LAMZU Atlantis PRO KEYBOARD レビュー
LAMZUのゲーミングキーボード LAMZU Atlantis PRO KEYBOARD をレビューします。
レビュー用サンプル提供:HID-Labs
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この製品について
LAMZUは、XM1クローン形状に独創的なデザインを掛け合わせたゲーミングマウス Atlantisシリーズで話題を呼び、ThornやMayaなどを立て続けにリリース。着実にファン層を拡大してきました。
そんなLAMZUより待望のRapid Triggerキーボード LAMZU Atlantis PRO KEYBOARD が登場しました。性能とデザインに優れているというブランドイメージが定着しているだけに楽しみです。
LAMZUらしい本格的なパッケージ。マウスとは違って前開きのデザインとなっています。
中には 専用ケース、ケーブル、スイッチ、キーキャップ、取扱説明書が同梱されています。
ケース
CNCアルミニウムケースが採用されており、かなりずっしりとしています。
シンプルなデザインのようにも思えますが、側面などのシルエットがどこか特徴的でセンスを感じます。LAMZUのゲーミングマウス Atlantis のホワイトと同じ配色です。
ボトムにはLAMZUらしいAtlantisモチーフの金属プレートが取り付けられています。
タイピング角度は約4°でした。他のキーボードと比べてキーの角度が少し緩やかに感じます。
ケーブルは背面の左側に差し込みます。本体の色に合わせた白と水色のケーブルが付属しています。
レイアウト
英語配列の65%レイアウトを採用しています。本体幅は60%とキー1つ分しか変わらないコンパクトな設計で、キーボード右側のマウスを操作するスペースを広く確保できるのが強みです。
また、60%にはない矢印キーと4つのファンクションキーを搭載しているため、タイピングの際も不便に感じづらく、ゲームと普段使いの両方で快適に使いやすいレイアウトと言えます。
ソフトウェアからキーリマップが可能で、Fn1/Fn2レイヤーにも対応しています。
ただし、割り当てられるキーの種類はそこまで多くありません。たとえばFnを他のキーに割り当てるのは不可能です。複数キーを使ったコマンドはマクロ機能を使えば割り当て可能です。
キーキャップ
このキーボードの特徴でもあるシリコンキーキャップ。ABSでできた薄めの土台がシリコンで覆われています。側面はふにゃふにゃとしていますが、土台があるので型崩れはしません。
表面はしっとりとした質感で、少しだけ指にまとわりつくような感触はありつつも、指離れはそこまで悪くありません。プラスチックよりも手触りが良くて、ずっと触っていたくなります。
キーキャップ全体がLEDバックライトを透過するので、とにかく派手に光ります。
ソフトウェアから18種類のパターン + カスタムモードを選択でき、輝度も10段階で設定可能です。最大値の9にすると目が痛いくらい明るいです。ライティング好きにはたまらない仕様と言えます。
プロファイルはCherry Profileに近いものです。Lamzuからは調整を加えたXDA Profileと回答をもらいましたが、実際にはCherry Profileのような傾きがあります。
しかし、キートップの面積が広く、お椀のような深い窪みがあります。
ゲーミングキーボードによく使われるキーキャップには、前から見たときにU字状の窪みがあるのが一般的です。縦方向には窪んでおらず、上下のキーに指を運ぶときに引っ掛かりません。
このキーキャップは縦方向にも窪みがあるので、上下のキーに指を運ぶときに普段の感覚だと引っ掛かるときがあります。シリコンの指にまとわりつくような感触も相まって、引っ掛かるとそのまま誤入力に繋がることが多いです。
同じようなことが起きるかは指の動かし方によるとしか言えませんが、少なくともあまり指を上げずにタイピングする人にはあまり向いていないと思います。キーキャップの違いによる操作の感覚の変化は意外と大きく、筆者の場合は短期間で克服するのが難しかったです。
キースイッチ
キースイッチはRAESHA Whiteです。DrunkDeer A75/G65 や ELECOM VK600A に搭載されているスイッチと同じ種類です。
しかし、中に入っているスプリングの荷重が違うようで、キーの押し始めが若干重たくなっており、押し始めと終わりでの荷重の差も縮まっています。
- RAESHA White (Default):Start 30gf – End 60gf
- LAMZU Atlantis PRO KEYBOARD:Start 40gf – End 60gf
キー荷重は軽くもなく重たくもなく。押し始めと終わりでの荷重の差が縮まったことで、既存のRAESHAスイッチ搭載キーボードよりも好みが分かれづらいものになったと思います。
RAESHAの磁気式キースイッチはボックスステム仕様で、キーのグラつきが少ないのが強みです。また、ファクトリールブ済みなので、そうでないスイッチと比べると感触が滑らかです。
打鍵感
LAMZU Atlantis PRO KEYBOARDの打鍵感はとても良いです。高すぎず低すぎない音で、低音でコトコトと鳴るものとはまた違った良さがあるように思います。
ずっしりとした筐体の内部にフォームが敷き詰められていることもあり、反響音はかなり抑えられているように思います。キーをやや強めに叩いてもデスク天板まで衝撃が届きません。
スイッチやスタビライザーから不快な音が鳴ることもありません。通常キーを高速で入力しても、EnterキーやSpaceバーを強く叩いたとしても、同じような音が鳴って心地良いです。
Rapid Trigger/アクチュエーションポイント調整
アクチュエーションポイントは0.2mm~3.8mmの範囲を0.1mm単位で、Rapid Triggerは0.1mm~ の範囲を0.1mm単位で調整可能です。アップストローク(離すとき)とダウンストローク(押すとき) それぞれに異なる数値を設定することもできます。
アクチュエーションポイントとRapid Triggerはキーごとに設定が行なえます。
たとえば、WASDのみアクチュエーションポイントとRapid Triggerを0.1mmに、それ以外のキーはアクチュエーションポイントを1.0mmにしてRapid Triggerは無効にする、といった設定も可能です。
アクチュエーションポイントを0.2mmに設定すると、キーに少し触れただけで入力されます。
アクチュエーションポイントを4.0mmに設定すると、キーを途中まで押しても反応せず、一番底まで押し込んでようやく入力されます。
Rapid Triggerを0.1mmに設定してみました。キーを少しでも離すと入力がオフに、キーを離している最中に再び少しでも押すと入力がオンになります。わずかなキーの上下を細かく検知し、入力のオンオフ判定が正確に行われているように感じます。
しかし、トップ層のRapid Triggerキーボードと比べるとデッドゾーンがわずかに長いです。DrunkDeerと同じくらい?キーを底打ちから戻したときに入力オフにならない区間がわずかにあります。
アクチュエーションポイント0.2mm / Rapid Trigger 0.1mmで使用していますが、今のところ入力切れや誤入力などの動作不良は起きておらず、安定した動作しているように思います。
今回の検証のようにキーを小刻みに押すと分かりやすいですが、インゲームでの違い、特にVALORANTでのストッピング速度の差はわずかで、感覚が鋭い人でようやく気付ける程度です。
実際にVALORANTをプレイしていて、充分にRapid Triggerの恩恵を受けることができるように感じました。動作が安定していることもあり、安心して使用できています。
結論とターゲット
LAMZU Atlantis PRO KEYBOARDについて詳しく見てきました。ゲーミングキーボードながら、キーボードとしての基本的な構造が優れているように思います。重厚感のあるアルミケースとしっかりとした内部構造によって、とても良い打鍵感と打鍵音に仕上がっています。
キーをある程度強く叩いても反響せず、スイッチやスタビライザーからも異音は鳴りません。ほぼ一定な感触と音を得られるので、タイピングしていてすごく心地よいです。
アクチュエーションポイント調整やRapid Triggerはうまく機能しています。トップティアーのRapid Triggerキーボードよりもデッドゾーンが少し長いですが、VALORANTでのストッピング速度に置き換えるとごくわずかな差で、感覚が鋭い人でようやく気付ける程度です。
シリコンキーキャップは質感も見た目もよくて気に入っています。しかしXDA Profileはお椀のような窪みがあり、ゲーミングキーボードでよく使われているOEM Profileなどとはキートップの形状が異なるので、人によっては操作時に指が引っ掛かったりする可能性があります。
LAMZUらしさのあるビジュアルで、デスクに置いているだけで気分が上がるRapid Triggerキーボードです。見た目の良さで選んだとしても、その他の面でも納得できるような完成度だと思います。
LAMZUのゲーミングキーボード LAMZU Atlantis PRO KEYBOARDのレビューでした。
いつも拝見してます。
今回の記事も然り大変参考になります。
一点伺わせていただきたいのですが、
いつも執筆はなんのキーボードを、ご使用なさってるのでしようか?
またboog75やカスタムしたwooting60だと執筆は苦労なさいませんか?
ご参考迄にご教授頂きたく存じます
いつもありがとうございます。
執筆に使うキーボードはその時々で変わったりします。(主にレビューの兼ね合いです)
Boog75のような75%レイアウトはタイピング用途でも快適です。このLAMZU Atlantis PROのような65%レイアウトも矢印キーがあるので良いですね。
Wooting60 HEのような60%レイアウトは、一般的にはキー数が不足してしまって作業用途に向かないとされていますが、僕はすっかり慣れてしまってMod Tapのような機能を駆使して難なく使えています。