QUAOAR NEUTRON PREMIUM レビュー

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QUAOAR NEUTRON PREMIUM レビュー

今回はQUAOARのゲーミングマウスパッド「QUAOAR NEUTRON PREMIUM」をレビューします。

レビューサンプル提供: QUAOAR GAMING GEAR

QUAOAR NEUTRON PREMIUM
価格: 6,830円 (本稿執筆時点)

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この製品について

QUAOARは複数のゲーミングマウスパッドを展開する新興メーカーです。それらのラインナップの中でもQUAOAR NEUTRON PREMIUMは滑走速度が非常に遅いことを特長としたマウスパッドです。特殊な処理を施したマイクロファイバークロスでできた滑走面は、指でなぞっても繊維の感じが一切伝わってこないほど織り目が細かいです。PTFEマウスソールを使うと静電気が発生し、抵抗がさらに増加するとの説明もあります。一時期Twitterで静電気マウスパッドとして少し話題になりました。

注意点として、QUAOARのゲーミングマウスパッドにはPREMIUMシリーズとESSENTIALシリーズが存在し、それぞれ仕様の異なる部分があります。

製品仕様とスペック

材質 布製 表面 特殊マイクロファイバー
サイズ 490 x 420mm 厚さ 3.5mm
エッジ ステッチ加工 底面 イノアックジャパン ポロン
カラー 1タイプ

梱包・巻き癖

フラットパッケージに梱包されており、完全に真っすぐの状態で使い始めることができます。パッケージ裏面には日本語での注意書きもあります。

サイズ

QUAOAR NEUTRONの寸法は490 x 420 x 3.5mmです。

エッジ

エッジにはステッチ加工が施されています。ステッチ幅は標準的で、滑走面と同じ高さか少し低めに仕上げられています。マウスを大きく振ってエッジまで到達しても乗り上げたり引っ掛かることはありません。

ベース

ベースには高密度ポリウレタン素材が採用されています。これはArtisan製マウスパッドに使われているのと同じ、イノアックジャパンのポロンとのことです。素材の選定に拘りを感じます。

底面のパターンはArtisanのような丸い粒々とは異なるものです。グリップ性は十分に高く、設置した場所から動くことはありません。手持ちのデスク天板2種類(メラミン化粧板・ラバーウッド天板)の両方でうまく機能しました。デスクを軽く水で濡らしてから設置するとグリップ性が最大になります。

表面特性

QUAOAR NEUTRON PREMIUMの表面はとても滑らかで肌触りがいいです。指でなぞっても織り目が一切分からないほど細かく織られています。手首や腕が擦れても痛くなく、とても快適です。アームカバーは多少引きずる程度で、特に問題なく使用することができます。

滑走面を拡大するとこのようになります。ここまで織り目が細かいマウスパッドは今まで見たことがありません。Xtrfy GP2などのコントロール系マウスパッドは細かく織られた滑走面により高摩擦を実現していますが、それらよりもさらに織り目が細かいです。

このようなユニークな表面のマウスパッドが新興メーカーから出てくるのは嬉しいです。

操作感

QUAOAR NEUTRON PREMIUMはハイコントロールタイプに属するゲーミングマウスパッドです。滑走速度は「Xtrfy GP2」「BenQ ZOWIE G-SR」よりもさらに遅く、布製マウスパッドで最も遅いです。

テクスチャが一切感じられない織り目の細かい生地なので、マウスを滑らせるととにかく高摩擦で、マットなフィーリングです。既存の布製マウスパッドとは比にならないほど引きずり感が強いです。

滑り出しもかなり重たいです。マウスを微調整するときの動きが鈍く、ハイセンシ~ミドルセンシではマイクロフリックがしづらいように感じます。VALORANT で 800dpi 0.25に設定していても、細かな操作には慣れが必要でした。

縦横の滑りの差はそれなりにあります。横よりも縦のほうが若干滑りが速く、滑り出しも軽いです。

スポンジは3.5ミリ厚で、とても柔らかいです(ArtisanのSoft~Xsoftの中間くらいで、LGG Proシリーズと同程度)。滑走面とベースの両方が柔らかいので、マウスソールが容易に沈み込みます。ソールが沈み込んだときの摩擦の変化はそれなりに大きく、マウスを押し下げることで追加の摩擦が得られます。

QUAOAR NEUTRON PREMIUMはマウスソールの種類や形状によって滑り性が大きく変化します。

QUAOARは、PTFEマウスソールを使用すると大量の静電気が発生して静摩擦と動摩擦がさらに増加すると公表しています。静電気を発生させず摩擦を安定させるために、同社製の特殊なハイブリッド素材でできたマウスソール TELOS の使用を推奨しています。

実際にLogicool G PRO X SUPERLIGHTやVAXEE XE Wireless、Endgame Gear XM2weのような面積の広いPTFEマウスソールが貼り付けられたマウスでは、NEUTRONの表面を左右に何度か往復した段階で静電気が発生しました。マウスパッド表面とソールが張り付き、徐々に摩擦が増して滑りが鈍くなっていきます。このように摩擦が一定ではないのは好ましくありません。

Finalmouse Starlight-12のような面積の小さいソールでは静電気は発生しづらく、Esports TigerやGRAPHTから発売されているような汎用丸形ソールとの組み合わせでは静電気の影響を受けず、滑りがほぼ一定に感じられました。面積の広いソールでは特に影響が大きく、面積が小さくなるほど変化が少なくなっていく印象です。

同社から出ている特殊なハイブリッド素材を使用したマウスソール QUAOAR TELOS と組み合わせると、長時間使用していても静電気は発生せず、常に一定の摩擦を得られます。ちなみに、このTELOSもコントロール性を重視して作られたもの。NEUTRONと組み合わせることで想像以上に滑りが遅くなります。

さまざまな組み合わせを試した結果、とにかく滑りが遅いものを好むならQUAOAR TELOS CONTROLソールがベストで、滑り出しの重たさを軽減したい場合はPTFEの汎用丸形ソールが合うように感じました。PTFE汎用丸形ソールは滑りが速くなる傾向にあるので普段は避けているという方でも、このマウスパッドとの組み合わせであれば問題無く使用できるかと思います。

QUAOAR NEUTRON PREMIUMの操作感についてまとめると、現状最も滑りが遅い布製マウスパッドです。滑り出しが重たくて滑走速度も遅いうえに、マウスを押し下げることで追加の摩擦も得られます。

さらにマウスソールの種類や形状で操作感を調整できるのも特長で、PTFE汎用丸形ソールでは扱いやすく、同社が展開するQUAOAR TELOS CONTROLソールではより高摩擦で非常に鈍い操作感が得られます。PTFE大型ソールと組み合わせると滑走面の特性から大量の静電気が発生してしまい、摩擦が一定ではなくなるのでお勧めしません。

センサーとの相性

最近のゲーミングマウスに搭載されている主要なマウスセンサー9種類との相性をテストした結果、その全てで正常に動作することを確認しました。

PixArt社製センサー

  • PixArt PAW 3395 (LAMZU Atlantis)
  • PixArt PMW 3399 (G-Wolves HTS+ 4K)
  • PixArt PAW 3370 (Endgame Gear XM2we)
  • PixArt PMW 3389 (VAXEE ZYGEN NP-01)
  • PixArt PMW 3360 (BenQ ZOWIE ZA13-C)
  • PixArt PAW 3335 (ASUS ROG Keris Wireless)

メーカー独自/共同開発系センサー

  • Logicool HERO 25K (Logicool G PRO X SUPERLIGHT)
  • Razer Focus Pro (Razer Viper V2 Pro)
  • Razer Focus + (Razer Viper Ultimate)
  • Finalsensor (Finalmouse Starlight-12 Pro)

結論とターゲット

「QUAOAR NEUTRON PREMIUM」について詳しく見てきました。フラットパッケージに梱包されていて巻き癖は一切ありません。エッジのステッチ加工は滑走面と同じ高さで、マウスが乗り上げたり引っ掛かることはありません。ベースにはArtisanと同じ株式会社ロジャースイノアックのポロンが採用されていて、高密度かつ平坦で、滑走均一性も高いです。裏面のグリップ性能は十分です。とても品質の高いゲーミングマウスパッドの一種です。

操作感はとても尖っていて、とにかく滑り出しが重たくて滑走速度も遅いです。Xtrfy GP2やBenQ ZOWIE G-SRのようなハイコントロールタイプに分類していた布製マウスパッドよりも遅く、現状最も滑りが遅いマウスパッドとなりました。さらに、マウスを押し下げることで追加の摩擦が得られます。

マウスソールの種類や形状で操作感を調整することができます。PTFE汎用丸形ソールでは初動の重たさを軽減でき、好みが分かれづらい操作感になります。QUAOAR TELOSだと既存マウスパッドにはない鈍い感触となり、とにかく滑りが遅いマウスパッドを求めている場合に適しています。Xtrfy GP2 や BenQ ZOWIE G-SR では物足りないと感じている、コントロール性を追求したい方にお勧めです。

総合評価4.5 out of 5.0 stars

* それぞれ 長所 注意点 短所 の3段階で評価しています。
現状最も滑りが遅い
さらさらとした表面
アームカバーが引っ掛からない
品質の高いステッチ加工
高密度で平坦性に優れる
裏面のグリップ性が高い
 優れたセンサー互換性
耐湿性には期待できない
マウスソールの選定が必要
PTFEマウスソールを使用すると静電気が発生する
QUAOAR NEUTRON PREMIUM
価格: 6,830円 (本稿執筆時点)

以上、QUAOARのゲーミングマウスパッド「QUAOAR NEUTRON PREMIUM」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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