「G-wolves Hati Ht-S」レビュー。ビルドクオリティ向上、つまみ持ちに最適な小型軽量ゲーミングマウス

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「G-wolves Hati Ht-S」レビュー。ビルドクオリティ向上、つまみ持ちに最適な小型軽量ゲーミングマウス

本稿では、G-wolvesのゲーミングマウス「G-wolves Hati Ht-S」のレビューをお届けします。

※発売日は未定、レビュー機はG-Wolvesから受け取った先行サンプル品となります

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製品仕様と外観

G-wolvesといえば、SkollやHatiといったハニカムシェルを採用した軽量ゲーミングマウスで知られる、もはやマイナーとは言えないほど国内でも周知されている海外メーカー。同社の新製品としてHati Ht-Mの小型版である「G-wolves Hati Ht-S」が登場しました。

初期のSkollやHatiは”個体によってはビルドクオリティに難がある”とコミュニティの間で言われていますが、その後フィードバックを受けて改善したという公式からのアナウンスがあり、今回のHt-Sもそういった問題を改善した最新ビルドの製品と捉えてよさそうです。

なお、今回レビューに使用する機材は”先行サンプル品”なので、製品版とは仕様が異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。では仕様から見ていきます。

Hati Ht-Sは 6つのボタンを搭載する左右対称ゲーミングマウス。製品版のカラーバリエーションは不明ですが、サンプル品 ”Ht-S Stardust 2020” は「Finalmouse Ultralight Phantom」と同じような模様をあしらっています。

表面の素材は、前面がラバーコーティング、両サイドがプラスチック。Hati-Sは全面ハニカムシェルとなっていますが、全ての部位に貼り付けられるグリップテープが付属しています。

形状を4方向からチェック。寸法は61 x 113 x 40mmで、Hati Ht-Mをそのまま小型化…というよりは”縦に凝縮した”と表現するのが正しいでしょうか。

ちなみに「HK Gaming Mira-S」とは形状が若干異なります。Hati-Sの方がやや本体幅が広く、サイドのシェイプも深めに設計されています。一方で全長はMira-Sの方が長いですが、サイズ感はほとんど変わりません。

本体重量は公称値48g(±3g)で、実測値が51.5gでした。Hati Ht-Mも60gとかなり軽量でしたが、サイズが小さくなったぶんさらに削ぎ落されています。

この類のハニカムマウスで懸念されるのがビルドクオリティの低さですが、初期のSkollやHatiと比べて明らかに向上しています。メインクリックのガワのかたつき、シェルの軋みは一切見られません。

センサーには最大16,000DPIに対応する PixArt PMW3389 を搭載しています。初期DPIは400, 800, 1600, 3200の4段階で、ホイール直下のDPIボタンより切り替えられます。また裏側のボタンからはポーリングレートを125/500/1000Hzの3段階で調整可能です。

標準でパラコードケーブルが付属しているほか、ケーブルは本体から取り外し可能 (マウス側はMicro-USB端子) となっており、交換用ケーブルが1セット付属しています。万が一にも断線した際、付け替えることで再度使用可能となります。

Ht-Sはサンプル配布段階のため、今のところ専用ソフトウェアは受け取れていませんが、公開予定とのこと。

スペック&ギャラリー

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パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

Hati-Sは61 x 113 x 40mmと非常に小さく、平均的な手の大きさの方にとっては”つまみ持ち専用機”となるかなと思います。似たようなサイズ感のマウスは、Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town / Cooler Master MM710 / HK Gaming Mira-S等。

サイズの割には真ん中から後部にかけて背が高く、ぷっくりとした形状。それゆえサイドの面積も広いため、指の配置に関しては自由度が高いと言えます。その他には目立った起伏はなく、左右メインボタンが若干だけ窪んでいる程度。

上記を踏まえたうえで、一般的とされる持ち方3種類との相性をチェックします。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズです。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

かぶせ持ち

筆者の手の大きさでは不可能です。かぶせ持ちのフォーム自体は再現できますが、人差し指・中指の第一関節から下が浮いた、あまり好ましくない状態となります。

手が小さい方ならば持てなくはないかなと。手の大きさが17cm以下であれば、手全体がマウスと密着する状態にはなりそうです。

つかみ持ち

つかみ持ちもフォーム自体は再現できますが、薬指・小指を過度に曲げた状態になるほか、センサーの位置があまりに下側に寄ってしまうためあまり好ましくないかなと。

後部には十分な本体幅と高さがあるため、手が小さい方ならば相性が良いのではないかと思います。

つまみ持ち

つまみ持ちはとても相性が良いです。サイズの割には背が高い設計でサイドの面積が広いので、親指・薬指・小指のポジションが自由に決められ、馴染みやすいフォームを探りながら握り込めるかなと思います。

背が高いとはいえ全長は短いので、手のひらとマウスとの間に十分なスペースが確保され、指の関節を使った際の可動域がとても広いです。

ボタン配置・クリック感

メインスイッチ

メインボタンには2,000万回耐久のオムロン製マイクロスイッチが搭載されています。ほとんど変わらない固さのまま付け根の際まで押し込めるセパレートタイプ。

直近のLogicool GやRazer製マウスの調整されたクリック感と比べると、少しだけ固めの押し心地です。とはいえストロークは非常に短く、押しづらさは一切感じません。

サイドボタン

サイドボタンはカチッと歯切れの良いクリック感で、ボタン自体はやや小さいものの配置も適切です。やや固めで誤爆しづらい調整となっており、普通に押しやすいです。

ホイール

ホイールは並みのノッチ感があり、柔らかすぎず固すぎない丁度いい回し心地。ホイールクリックも固すぎず、ちょうどいい。ホイールクリックを強いられる状況が頻発するようなゲームタイトルでも問題なく操作が行えるかなと思います。

センサー挙動・リフトオフディスタンス

Hati Ht-Sは PixArt PMW3389 センサーを搭載しています。初期DPIは400 / 800 / 1600 / 3200の4段階で、ホイール下のボタンから切り替え可能。現時点ではソフトウェアが公開されていませんが、一般的な仕様であれば~16,000DPIを100刻みで調整できるかと思います。

例のごとく、Mouse Tester (xCount, xSumの2種)でセンサーの正確性を検証。DPIは400/800/1600/3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「PureTrak Talent」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTester: xCounts

MouseTester: xSum

どのDPIでも綺麗な波形が出ています。『League of Legends』と『VALORANT』をプレイしていてもトラッキングに違和感はなく、センサー挙動には一切問題はありません。

リフトオフディスタンス (LoD)

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

マウスパッド「PureTrak Talent」上で計測した結果、Hati Ht-Sのリフトオフディスタンスは1.0mmでした。十分に短い数値です。ここまで本体が軽いと容易に持ち上がるので、コンマ数ミリでは短すぎると感じる方もいるかもしれませんね。

マウスソール

マウスソールは純白のPTFE100%、品質の高いものへアップグレードされています。ちなみに初期のSkoll Sk-LやHati Ht-Mには、これよりも滑走速度が劣る”黒い”PTFEソールが備わっていました。

HyperglideやArc1と比べると若干劣るものの滑りやすく、角は綺麗に丸められているのでマウスパッドとの引っ掛かりも一切ありません。標準ソールとしては十分すぎるものです。

ただし配置が上2枚・下1枚の構成に、形状も変更されており、Hati Ht-MやSkoll Sk-Lで使われていた汎用ソール(楕円型)が上部に貼り付けられなくなっています。わざわざ変えてきたということは、専用ソールが別途発売されるような気もしますね。

ケーブル

標準で柔らかくて軽いパラコードケーブルが備わっています。やや重たいですが柔らかさは向上しているかなと。また開封時についていた折れ目もすぐにほぐれ、癖がつきづらくなっています。

初期のSkoll Sk-LやHati Ht-Mのケーブルと比べると、中の導線を覆っている太巻きの布(いわゆるパラコード)が分厚いものへと変わっています。そのぶん少し重たくはなっているのですが、耐久性の面で安心できそうな仕様となっています。

ソフトウェア

未公開。

結論とターゲット

「G-wolves Hati Ht-S」について詳しく見てきました。強調したいのは”ビルドクオリティが明らかに向上している点”です。左右クリックのガワのカタつき、シェルの軋みは一切確認できず、剛性が高まっている印象を受けます。

また、標準でパラコードケーブルを備えるマウスといえば、柔らかさや軽さと引き換えに断線のリスクがあり、コミュニティではそういった報告も少なくはないです。そこで取り外し可能なMicro-USB to USBケーブルを採用し、交換用ケーブルを1本付属するという仕様変更。

本製品のターゲットですが、つまみ持ちに適した小型軽量ゲーミングマウスを探している方。合う合わないはあるにせよ、モノは良いです。このままの状態で製品化されるならば、既存のハニカムマウスの中ではトップクラスの品質であると言えますし、大いに試す価値があると思います。

好みが分かれそうな部分としては、トップからサイドまで全体がハニカムシェルなところでしょうか。全部位に対応したグリップテープが付属していますが「そういったテープの類は感触が苦手…」という方には合わないかなと。

マウス自体の出来も評価に値しますが、”多くのハニカムマウスが抱えていた難点”を改善しようと真摯に取り組むメーカーの姿勢がハッキリと製品に反映されているのが良いなと。初期発表時からG-wolves製マウスを追い続けている身として、改めて今後の展開にも期待です。

※発売日は未定、レビュー機は先行サンプル品となります

以上、G-wolvesのゲーミングマウス「G-wolves Hati Ht-S」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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