「ROCCAT Vulcan 121 Aimo Titan Speed JP」レビュー。作動点1.4mmの独自キースイッチを搭載した日本語配列ゲーミングキーボード
本稿では、ROCCAT(ロキャット)のゲーミングキーボード「ROCCAT Vulcan 121 Aimo Titan Speed JP」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: ROCCAT Japan
製品仕様と外観
Vulcan 121 Aimo Titan Speed JPは、以前にレビューした「Vulcan 121 AIMO」の日本語配列バージョン。元製品は発売から時間が経っているので、新モデルの発売にあわせて改めてチェックしていきます。
レビュー自体はいつもと変わらないフル尺でお届けしますが、「そもそもの打鍵感はどうなのか?」あるいは「どのような方にとって選択肢に含まれるのか?」といった部分にフォーカスして見ていければと思います。
パッケージには Vulcan 121 AIMO本体、リストレスト、取扱説明書が入っています。
表面のメタルプレートの質感や、スイッチが剥き出しになるようなキートップの構造もあり、ライティングがより一層際立ちます。またこの手の構造は、エアダスターなどを活用すれば簡単に掃除できることも強みかなと。
キースイッチはROCCATが独自に開発した Titan Switch Speedで、主なスペックは 押下荷重45g、キーストローク3.6mm、アクチュエーションポイント1.4mm。以前のレビューでは「赤軸と銀軸の中間」と表現しました。
右上にはメディアキーが備わっており、音量調整やミュートを素早く行えます。またマグネット式で着脱可能なリストレストが付属しており、好みに応じて手首の角度を調整できます。
裏面には滑り止めラバー、角度調整スタンドが備わっています。
キーボード本体の角度を2段階で調整できます。
そのほか、ROCCAT製デバイスの統合ソフトウェア「ROCCAT Swarm」に対応しており、詳細設定が行えます。
スペック&ギャラリー
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ROCCAT Vulcan 121 AIMO Titan Speed JP 製品仕様 接続方式 USB 有線接続 配列・キー数 日本語配列, フルキー キースイッチ ROCCAT Titan Switch – Speed軸 キーストローク 3.6mm 作動点 1.4mm 押下荷重 45g キー耐久性 – ポーリングレート 1000Hz LEDライティング 対応 RGB ソフトウェア 対応 (ROCCAT Swarm) 価格 14,572円 (本稿執筆時点) - 製品イメージをチェックする (開閉できます)
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パフォーマンス
操作感
Vulcan 121 AIMOに搭載されたキースイッチは、ROCCAT独自の Titan Switch Speed。主なスペックは 押下荷重45g、キーストローク3.6mm、アクチュエーションポイント1.4mmで、Cherry MX赤軸と銀軸の間をとったようなリニアスイッチ。
キースイッチ名称 | 押下荷重 | キーストローク | 作動点 |
Cherry MX Red (赤軸) | 45g | 4.0mm | 2.0mm |
ROCCAT Titan Speed Switch | 45g | 3.6mm | 1.4mm |
Cherry MX Speed Silver (銀軸) | 45g | 3.4mm | 1.2mm |
Cherry MX赤軸と比較すると、キーストロークが0.4mm、アクチュエーションポイントは0.6mm短縮されています。実際にキーを入力していて「確かに浅い」と実感できるほどの違いがあります。
一方でCherry MX銀軸ほど反応点が浅いわけではなく、初見でも誤入力無しでキー入力できるあたり、バランスの取れたキースイッチであるという印象を受けます。明確なラインは人によって異なりますが、銀軸はキーの反応点が浅すぎて誤入力が発生しやすいです。
見た目こそ独特なVulcan 121 AIMOですが、実際に操作すると既視感のあるキータッチのように感じます。その理由は、代表的なリニアスイッチと同じ押下荷重で、軽い力でスムーズにキーが押下できるからでしょう。
赤軸や銀軸といったリニアスイッチが好みな方には合うと思います。
キーキャップのグラつきも見られず、Spaceバーなどの横に長いキーを斜めから押し込んでも安定した入力が可能です。とても良い造り。
ちなみにVulcanシリーズには、タイピングの際にホームポジションとなるFとJキーのほか、FPSをはじめとするWASDキーで操作するゲームにおけるホームポジションである Wキー にも突起があります。ふとした瞬間に指の配置がズレてしまう心配がありません。
各種機能
本体右上にはメディアキーが搭載されています。一番右の音量調整ツマミは回すたびに「カチカチ」と強めのクリック感があるため、急激なボリューム変化は避けられるうえ、細かな調整にも対応しています。
メディアキーから行えるのは音量にかかわる操作のみ。再生/一時停止、次へ、前へ などの機能は、一般的なキーボードと同様にFnキーとの組み合わせで利用可能です。
リストレストはマグネット式で着脱できます。キーボード本体に合わせた適切な高さで、手首や指のポジション調整に役立てることができます。好みに応じて使用するのが良いかなと思います。
ソフトウェア
Vulcan 121 Aimo Titan Speed JPは、ROCCAT製デバイスの統合ソフトウェア「ROCCAT Swarm」に対応しています。以下のURLよりダウンロード可能です。
ROCCAT Swarm:https://ja.roccat.org/Support
設定項目は、キーレスポンス速度の調整、キー再配置、マクロ記録/保存、LEDライティング設定となります。AIMOイルミネーションに対応しており、互換性のあるデバイス間でライティングを同期することができます。
Easy-Shiftを割り当てたキーを長押ししながら他のキーを押したときだけ、あらかじめ割り当てておいた他の操作を反映させられる機能である「Easy-Shift」にも対応しています。より多くの操作を割り当てられます。
ライティング
ケースにキースイッチが収まっているような一般的な構造であれば、ほんのりと灯りが浮き出す程度ですが、Vulcanシリーズはキースイッチが剥き出しになっている本体の構造もあってかなり派手に発光します。
また、輝度を最大に設定するとかなりの光量となります。LEDライティングを強調したい方にお勧め。
結論とターゲット
「ROCCAT Vulcan 121 Aimo Titan Speed JP」について詳しく見てきました。ゲーマーにとって主流のリニアスイッチである赤軸と銀軸の中間くらいの性質を持つスイッチは、初見でも馴染みやすいものとなっています。
定期的なメンテナンスへの配慮もされており、似たような構造のキーボードは少ないため、好みさえ合えば長く使っていける製品になっているのかなと。ゲーミングキーボードを選ぶうえで”日本語配列”であることを前提に、フルサイズかつメディアキーが搭載されているものを条件に探している方にお勧め。
いわゆる多機能ゲーミングキーボードの中でも、最も大事な部分であるキータッチに優れたものなので、仕様はほとんどそのままにテンキーレスなどのサイズ違いも展開してほしいと個人的には思います。
以上、ROCCAT(ロキャット)のゲーミングキーボード「ROCCAT Vulcan 121 Aimo Titan Speed JP」のレビューでした。