「HyperX Alloy Elite 2」レビュー。”半透明キーキャップ”がついてくる、フルサイズの赤軸ゲーミングキーボード
本稿では、HyperX(ハイパーエックス)のゲーミングキーボード「HyperX Alloy Elite 2」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: HyperX Japan
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製品仕様と外観
最近はコアゲーマー界隈を中心にテンキーレスや60%などのコンパクトなキーボードが流行していますが、まだまだフルサイズの需要もあると感じます。キー数以外での双方の大きな違いは、キーボードの入力以外に搭載された機能の有無でしょうか。
そんな中でHyperXが新製品として発売したAlloy Elite 2は、前作のAlloy Eliteに備わっていたようなメディアキーやUSBポートなどの便利機能、LEDライティングが楽しめるライトバーに加え、ライティングが映える”半透明のキーキャップ”が標準で取り付けられたモデルとなります。
Alloy Elite 2はフルサイズの英語配列メカニカルキーボードで、サイズは幅444.0 奥行174.0 高さ37.4mm。上段に機能性キーやライトバーを搭載しているぶん、一般的なキーボードよりも奥行きがやや広いです。
スチール製のフレームが採用されており、強い力で下に押さえつけても沈み込むことはありません。かなり剛性が高いです。本体重量は約1.5kgと、キーボード本体はかなり重ため。
HyperX独自の赤軸キースイッチ「HyperX Red」を搭載しています。主なスペックは、押下荷重45g、アクチュエーションポイント(作動点, AP) 1.8mm、キーストローク3.8mm、8,000万回の耐久性。
左上の3つのキーからはLEDライティングのコントロールとゲームモードの切り替え(Windowsキーの無効化など)が、右上の4キー+バーからは音量調整やミュート、前へ/次へ、再生/一時停止などのメディアコントロールが可能です。
裏面は、4箇所に滑り止めラバー、1段階の角度調整スタンド。
背面にはUSB2.0パススルーポートが1つ備わっています。接続ケーブルは2つのUSBに分かれており、片方がキーボード本体への給電、もう片方がこのUSBポートへの給電用となります。
スペック&ギャラリー
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パフォーマンス
操作感
以前に「HyperX Alloy Origins Core」をレビューした際にもお伝えしたように、HyperX Redキースイッチのフィーリングは良好。どのような状況で押下してもスムーズにキーが降りていくため、素早く正確なキー入力が求められるゲームでも高いパフォーマンスを発揮します。
キースイッチの仕様に目を向けてみると、キーストローク3.8mm、押下荷重45g、アクチュエーションポイント1.8mm。Cherry MX製の赤軸と比較すると、キーストローク・アクチュエーションポイントともに0.2mm短縮、僅かではありますが反応の向上も期待できます。
とうぜん、初動のキー反応速度だけを高めるならば銀軸のほうが適任ではありますが、それでは作動点が浅すぎると感じる方にとってはちょうどいい塩梅と感じられるのではないでしょうか。また、リニア系(赤軸や銀軸など)に慣れている方ならば、違和感なく導入できるかと思います。
打鍵音については、キーキャップがABSということもあり、「カタカタ」と高めの音が鳴ります。BackspaceやShift、Spaceバーなどの横に長いキーは、通常のキーと比べて柔らかい音が鳴りますが、同時にバネの音も少しだけ乗っかってきます。特に不快ではありません。
上記をトータルして、打鍵感はまずまずです。しっとりとした打鍵感、「スコスコ」系の打鍵音を好む方にとっては合わないと思いますが、そのあたりは好み次第ですね。
キーキャップの揺れは最低限です。ガチッと固定されている訳ではありませんが、指を配置したときにほどよく馴染む程度。ぜんぜん許容範囲です。
キーキャップ
Alloy Elite 2には、半透明キーキャップ「HyperX Pudding Keycaps」が標準で備わっています。下部が半透明となったプリン状のもので、より派手なライティングが楽しめます。
ただし一つ注意点があって、既にHyperXの製品として発売されているPudding Keycapsは材質がPBTなのですが、Alloy Elite 2に標準で備わっているキーキャップはABS樹脂です。
操作感に最も影響するであろう違いを挙げるとすれば、表面の手触りでしょうか。ABSは滑り止めが効くというか、指の引っ掛かりを感じるのに対し、PBTはザラッとしています。またABSは触った跡がつきやすいという難点もあります。一般的にはPBTの方が高級とされています
各種機能
まずは本体右上に搭載されているメディアキーから。上段には段差がつけられており、メディアキーは最も窪んだ状態となっているため、誤爆する心配は無さそうです。並んでいるボタンは左から 前へ、再生/一時停止、次へ、ミュート。それぞれクリック感があります。
最も右にあるのは音量調整バーで、クリック感がなくスムーズに回るタイプです。これは大半のキーボードに備わっている音量調整バーに共通して言えることですが、クライアントやアプリケーション単体ではなくWindowsシステムの全体の音量が上下するので注意。
本体左上のキーからは、左から LEDライティングの輝度変更(4段階+オフ)、発光パターンの切り替え、ゲームモードの切り替え(Windowsキーの無効化など)が可能です。これらのボタンもしっかりとクリック感があります。
本体背面に備わっているUSB2.0ポートはパススルー方式なので、ここに接続したデバイスはPC側で認識されます。無線ゲーミングヘッドセットなどの接続にも活用できるため、かなり有用性は高いかと思います。
こうやって見ると、やはり”多機能なキーボード”という印象を受けます。
ソフトウェア
Alloy Elite 2は、HyperX製デバイスの統合ソフトウェア「HyperX NGenuity」に対応しています。以下のURLよりダウンロード可能です。
HyperX NGenuity:https://www.hyperxgaming.com/spain/jp/ngenuity
設定項目は、LEDライティングに関する設定、各キーへのキー再割り当て、マクロ記録/割り当て。また、これらの設定はプリセットとして複数個保存しておくことができます。
ライティング
キースイッチがフレームから飛び出ていることや、ライティングを強調するキーキャップの仕様もあり、輝度を最大にすると非常に明るいです。なお、輝度は本体左上から4段階、ソフトウェアからは100段階で調整できるため、ここは好みに応じて。
発光パターンは各キー単位で個別に設定できるほか、異なる発光パターンを同時に有効化することも可能です。例えば、W,A,S,Dキーを[呼吸]、矢印キーを[フェード]に設定するなど。
ライティングに細部までこだわりたい方には嬉しい機能かなと。
結論とターゲット
「HyperX Alloy Elite 2」について詳しく見てきました。多くの機能を備えていることもあり、抑えるべきポイントが多いゲーミングキーボード。要点は以下の3つになるかなと思います。
- 独自に調整された赤軸キースイッチを備えるフルサイズ・英語配列のメカニカルキーボード
- 手元で素早くコントロール可能なメディアキー、USB2.0パススルー搭載など、多くの機能を備える
- LEDが強調されるキーキャップを標準で搭載、ライティングに関する設定のバリエーションも豊富
この中でも目新しい要素は③ですね。コンパクトでもなければ、多種多様なキースイッチを取り揃えているわけでもなく、決して流行りの仕様ではないのですが、実用性に加えてライティングの多様性を重視する方にとっては候補に入るかなと思います。
個人的には、キーキャップの材質がABSではなく、製品版のPudding Keycapsと同じPBTなら嬉しかったなあと。ちなみに執筆時点では、前作Alloy Eliteよりも今回レビューしたAlloy Elite 2の方が遥かに価格が安いため、そういった部分も目がつむれるかなと。
以上、HyperX(ハイパーエックス)のゲーミングキーボード「HyperX Alloy Elite 2」のレビューでした。