Padsmith Crucible – Temple of Dreams V2 レビュー
Padsmithのゲーミングマウスパッド Padsmith Crucible – Temple of Dreams V2 をレビューします。
レビュー用サンプル提供:Padsmith Japan
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この製品について
Padsmithと言えばガラスマウスパッドがコミュニティから高い評価を得ていたブランドですが、最近は布製ゲーミングマウスパッドにも注力しているようです。
以前レビューしたTemple of Dreams (以下、V1)はコントロールタイプ。今回レビューするCrucible – Temple of Dreams V2はスピードタイプとのことで、全く異なる滑りとなっているようです。
パッケージと内容物
フラットパッケージに入って届きます。巻き癖が一切ない状態で使い始められます。
サイズ
サイズは490 x 420 x 3.5mm ローセンシ対応の大サイズです。
長方形だと奥行きが足りないユーザーのためのスクエアサイズは用意されていません。
ベース
ベースには吸着性があり、デスク天板に張り付くので、一度設置した場所からずれません。
Pulsar ES1 3mm や Pulsar ES2 3mmに採用されているアルファセルとかなり似ています
裏面はPadsmithのロゴ入りの防滑パターンになっています。
V1は裏面が凸凹としていて、それが操作にも影響を及ぼしてしまっていたのですが、V2は改善されています
エッジ
エッジのステッチは幅がとても狭く、背の高さは滑走面と同じくらい。かなり控えめです。
手首や腕がステッチと擦れることによる不快感はなく、マウスパッドの端にマウスが乗り上げたり引っ掛かったりすることもありません。
サーフェイス
このマウスパッドは表面が滑らかで手触りも良いのですが、マウスを滑らせると、まるで表面の粗いマウスパッドのようなキレの良さを感じます。
表面をよく見ると等間隔に模様が入っています。この模様が少しだけ凸凹としていて、マウスを滑らせたときのしっとり感を抑えています。
サーフェイスを拡大してみると、横向きに糸が走っていることが分かります。これがこの模様の正体です。他のマウスパッドではこのような織り方は見たことがないです。
大体のマウスパッドは手で触ったときとマウスを滑らせたときの感触が一致しますが、このマウスパッドはさらさらとした手触りと粗めの滑走感を両立していてとてもユニークです。
硬さ
このマウスパッドは柔らかいです。指で押した感じはPulsar ES2 3mmとよく似ています。柔らかいのですが厚みがそこまでないのですぐに底打ちします。
また、反発感が弱く、元に戻るまでに1~2秒ほど掛かります。これはマウスを押し下げて滑りが鈍くなったあと、力を抜いても元の滑りに戻るまで時間が掛かるということを意味します。
初動の軽さ
初動はやや軽いです。少ない力でマウスを動かし始めることができ、細かなブレや手の震えは拾わないくらいには抵抗があります。
力を抜いた状態だとよく滑りますが、力を入れた状態だと滑り出しが鈍くなって感覚がずれるので、その辺りの慣れは必要になってきます。
特に汎用丸形のような接触面積が小さいマウスソールだと、力が入ったときに滑り出しが鈍くなりやすいです。
切り返し時の抵抗
左右や斜めに切り返すときの抵抗はそれなりに大きいですが、それと比べると上下の抵抗は少し少ないです。この表面の凸凹とした模様が大きく影響しているように思います。フリックのあとの微調整の制御が行いやすいです
滑走速度
滑走速度はスピードバランスタイプの中でもやや速い部類になります。
他のマウスパッドと比較してみると、Artisan Hayate Otsu Softと同じくらいでした。Artisan Hayate Otsu MidやKurosun Ninja Speed、FreeFall SV BASE Control+ V2よりも遅かったです。
荷重を掛けたときの減速具合はマウスソールの種類によって異なります。
大判マウスソールでは10が8になるイメージなのに対し、汎用丸形のような接触面積が小さいマウスソールだと10が6になるイメージ。強いブレーキ感が表れ、マウスを簡単に止めることができます。
また、このマウスパッドは中間層の反発力が低いです。マウスを押し込むと沈み、元に戻るのに時間がかかるので、他のマウスパッドよりも滑りが鈍い状態が持続しやすいです。人によっては癖が強いと感じるかもしれません。
湿度による滑りの変化
湿度による滑りの変化はおそらく小さいです。部屋を加湿してもマウスを滑らせたときのキレの良さはそのままに、体感できるような滑りやすさの変化もなく使うことができました。
使用感
Pulsar ES2 3mmのスピードサーフェイス版というイメージで使えています。
沈み込み方や減速の仕方がPulsar ES2 3mmと似ています。汎用丸形マウスソールと組み合わせてマウスを下に押し込むと、強いブレーキ感があらわれ、簡単にマウスを止めることができます。
このアルファセルのような低反発のクッションは、小さなマウスソールをしっかりと沈み込ませて止めるのに最適です。マウスを下に押し込んで止める人なら扱いやすいマウスパッドだと思います。
同じスピードバランスタイプのマウスパッドの中でもコントロール性能に長けていて、VALORANTなどのタクティカルシューターにも向いているように感じました。
普段の滑りと減速したときの滑りに大きな差があるので、力が無意識に加わって滑りが鈍くなったときなど、思い通りにマウスを動かせなくなるような場面が何度かありました。
つまみ持ちや浅めのつかみ持ちのような荷重が掛かりづらい持ち方、もしくはセンシがあまり低くない場合は、そのような癖を感じずに使うことができると思います。
結論とターゲット
Padsmith Crucible – Temple of Dreams V2について詳しく見てきました。ステッチ加工はかなり控えめで、ベースには吸着性があって一切ずれません。V1のように裏面は凸凹としておらず、ステッチの幅も狭くなり、より高いクオリティで仕上げられているように思います。
特殊な表面加工により、手触りは滑らかでありながら、マウス操作時には適度な粗さがあり、優れたコントロール性をもたらします。スピードを重視しながら滑りと止めのバランスが取れたこのマウスパッドは、特にマウスを強く押し込んで止めるようなプレイスタイルの人に適しています。
汎用丸形マウスソールを使用して減速度を強めたり、大判マウスソールで減速度を弱めて滑りを安定させたり、どの程度の減速を求めるかによってマウスソールを選択することで調整可能ですが、マウスの種類によっては貼れるマウスソールの形状が限定されることがあるので注意が必要です。
布製マウスパッドとしては値が張りますが、サーフェイスが特殊で、滑りも唯一無二という点で価値があるように思います。スピード重視でオールジャンル対応のマウスパッドは現在のトレンドを押さえており、個人的にも印象が良く、現状かなりおすすめできる1枚です。
以上、Padsmithのゲーミングマウスパッド Padsmith Temple of Dreams のレビューでした。