EspTiger She She Jia (Purple, Pink) レビュー
EspTigerのゲーミングマウスパッド EspTiger She She Jia Purple と She She Jia Pink をレビューします。
レビュー用サンプル提供:HID-Labs
動画で見る
この製品について
EspTigerのShe She Jiaは可愛い表面プリントが目を惹くゲーミングマウスパッドのシリーズです。Pink、Purpleの2色を展開しており、それぞれ操作性が異なるサーフェイスを採用しています。
共通仕様
パッケージと梱包状態
マウスパッドはしっかりとしたフラットパッケージに保護されています。
巻き癖の一切ない、完全に真っすぐな状態で使い始められます。
サイズ
サイズは480 x 400mmです。ローセンシ対応の大判サイズです。
エッジ
エッジのステッチは幅が狭く、滑走面よりも背が低くなっています。
腕や手首が引っ掛からないのはもちろん、マウスが乗り上げたり引っ掛かることもありません。
ベース
ベース材には厚さ約4mmのPoronが採用されています。厚さを実際に測ってみると4.34mmでした。
Poronとは、ロジャースイノアックが生産する、微細かつ均一なセル構造を有した高性能ウレタンフォームのこと。高密度で平坦なのが強みで、高級なマウスパッドへの採用例が多いです。
裏面はデスクへ適度に張り付く鏡面仕上げになっています。充分なグリップ力があり、一度設置した場所からずれることはありません。
EspTiger She She Jia Purple
硬度
EspTiger She She Jia Purpleの硬度はVery softに分類できます。
Artisan Zero SoftやLethal Gaming Gear Saturn Pro Softと同じぐらいの硬さです。
表面の質感
マウスパッド表面は適度にさらさらとしています。手触りはLethal Gaming Gear Saturn ProやEndgame Gear EM-C Plus、Ninjutso NPC Proと似ています。
しっとり滑らかというよりは、乾ききった布っぽいカラッとした質感で、指でなぞると少しまとわりつく感じがあります。粗くはないので手首や腕が高速で擦れても痛くないです。
CW-Xのアームカバーを着けた状態だととても快適に使えます。EADALIは上下どちらも引っ掛かってしまって使えませんでした。
滑走面
織り方自体はバランス~コントロール系マウスパッドでよく見かけるもの。手触りが近いと感じたLGG Saturn ProやNinjutso NPC PRO、Endgame Gear EM-C Plusなどと似ています。
Artisan Zeroと織り方自体は似ているようにも思えますが、Zeroのほうが輪郭がはっきりとしていて、空洞も多く、粗いのが分かります。手触りの違いはここに表れているのかなと思います。
操作感
滑走速度はコントロールバランスタイプに分類できます。比較すると、Artisan Zero Xsoftよりも遅め、Lethal Gaming Gear Saturn Pro Soft、Ninjutso NPC PRO、Endgame Gear EM-C Plusよりも若干遅いですが、そこまで大きな差はないように感じます。
初動はやや軽めで、多少荷重が掛かった状態で動かし始めてもそこまで鈍くなりません。
マウスを左右に切り返したときの抵抗はそれなりに強いです。フリックした直後に荷重が掛かった状態だとマウスの動きがかなり鈍くなります。
とても柔らかくて厚みもある、クッション性が高いマウスパッドです。力んだときの細かな手の震えやブレを抑えてくれるので、マウスを操作するときに力が入りがちな人と相性が良いです。
マウスに荷重を掛けると程よく減速します。かといって鈍くはなりすぎないので、あえて沈ませてマウスを止めるときに滑りの安定性をそこまで大きく損なうことがなくて扱いやすいです。
あくまで経験則ですが、このEspTiger She She Jia Purpleのように手触りがかさかさとした表面が乾いたような質感のマウスパッドは、荷重を掛けてもそこまで減速しないものが多いイメージです。逆に表面がしっとり滑らかなマウスパッドは減速しやすいような気がします。
表面の質感がちょうどよく、マウスを滑らせたときにぬるっとせず、かといって粗くもないので、とにかく使いやすいです。コントロール系マウスパッド愛好家でこれを嫌う人はあまりいなさそう。
沈ませると程よく減速する、柔らかいコントロール系マウスパッドが好きな人におすすめです。
EspTiger She She Jia Pink
硬度
EspTiger She She Jia Pinkの表面硬度はMidに分類できます。
BenQ ZOWIE G-SR-SE RougeやVAXEE PA Black、Artisan Zero Midなどと似たような硬さです。
Purpleと同じPoronベースが使われているにも関わらずここまでの差が生じるのは、表面の生地が硬いからです。裏面から硬度を測ると全く同じ数値が出ました。
表面の質感
とても細かく織られていて指を擦るとキュッキュッと鳴る、Artisan Raiden系の表面です。表面には防水性があるのに加え、高い耐摩耗性も謳っています。
手触りはさらさらしているわけではなく、少し肌にまとわりつくような感じもありますが、粗いわけでもないです。手首や腕が高速で擦れても痛くなく、好みが分かれづらそうな感じ。
CW-Xのアームカバーを着けた状態では腕がスムーズに滑りました。EADALIのアームカバーは引っかかってしまって使えませんでした。
滑走面
珍しいほど均一な平織りパターンです。他のマウスパッドの滑走面と見比べてみたのですが、はっきり近いと言えるようなものは見つかりませんでした。
アムンゼン織りやCORDURAとは一見似ているようでまた違ったものです。
Kurosun Ninja SpeedやFnatic Dashのような熱処理されたサーフェイスとも違います。
操作感
滑走面の均一なパターンから想像がつくように、どの方向に動かしても同じくらい滑ります。
マウスソールの種類によって鈍感な人でもすぐに気付けるくらい滑走速度が変化します。
大型~中型のような面で触れるマウスソールでは程よい滑りと若干の制御力が感じられます。スピードバランスタイプの中でも速いほう、Kurosun Ninja Speedよりも若干遅いくらいです。
汎用丸形のような点で触れるマウスソールだと明らかに滑りが速くなり、Artisan RaidenやArtisan Shidenkai V2などのスピードタイプの面々に並ぶほどスピーディーになります。
初動はとても軽いです。少ない力で動かし始めることができ、微調整が行いやすいです。左右に切り返したときの抵抗もかなり小さいように思います。
適度なクッション性がありながら、マウスに荷重が掛かってもそこまで滑りが鈍くなりません。滑りを安定させたまま手の細かな震えやブレは取り除けるというのは良いところだと感じました。
耐摩耗性の高さも特長として挙げられていましたが、確かに1本1本の繊維がしっかりとしていて摩耗に強そうではあります。湿度による滑りの変化も感じないまま快適に使えました。
マウスソールの種類によってここまで分かりやすく操作性が変化するスピード系マウスパッドは珍しいです。汎用丸形マウスソールだとスピード特化、大型マウスソールでは程よい滑りに加えてコントロール性も感じられます。ソールを貼り替えるだけで調整できるのは強みと言えるのではないでしょうか。
結論とターゲット
EspTiger She She Jiaシリーズについて詳しく見てきました。可愛い表面プリントが目を惹きますが、Poronベースを採用、エッジのステッチ加工も控えめで、品質の高さも兼ね備えています。
Purpleは柔らかいコントロール系マウスパッド。Pinkはマウスソールの選択によって滑りの調整が可能なスピード系マウスパッド。どちらのサーフェイスも操作性に優れているうえに使いやすいです。この辺りはさすがバリエーションの多いEspTigerといったところ。
Purpleは万人受けで、Pinkは既存のマウスパッドにはない性能の高さ。どちらもこれといって欠点はなく、デザインに惹かれるなら買って損は無いと思います。このシリーズはおすすめです。
以上、EspTigerのゲーミングマウスパッド EspTiger She She Jia Purple / She She Jia Pink のレビューでした。