビルドクオリティ

Ultra Custom Wireless Symmはトップシェルとメインボタンが工具無しで簡単に取り外せるギミックを搭載したゲーミングマウスで、”半”分解を前提とした設計なこともあって頑丈な造りとなっています。

ホイールの軋みやカタつきはなく、ビルドクオリティは良好です。

形状と大きさ

中型サイズの左右対称ゲーミングマウス。寸法は60.0 x 120.0 x 38.0mm。

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マウス本体の寸法や実際に握ったときのフィーリングも含め、ほぼ完全なZOWIE S2クローンです。細かく見ていくと細かな違いこそあるものの、実際に手に触れる部分は9.9割がた一致しています。

サイズ感に関しては、やや小型よりの中型マウスに分類できます。本体後部がやんわりと膨らんでいるほか、両サイドもほどよく窪んでいるため、つかみ持ちでフィット感が得られやすい形状です。全長は長すぎず短すぎずといったところ。

本体重量

公称値は68g〜となっていますが、これはサイドまでハニカムになったモデルを選択し、なおかつトップシェルを外した際の最低重量となります。

実測値はハニカムシェルを装着したときに73.6g、ソリッドシェルでは75.6gと約2gの差があります。クローン元であるZOWIE S2が80g台であることを考えると、ワイヤレスでこの本体重量は十分に軽いと言えます。

グリップ性能

表面はサラッとした手触り。表面にコーティングは施されておらず、滑りやすい部類になります。

持ち方の相性

代表的な3種類の持ち方 かぶせ持ち・つかみ持ち・つまみ持ち との相性をチェックします。

筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があります。

かぶせ持ち

かぶせ持ちとの相性が悪くない形状ではあるものの、筆者の手の大きさではやや窮屈で、小指がマウスパッドに接地してしまいます。手が小さめの人ならば違和感なくグリップ可能です。

つかみ持ち

つかみ持ちは非常に相性が良いです。中央あたりが程よく窪んでいて逆ハの字になった両サイドのおかげでしっかりとグリップでき、持ち上げ動作も容易です。

本体後部の膨らみの加減がちょうどよく、グリップする深さや角度などを強制されづらいです。左右対称マウスの中でも好みが分かれづらい形状と言えるのではないかと思います。

つまみ持ち

つまみ持ちも相性が良いです。両サイドの中央あたりが程よく窪んでおり、逆ハの字になっているため、指先でのグリップおよび持ち上げ動作が容易に行なえます。

全長は120mmと短いので、手のひらとマウス本体後部との間に十分なスペースが生まれ、指の関節を使って縦に動かすときも可動域が広く確保できます。

スイッチ

メインボタン

5,000万回耐久のオムロン製スイッチ。押し心地はかなり固めで、跳ね返りを十分に感じられず、指に力を込めて押し込む必要があります。ストローク自体は短く、すぐ反応点に到達するので、押し下げ圧と跳ね返りのバランスが悪いのかと思います。

タップ撃ちには適しますが連打には不向きで、優れたクリック感とは言えません。つかみ持ちで指を立てた状態では容易に押し込めますが、つまみ持ちでは数戦のプレイで指が疲れます。

0.6~0.9mmのボタンスペーサーが付属しており、メインボタンのシェルの裏側に貼り付けることでクリック感を調整できます。工具不要でシェルを引っ張るだけで簡単に分解できるので、このカスタマイズはすぐに行なえます。

基本的に厚みのあるスペーサーに交換するほど、ストロークは短くなり、クリック感は軽くなります。0.7mmのスペーサーに交換することで、上に記したようなクリックの固さは若干マシになりますが、それでもかなり固いままです。

一つ注意点として、0.9mmのスペーサーを貼り付けるとクリック自体が不可能になります。これはPwnageの前作「Ultra Custom Wireless Ergo」でも同じ仕様だったらしく、おそらくはフィードバック不足?か、ユーザー自身で削って調整して使用するために同梱しているのか、どちらかであると推測できます

サイドボタン

サイドボタンはやや大きめで、ZOWIE S2本家とは違って手前と奥で分離しています。やや奥側に配置されているため、つかみ持ちでも手前側のボタンに親指が届きやすいです。

押し心地は固すぎず軽すぎず、程よいストロークの長さで誤爆しづらいです。

ホイール

一定間隔で浅い切り込みが入ったゴムリング。十分なグリップ感が得られます。

スクロール時には常に弱めの抵抗が感じられ、ノッチ感は粒が大きめでぼんやりとしています。操作感はそこまで悪くなく、1ノッチ正確に回すのも高速でスクロールするのも分離感がそれなりに感じられます。

ホイールの軋みやカタつきは見られません。

センサー

Ultra Custom Wireless Symmのセンサーは「PixArt PAW3335」。エントリーからミドルレンジまでのワイヤレスマウスに使用される省電力センサーです。主なスペックは 最大16,000DPI、最大加速度40G、最大速度400IPS。初期DPIは 400, 800, 1200, 2400, 3200, 6400の6段階で、ホイール下部のスイッチで切り替えられます。

センサーの位置はZOWIE S2と同じで、マウス本体のほぼ中央に搭載されています。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサー性能を検証。DPIは400 / 800 / 1600 / 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTester: xCounts

1000Hzでは乱れる

500Hzでは乱れない

MouseTester: xSum

xSumの波形に問題は見られない。ゲームプレイ中のセンサー挙動に異変は無い。

リフトオフディスタンス (LoD)

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

リフトオフディスタンスが長すぎると、マウスを大きく振ったあと、元の位置に戻すために持ち上げたときにカーソルが余分に動いてしまい、ゲームプレイ中の精密な操作を妨げてしまいます。個人的には1.5mm以下なら〇、1mm前後であれば◎。

「PureTrak Talent」上で計測した結果、Ultra Custom Wireless Symmのリフトオフディスタンスは 1.3mm でした。十分に短いです。

マウスソール

純白のPTFEソールが上下に2枚。剥がすとハニカム状の穴が現れます。

それなりに滑りやすいのですが、エッジが綺麗に処理されているように見えて、丸まっている部分に厚さがほとんどなく、クッションが沈み込むようなマウスパッドや、アムンゼン生地など表面の凹凸が激しいマウスパッドと組み合わせると引っ掛かりが発生します。

0.3mmと0.8mmの異なる厚さの予備マウスソールが付属しています。

接続とバッテリー

Ultra Custom Wireless Symmは、2.4GHzワイヤレスとUSB有線のデュアル接続に対応しています。付属のUSBドングルはマウス本体に格納できるので、紛失してしまう心配は少ないです。また、延長用アダプターが付属しており、マウスとドングルの距離を近づけられます。

検証中、接続が途切れたり不安定になるような不具合は見られませんでした。

バッテリー持続時間は、通常使用で最大66時間、ゲーム使用で最大40時間。また、USB-C急速充電に対応しており、約1時間でフル充電が可能です。バッテリー周りに関してはとても印象が良いです。

ケーブル

USB Type-Cのパラコードケーブルが付属しています。充電用(有線接続での使用)とUSBドングルの延長用ケーブルの役割を兼ねています。

パラコードケーブルとしては固い芯があって取り回しづらいですが、充電時など一時的に有線接続で使用するには十分に快適です。ケーブル単体での販売もされています。

カスタマイズ

写真のように、前面のシェルは工具無しで引き抜くだけで取り外せます。ソリッドシェル・ハニカムシェル2枚のトップシェルが付属しており、好きな方を選択して使用できます。

別途販売されているカラフルなシェルを組み合わせれば、自分好みの好きな色にカスタマイズできます。

ソフトウェア

Ultra Custom Wireless Symmは専用ソフトウェアに対応しており、詳細設定が行えます。以下のURLよりダウンロード可能です。

Ultra Custom Wireless Symm Software:https://pwnage.com/pages/drivers

設定項目は キー割り当て、ポーリングレート切り替え、DPI調整、マクロ記録/保存、デバウンスタイム調整、ライティングに関する設定など。バッテリー残量も10%刻みで確認できます。

結論とターゲット

「Pwnage Ultra Custom Wireless Symm」について詳しく見てきました。ZOWIE S2クローンのワイヤレスマウスかつ、シェルやクリック感をカスタマイズできることに関しては非常に魅力的ですが、約12,000円のワイヤレスマウスとしては優れた選択肢とは言い難い内容です。

ビルドクオリティは良好ですが、クリック感に難を抱えています。搭載スイッチがオムロン50Mにしては押し心地が固く、跳ね返り感とのバランスが良くありません。付属のスペーサーを活用しても許容範囲内までは改善されません。

接続の安定性は問題なく、途切れや挙動が不安定になる等の症状は見られませんが、センサー挙動に関してはポーリングレート1,000Hz設定時のMouseTester: xCountsの波形が安定せず不安が残ります。

マウスソールはエッジの処理が甘く、マウスパッドの組み合わせ次第で相性問題が発生します。有線接続用と充電用を兼ねたケーブルは、あまり見かけない柄で可愛いですが、やや固くて取り回しづらいです。

接続やバッテリー周りに関しては優秀で、最大66時間のバッテリー持続時間を備え、USB-C急速充電にも対応しており、約1時間でフル充電が可能です。

総合評価3.5 out of 5.0 stars

S2のクローン形状
優れたビルドクオリティ
ワイヤレスながら軽量設計
十分な容量のバッテリー
USB-Cケーブルによって約1時間でフル充電が可能
安っぽいコーティング
固めのクリック感、0.9mmスペーサーは機能しない
ソールのエッジ処理が甘い
ケーブルが固い (※充電用・ドングル延長用を兼ねたものなので大した問題ではない)

Pwnage Ultra Custom Wieeless Symm
価格: 11,800円 (本稿執筆時点)

以上、Pwnage(ポウネイジ)のゲーミングマウス「Pwnage Ultra Custom Wireless Symm」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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1 件のコメント
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NIWA

レビューありがとうございました。

全体的にもっとこう…あるだろ!
って言いたくなりますね。

自分はpwnage公式で80$で購入しましたが、
輸送費に3000円ほどかかったので日本で購入するのと
大差なかったです。