「X-raypad Aqua Control+」レビュー。湿気の影響を受けづらいバランスタイプのゲーミングマウスパッド
本稿では、X-raypad(エックスレイパッド)のゲーミングマウスパッド「X-raypad Aqua Control+」のレビューをお届けします。
ファーストインプレッション
QcKよりも滑りが速くてG640よりも遅い、コントロールバランスに極めて近いバランスタイプのゲーミングマウスパッド。程よく滑って程よく止まるものを探している方ならば、おおかた満足できるものになっているかと思います。
X-raypadのゲーミングマウスパッドは安価ながらどれも品質が高く、コストパフォーマンスにも優れている印象。ただし裏面の滑り止め性能はやや低いので、横に長いタイプのXXL以上を選ぶか、何かしらの対策が求められます。
製品仕様とスペック
材質 | 布製 | 表面 | アムンゼン生地 |
---|---|---|---|
サイズ |
XL: 450 x 400 x 3mm
XXL: 900 x 400 x 3mm
3XL: 1200 x 550 x 3mm
|
エッジ | ステッチ加工 |
ベース | 滑り止めラバー | カラー | Black / White / ROB Strata / Grey Strata / Blue Strata |
パッケージと内容物
よくある紙製のパッケージ。マウスパッドは緩く巻かれた状態でビニールに包まれています。
サイズ展開と価格
以下3種類のサイズをラインナップしています。厚さは3mm共通。
- XL:450 x 400 x 3mm
- XXL:900 x 400 x 3mm
- 3XL:1200 x 550 x 3mm
国内での販売価格については、ローセンシにも対応するXLサイズが3,380円、キーボードまで乗せられる横に長いタイプがXXLサイズが5,060円となっています。3XLに関しては欠品のため販売価格は不明です。
カラーバリエーション ※重要
Aqua Control+は5種類のカラーバリエーションを展開していますが、全て同じ操作感ではないので注意すること。以下はX-raypad公式が公開している表の一部を翻訳したものです。
生地 | 製品名 | 滑走面 | 製造工程 |
---|---|---|---|
比較的滑らかなアムンゼン生地 | ROB Strata Gray Strata Blue Strata |
柔らかい繊維で織られたスムーズな滑走面 より高いコントロールを提供する |
Hot press & ink coating |
White | NIL | ||
粗くてザラザラとしたアムンゼン生地 | Black | 固い繊維で織られたザラザラとした滑走面 より高いスピードを提供する |
NIL |
Galaxy… (coming soon) |
Hot press & ink coating |
要するに、ブラックのみ粗くてザラザラとした滑走面が採用されており、ややスピード寄りの操作感に。
その他4種は柔らかくてスムーズな滑走面が採用され、より高いコントロール性能を有しているとのこと。
ただこれら4種類も全てが同じわけではなく、ホワイトのみノンコーティングの滑走面、ROB StrataやGrey Strataなどの柄物はすべて製造工程でホットプレスとインクコーティングが施されています。
以上5種類をラインナップするAqua Control+ですが、「コーティングの有無で大きな操作感の変化が生じるわけではなく、どれもバランスタイプに属する」というのが公式の見解なようです。今回レビューするのはGrey Strataとなります。
パフォーマンス
巻き癖
端がわずかに浮いている程度で、巻き癖はかなり少ないです。数日使用しているうちに収まります。
滑走面
滑走面はポリエステル素材のアムンゼン生地です。アムンゼンとは梨地織りの一種で、同じ織り方を採用したマウスパッドとして「Artisan 飛燕」や「ZOWIE GTF-X」、同社の「X-raypad Equate Plus」が挙げられます。
とても乾いた質感で、表面にきめ細かな凹凸があってザラザラとした手触りです。以前コントロールタイプとして紹介した「Equate Plus」よりも滑走面の凹凸が激しく、手首へのダメージは強めな印象を受けます。
操作感
Aqua Control+はバランスタイプのゲーミングマウスパッドです。ただしコントロールバランスタイプ(コントロールとバランスの中間)に極めて近いと評価します。これといって変わった特徴はありません。
コントロールバランスタイプに位置する「SteelSeries QcK」や「Razer Gigantus V2」よりも明らかに摩擦が少ないものの、同じバランスタイプの「Logicool G640」や「Corsair MM350」よりも抵抗感がやや強く感じられます。
微々たる差ではあるものの「QcKより滑ってG640より止まる」という表現で間違いないかと思います。
マウスパッドの厚さは3mmと薄く、中間層のスポンジはやや固いので、マウスに圧が掛かってもさほどソールの沈み込みは生じません。クッションによる止め性能は得られないぶん、滑走速度が変化しづらく、操作が安定しやすいと言えます。
縦方向に滑らせたときのほうが滑走音が大きく、抵抗感もやや強め。滑走面の拡大写真からも察する通り、アムンゼン生地を採用したマウスパッドはどれも縦横の滑りの差異がそれなりに大きい印象を受けます。
エッジ
エッジのステッチ加工は柔らかい手触りで、手首へのダメージはありません。また、丁寧に縫われており、ほつれ等は見当たりません。
滑走面よりも若干背が高いですが、許容範囲内です。
底面
裏面は滑り止めラバー。天然ゴム製のよく見かけるものです。
滑り止め性能はやや物足りません。デスク天板の組み合わせ次第でマウスを大きく動かすたびにズレる可能性があります。キーボード等を乗せられる横に長いタイプ(XXLサイズ以上)を選択すれば問題が解消されます。
センサー相性
各種マウスセンサーとの相性をチェック。それぞれの組み合わせでカーソルが正確に追従するかを確かめるほか、センサー挙動を可視化するソフトウェア「Mouse Tester」での測定も行います。
なお、使用環境やファームウェアのバージョンの違いなど、様々な要因によって結果が変動する可能性があり、この検証結果が100%正しいものではないことをお伝えしておきます。また同じセンサーを搭載していても種類が異なるゲーミングマウスでは結果は変動するので、ご参考までに。
〇 正常に動作する
△ 動作に問題は無いが、MouseTesterの波形に乱れが見られる
✖ 通常使用が不可能
主要マウスセンサーを搭載したゲーミングマウス9種で検証したところ、すべて正常に動作しました。このほか『Apex Legends』でのプレイテストも行っています。
ソール相性
中間層のスポンジの沈み込みは少ないものの、滑走面の凹凸が激しいので、マウスソールの端の処理が甘いと引っ掛かり感が生じます。
耐久性
Aqua Control+に採用されているポリエステル素材は、湿気への耐性が高く、耐摩耗性にも優れています。その他大勢のOEM布製マウスパッドと比較して長持ちする部類であると言えます。
エッジのステッチ加工は頑丈でで、長期間使用しても破れやほつれは一切見当たりません。
結論とターゲット
「X-raypad Aqua Control+」について詳しく見てきました。コントロールバランスに限りなく近いバランスタイプのゲーミングマウスパッドで、主要な製品の名前を借りて表現するならば「QcKよりも滑りが速くてG640よりも遅い」といったところ。
このAqua Control+と以前紹介したEquate Plusはアムンゼン生地を採用した数少ないゲーミングマウスパッドで、湿気の影響を受けづらく、コンディションに左右されることなく快適に使用することができます。
巻き癖は少ないですし、エッジのステッチ加工は頑丈です。しかし裏面の滑り止めラバーはグリップ性能が低く、キーボードまで乗せられるXXLサイズ以上を選択するか、ズレないよう何かしらの対策を講じる必要があります。
国内販売価格はローセンシ対応のXLサイズで約3,300円と、コストパフォーマンスの面でも優秀。X-raypadのゲーミングマウスパッドは低価格かつ品質が高い印象を受けます。
総合評価4.5 out of 5.0 stars
摩耗と湿気に強い滑走面
バランスに優れた操作感
巻き癖が少ない
頑丈なエッジのステッチ加工
優れたデザイン
価格が安い
表面が粗くて擦れると痛い
裏面のグリップ性能がやや低い
以上、X-raypad(エックスレイパッド)のゲーミングマウスパッド「X-raypad Aqua Control+」のレビューでした。