「Xtrfy GP5 XL」レビュー。綺麗なアートワークを施した、滑り重視で癖が少ないゲーミングマウスパッド
本稿では、Xtrfyのゲーミングマウスパッド「Xtrfy GP5 XL」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: Xtrfy Japan
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この製品について
GP5は、Xtrfyが新たに展開する5シリーズのマウスパッド。同メーカーのマウスパッドの中で最もスムーズな表面を採用しているとのことです。Xtrfyの過去作では、GP2がコントロールに特化したタイプ、GP4がややコントロールに寄せたタイプだったので、全く違った操作感が期待できます。
ゲーミング環境に合わせやすいアートワークを施したデザインで、全部で4色を展開しています。また、現時点ではキーボードまで載せられるXLサイズのみが発表されています。
価格は税込5,210円と、このサイズのマウスパッドにしてはやや安価な印象です。一体どのような出来となっているのか、この記事で詳しくチェックしていきます。
製品仕様とスペック
材質 | 布製 | 表面 | – |
---|---|---|---|
サイズ | 920 x 400mm | 厚さ | 3mm |
エッジ | ステッチ加工 | ベース | ラバーベース |
カラー | 4色展開 |
基本仕様をチェック
パッケージと内容物
長方形のパッケージに巻かれて入った状態で届きます。ここは相変わらず。
この手のサイズのマウスパッドにしては箱が小さく、かなりきつめに巻かれています。
巻き癖
梱包時にきつめに巻かれていることもあり、開封直後の巻き癖はやや強め。
梱包時に内側になっている左端の巻き癖がなかなか取れませんが、右端は少し浮く程度です。初めからマウスを動かす部分はほぼ水平になっているので、開封してすぐに使用することができます。
バリエーション
サイズ
GP5 XLサイズの寸法は920 x 400mmで、キーボードまで載せられる横長タイプとなっています。
執筆時点ではXLサイズのみ販売されており、今後ラインナップが拡充されるかは不明です。
XLサイズの厚さは3mmで、やや薄めに設計されています。
マウスだけをサポートする一般的なマウスパッドは3.5mmや4mmのやや厚めに設計されているものが多いですが、こういった大型のデスクマットは3mm前後のものが多い印象です。
カラー
GP5 XLは、海岸をテーマにしたアートワーク LITUS PINK・LITUS WHITE・LITUS BLUE・LITUS RED の4種類を展開しています。製品仕様はどれも同じです。
今回のレビュー用サンプルはLITUS PINKで、イエローやパープルも取り入れた鮮やかな配色のグラデーションカラーとなっています。マウスやキーボードのLEDライティングと合わせやすそう。
エッジ
エッジにはステッチ加工が施されています。頑丈に縫われているので少しザラつきのある肌触りですが、柔らかい糸が使われているので、長袖やアームカバーが引っ掛かることはありません。
ステッチ部分は滑走面よりも僅かに背が高くなっていますが、他のマウスパッドでもよく見られる許容範囲のものです。これといって不満はありません。
底面
前作GP4ではフラットラバーが新たに採用されていましたが、GP5からはまた別のラバーベースに刷新されています。グリップ感はとても優れており、マウスを激しく動かしてもズレることなくしっかりと固定されます。
筆者が普段使用する2種類のデスクで検証したところ、ラバーベースとの相性問題が発生しづらいホワイト天板ではうまく機能し、かなり相性を選ぶラバーウッド天板ではややスリップ気味。これは他のマウスパッドの底面と比べて非常に良い結果です。
GP5 XLのような横長タイプのマウスパッドは、キーボードが重しになって滑りをほぼ完全に防止してくれるので、底面のグリップ性能はあまり問題になりづらいです。このラバーベースはグリップ性能に優れているので、もしサイズを拡充することがあれば引き続きこれを採用してほしいところ。
パフォーマンス
滑走面
GP5 XLの滑走面は、ごく一般的なクロス表面となっています。滑走面を拡大してみると、非常に細かく織られていることが確認できます。これが滑走時の引きずり感を抑え、スムーズな滑りをもたらします。
また、縦と横で織り方が異なることも分かります。実際にマウスを滑らせてみると、水平方向よりも垂直方向のほうがやや鈍いですが、これは大半の布製マウスパッドと同程度です。縦横の滑りの差は存在するものの許容範囲であると言えるでしょう。
柔らかい素材が使用されており、肌触りはサラサラとしています。手首や腕が擦れてもダメージはなく、長袖やアームカバーを着用していても引っ掛かりが気になることはありません。
操作感
GP5はスピードバランスタイプに属するゲーミングマウスパッドです。他社製マウスパッドと滑走速度を比較すると「The Mousepad Company」よりも遅く「Odin Gaming ZeroGravity」よりも速いといったところで、正統派の布製マウスパッドとしてはかなり速い部類になります。
滑走重視のマウスパッドには、アムンゼンをはじめとした表面が粗いものが多いですが、このGP5はしっとりとしたフィーリングで、ソールが削れるような感覚・摩擦感も少ないです。
中間層のスポンジは薄いので、マウスに圧を掛けてもソールはほとんど沈み込みません。意識して力を入れても、滑りがやや鈍くなって僅かにストッピングアシストが得られる程度です。この滑走面と硬いスポンジとの組み合わせはとても相性がよく、常にスピーディーかつ安定した滑走速度が得られるので、マウスをどの程度滑らせたかの感覚と実際の動きとの認識ズレが起きづらい印象です。
滑り出しは比較的スムーズで、同じような滑走速度のマウスパッドと同程度と言えます。初動から滑らせている最中まで常に引きずり感が弱いので、表面の摩擦や中間層の沈み込みに頼らず、マウスを自身の力で止める感覚が必要になってきます。
対象を追いかけるトラッキングエイムでは、切り替えしがスムーズに行えます。また、力んでしまう場面でのマイクロフリックも引っ掛かり感がなく、対象までクイックにエイムを運べます。フリックエイムとトラッキングエイムの両方に適性がある、とても素直で扱いやすい特性を持つマウスパッドと言えます。
他社製マウスパッドとの滑り比較
GP5 XLは「スピードバランス」タイプに属します。
※それぞれ上から滑走速度が速い順に並べています。筆者の肌感覚なので変動する可能性有り。
ソール相性
GP5は滑走面が粗くなく、中間層のスポンジもやや固いので、ソール相性を選びづらいマウスパッドであると言えます。
エッジは適切に処理されているものが好ましいです。エッジが角ばっていたり処理が甘いものと組み合わせると、滑走時に不均一な引きずり感や引っ掛かりが発生します。
ソールの厚みは常識的な範囲であれば気にする必要はありません。中間層のスポンジが硬いので、マウスに圧が掛かってもソールが深く沈み込むことはなく、マウス操作に干渉しづらいです。
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス12種で検証したところ、すべて正常に動作しました。『VALORANT』『Apex Legends』でのプレイテストも実施し、同様の結果が得られました。
耐久性・湿気への耐性
前提として、布製マウスパッドは特定の素材や織り方を採用したものを除き、湿気や耐摩耗性への耐性はそこまで期待できません。基本的には消耗品という認識を持ちましょう。
GP5はごく一般的な布製サーフェイスを採用しており、湿気の影響を受けやすいです。
滑走面の摩耗による操作感の変化もいずれは避けられませんが、本稿執筆時点では体感できるほどの違いは出ていません。
結論とターゲット
「Xtrfy GP5」について詳しく見てきました。滑走速度は「The Mousepad Company」よりも遅く「Odin Gaming ZeroGravity」よりも速い、滑りを重視したゲーミングマウスパッドです。スピード系のマウスパッドに多く採用される表面の粗いアムンゼン生地とは異なり、一般的な布製サーフェイスを採用しており、少ない摩擦感としっとりとしたフィーリングが特徴です。
中間層のスポンジは硬くて沈み込みづらく、滑り出しも軽いので、常にスムーズで安定した操作感をもたらします。素直で扱いやすく、トラッキングエイムとフリックエイムの両方に適しています。ただしアムンゼンのように湿気に強いわけではなく、滑りが鈍くなると上記の恩恵が受けづらくなることには注意。
エッジのステッチ加工は頑丈で、滑走面よりも少し背が高いものの、引っ掛かりが気になるほどではありません。底面には新たなラバーベースが採用されており、とても優れたグリップ性能を発揮します。
販売価格は税込5,210円と、このサイズにしてはやや安価な印象を受けます。キーボードまで載せられる大判サイズのマウスパッドを探していて、滑りが速いものがいいけど表面が粗いのは苦手という方、力んでも滑りが鈍くならず安定するものを探している方にお勧めです。
また、Xtrfyのマウスやキーボードは綺麗なLEDライティングを搭載することを1つのセールスポイントとしており、GP5はそれらに合わせやすい色鮮やかな配色となっています。万人に受け入れられやすい操作感なので、強いこだわりのない方はデザイン先行で選んでしまっても失敗しづらいと思います。
総合評価4.5 out of 5.0 stars
底面のグリップ性能に優れる
腕や手首が擦れても痛くない
スムーズな滑り出し
安定した滑走速度
好みが分かれづらい操作感
主流センサーと相性が良い
このサイズとしてはやや安価
耐湿性には期待できない
以上、Xtrfyのゲーミングマウスパッド「Xtrfy GP5」のレビューでした。