ERRENNIR Gecko レビュー
ERRENNIRのゲーミングマウスパッド ERRENNIR Gecko をレビューします。
レビュー用サンプル提供:ERRENNIR
基本仕様と外観
パッケージ
フラットパッケージに入って届くので、巻き癖は一切ついていません。
マウスパッドはビニールで保護されていました。
デザイン
オールブラック。ロゴはメーカー名のERRENNIR表記は無く、製品名のGeckoのみ。
見る角度によって色が変わる特殊インクが使用されているという、ちょっとした遊び心あり。ロゴの部分にはインクが載っているので、マウスを滑らせたときの感触が他の部分と異なります。
サイズ
超大型の500 x 500mm。いわゆるスクエアサイズです。
一般的な長方形サイズでは奥行きが足りないという人に最適です。
エッジ
エッジのステッチの質は微妙です。幅は標準的で、背の高さは滑走面と同じくらいです。最近はもっと幅が細くて、均一で、背も低いものが多い印象です。
マウスが端に到達したときに少し乗り上げるのが気になるくらいで、操作に支障は出ません。
ベース
ベースは鏡面仕上げになっています。抜群のグリップ力を誇っており、一度設置した場所からとにかくズレません。吸着性はそこまで強くないので、デスクから剥がすのは簡単です。
サーフェイス
表面の質感はさらっとしていて、メッシュっぽさのある手触り。
毛羽立ちが少なく、肌にまとわりつかないので、とても快適に使えます。
アームカバー
アームカバーとの相性を確かめてみました。決して使えなくはないものの、特定の方向だけ少し滑りづらくなってしまうパターンが多かった印象です。
PulsarやELECOMのアームカバーを用意しておけば間違いないでしょう。
名称 | 横 | 縦 | 斜 | 備考 |
ワコール CW-X | 〇 | 〇 | △ | 斜め多用する場合は気になる |
Wallhack | 〇 | 〇 | △ | 〃 |
SkyPAD | 〇 | 〇 | △ | 〃 |
Alpha-Force CORDURA | 〇 | △ | 〇 | 許容範囲内 |
ELECOM | 〇 | 〇 | 〇 | |
DAISO | 〇 | 〇 | 〇 | |
Pulsar | 〇 | 〇 | 〇 | |
EADALI | × | × | △ |
操作感
- 硬さ:Hard
- 荷重をかけたときの減速具合:ほぼ減速しない
- 初動の軽さ:とても軽い
- 切り返しの軽さ:軽い
- 滑走速度:スピードバランスタイプの中でも遅い
- マウスを滑らせたときの感触:ややしっとりしている
- 縦横の滑りの差:横のほうが遅い
- 湿度による滑りの変化:並み
- ソールの大小による滑りの変化:並み
硬さ
とても硬いベース材が使われています。硬度を測ってみたところ、表側が57、裏側が56でした。ArtisanのMidよりも少し硬いです。RazerのGigantus V2やStriderとほぼ同等でした。
指先で力強く押し込んでようやく少し沈む程度で、マウス操作中の沈み込みや減速にはほとんど期待できません。表面が生み出す摩擦だけで制御していくタイプのマウスパッドです。
初動と切り返しの軽さ
初動はとても軽いです。滑走速度が似ているスピードバランスタイプのマウスパッドの中では最上位クラスだと思います。
切り返しも十分に軽く、引っ掛かりのないスムーズな方向転換が行えます。
滑走速度
滑走速度は7タイプのうち3番目に滑りが速いスピードバランスタイプに分類できます。比較すると、バランスタイプの中でも速い部類であるArtisan Zero Midと同等か若干速かったです。
- 汎用丸形マウスソールだと Artisan Zero Midよりも若干速い
- 大判マウスソールだと Artisan Zero Midとほぼ同等
マウスを滑らせたときの感触は、ややしっとりめ。
初動の軽さと滑走速度のギャップがあり、初動→滑走に移行するタイミングで少し鈍くなる感覚があります。これのおかげで、(スピードバランスタイプ相当とはいえ)十分すぎるほどの表面摩擦があり、制御しやすいように感じます。これは錯覚に近いものだと思います。
縦横の滑りの差はそれなりにあります。横よりも縦のほうが滑りが遅いです。
湿度による滑りの変化
湿度による滑りの変化は並みくらい。滑りが遅くなることはありませんが、しっとり感が少し増します。こういった感触の違いは割と気付きやすいかもしれません。
マウスソールによる滑りの変化
マウスソールの大きさや形によって滑らせたときの感触が変わってくるのが印象的でした。汎用丸形だとキレが良く、大判ではしっとり滑らかな感触になります。
使用感
この 500 x 500mm という大きさは、腕の位置を深めにセッティングするローセンシプレイヤーにとって最高です。肘付近をマウスパッドの上に置いても奥行きが足りなくなることがありません。
ここまで硬いマウスパッドは割と種類が少ないです。ArtisanのMidよりも少し硬いくらい。FreeFall SV BASE Control+のように一切沈まないわけではなく、汎用丸形のような小さいソールを選択すると若干沈みます。どちらにせよマウスを押し込んでもほぼ減速しないので考慮する必要はなさそう。
このマウスパッドの特長は、滑走速度が似ているマウスパッドとは比にならないほどの初動と切り返しの軽さです。マウスの動かし始めや方向転換するときの嫌な突っかかりが一切ありません。適度な表面摩擦のあるスピード系マウスパッドを探しているトラッキングエイマーに最適です。
Valorantをはじめとするタクティカルシューターでは人を選びます。力みをコントロールできる人にとっては扱いやすいマウスパッドといえます。特に、脱力した状態で細かなエイムを連続的に行うミドルセンシのプレイヤーであれば、初動の軽さを活かしたキレの良いエイムができると思います。
ローセンシでマウスを押し込んで止めるようなプレイスタイルには明らかに向いていないと感じました。もう少し柔らかいか、摩擦が大きいマウスパッドのほうが扱いやすいと思います。
結論
ERRENNIR Geckoについて詳しく見てきました。高需要ながら数が少ない500x500mmのスクエアサイズである点と、裏面の強力なすべり止めは最高です。ステッチの質は微妙です。
(スピードバランスタイプの)滑走速度が似ているマウスパッドと比べて初動と切り返しが軽いのが強み。適度な表面摩擦があるスピード系マウスパッドを求めるトラッキングエイマーに最適です。
Valorantなどのタクティカルシューターでも、初動の軽さを活かしたキレの良い操作が行えるのが強みです。ただし、このマウスパッドを使いこなすのに荷重のコントロールは必須スキルとなります。ローセンシでマウスに荷重かけまくりなプレイスタイルの人には不向きです。
ここまで硬いマウスパッドは種類が少ないですし、表面がさらさらとしたものとなると余計に絞られるので、そういったものを探していたという人は試してみる価値があると思います。
ERRENNIRのゲーミングマウスパッド ERRENNIR Gecko のレビューでした。