「XANOVA Phobos M」レビュー。プラスチック製だけどクッション性のある、特殊な構造のゲーミングマウスパッド

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「XANOVA Phobos M」レビュー。プラスチック製だけどクッション性のある、特殊な構造のゲーミングマウスパッド

本稿では、GALAX XANOVA(ザノヴァ)のゲーミングマウスパッド「XANOVA Phobos M」のレビューをお届けします。

レビューサンプル提供: 株式会社サイズ

XANOVA Phobos M
価格: 2,386円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

マウスパッドにより速い滑りを求める場合、布製とは異なる素材を検討するのも一つの手です。しかし、ハード系マウスパッドは”一枚の硬い板の上でマウスを滑らせる”感覚で、布製マウスパッドとはかけ離れた操作感。初見の方にとっては非常に癖があると言えます

今回レビューする「Xanova Phobos M」は、プラスチック製の滑走面に 分厚い発泡ゴム層を貼り合わせることで、布製のようなクッション性を備えたハード系のゲーミングマウスパッド。早速見ていきます。

Phobos Mは写真のような箱に真っすぐの状態で梱包されています (ハード系なので当然ですが)

サイズは320×270mmと小さめ (Mサイズ相当) で、ハイセンシの方や、手首固定でマウスを都度持ち上げて操作する方に適しています。ローセンシの方には不向きです。

Phobos Mの最大の特徴として、中間層に発泡ゴムが使用されていることが挙げられます。布製ならばクッション性があるのは普通なことですが、ハード系では異質です

プラスチック製の滑走面はわずか0.5mmと薄く、クッション性のある発泡ゴム層がだいたい3.5mmくらい。この構造によって、ハード系なのに布製と同じように曲がりますし、指で押し込むと少しだけ沈みます。

エッジは加工されておらず少し尖っているため、手首や腕が触れると少し痛いです。底面は滑り止めラバーとなっており、防滑性能は申し分ないです。

スペック&ギャラリー

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XANOVA Phobos M
価格: 2,386円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

滑り・止めの傾向

布製マウスパッドは表面の抵抗感だけでなく、中間層にあるスポンジ硬度によっても操作感が異なります。しかし硬質なプラスチック製マウスパッドでは、操作感に影響するのはほぼほぼ表面テクスチャの違いのみ。布製と比べると操作感の差は微々たるものだと言えます

Phobos Mの表面テクスチャは細かく、プラスチック製マウスパッドの中でも滑らかな操作感です。参考として、いくつかのプラスチック製マウスパッドを表面が粗い順に並べると、Xtrfy GP3 >>> X-raypad Thunder X > Logicool G440 = Phobos Mとなります。ソールの摩耗速度もこれに同じ。

ただPhobos Mの最大の特徴は、ハード系にもかかわらず沈み込みによるストッピング性能を得られることです。クッション性がある約3.5mmの中間層、わずか0.5mmと薄いプラスチック製の滑走面が貼り合わせられた特殊な構造によるものです

力を抜いてマウスを滑らせた場合、G440とほぼ同等、抵抗感が少なく滑らかな操作感。一方でマウスを下に押さえつける場合、中間層の沈みによって摩擦が増し、滑りが遅くなります。

つまりPhobos Mは、使い手によって操作感が変動しやすいマウスパッドだと言えます。条件が合えば、他に無い滑りと止めのバランス、その特殊な操作感を実感できるでしょう。筆者の場合、手首支点のつかみ持ちでマウスのお尻を押さえつけるよう操作すれば良い感触でした。

懸念点として、その他大勢のハード系パッドと異なり、表面が完全にフラットではないことが挙げられます。プラスチック製とはいえ滑走面が薄すぎるために、発泡ゴム層のうねりが表面にまで浮き出てしまうのです。

ただ、これ以上滑走面を厚くしてしまえば、プラスチックの硬度によりスポンジが沈み込まなくなってしまい、せっかくの分厚い発泡ゴム層が意味を成さなくなります。これは完全にトレードオフの関係で、ちょうどいいバランスで設計されているとも取れます

センサーとの相性

各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。

なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載しているマウスでも、異なる調整が行われていれば結果は変動します。ご参考までに。

正常に動作する
 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
通常使用が不可能

Razer Viper Mini (PixArt PMW3359)
AJAZZ i303 Pro (PixArt PAW3338)
Xtrfy M1 (PixArt PMW3310)
BenQ ZOWIE ZA13 (PixArt PMW3310)
G-wolves Hati Ht-M (PixArt PMW3360)
BenQ ZOWIE S2 (PixArt PMW3360)
Xanova Mensa Pro (PixArt PMW3389)
Endgame Gear XM1 (PixArt PMW3389)
Logicool G Pro Wireless (HERO 16K)
ROCCAT Kone Pure Owl-Eye (Owl-Eye)
ROCCAT Kone Pure Ultra (Owl-Eye 16K)

AJAZZ i303 Pro (PixArt PAW3338)とEndgame Gear XM1 (PixArt PMW3389)でxCounts波形の乱れが出ていますが、実際のカーソルの追従性に違和感は無いので△と評価しました。

結果として、今回検証に使用したどのマウスセンサーもPhobos M上で正常に動作したため、センサーとの相性を気にする必要は無いかと思います。

結論とターゲット

「XANOVA Phobos M」について詳しく見てきました。ハード系にもかかわらず沈み込みによるストッピング性能を有する、珍しいプラスチック製ゲーミングマウスパッドです。ただし、完全に力を抜いた状態でマウスを操作する方にとっては、普遍的なプラパッドのように感じられます。

懸念点として、ハイセンシもしくは 手首支点で何度もマウスを浮かせて元の位置に戻す方でない限り、サイズが小さいと感じる可能性が高いことと、一般的なハード系マウスパッドとは異なり表面が完全にフラットではないことが挙げられます

しかし、条件が合ったときのPhobos Mの特異な操作感は他では味わえないため、滑りの速さを求めていながら既存のマウスパッドには飽き飽きしているという方にお勧め。布製よりも耐久性に優れているうえに低価格で入手できるため、持っていて損は無いマウスパッドだと言えるでしょう。

XANOVA Phobos M
価格: 2,386円 (本稿執筆時点)

以上、GALAX XANOVA(ザノヴァ)のゲーミングマウスパッド「XANOVA Phobos M」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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