「BenQ EX3200R」レビュー。31.5インチ湾曲パネルを採用した144Hzゲーミングモニターが実現する”ゲームへの没入感”は一度体験するべき

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「BenQ EX3200R」レビュー。31.5インチ湾曲パネルを採用した144Hzゲーミングモニターが実現する”ゲームへの没入感”は一度体験するべき

レビューサンプル提供: ベンキュージャパン株式会社

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BenQ EX3200R レビュー

本稿では、BenQ(ベンキュー)が2018年11月に国内発売したゲーミングモニター「BenQ EX3200R」の詳細なレビューをお届けしたいと思います。31.5型と大きめのパネルは1800Rの湾曲パネルを採用することで視野を広げ、ゲームへの没入感を重視して設計されています。これらの仕様はレーシングゲームに最適なほか、映像視聴にも映画館のような体験を与えるとのこと。

31.5型ですが解像度は一般的なフルHD(1920×1080)で、リフレッシュレート144Hzに対応していることから、ゲーミング用途で幅広く活躍してくれるであろう高いスペックを備えています。


パネル:湾曲、VA・ノングレア/LED湾曲率:1800R画面サイズ:31.5型解像度:フルHD (1920×1080)リフレッシュレート:144Hz応答速度:4ms(GtoG)本体重量:9.1kg本体サイズ:W727.37×H529.52×D223.73mm入出力端子:HDMI 1.4、DisplayPort 1.2、Mini DisplayPort 1.2価格:45,139円 (2019/1/7時点)


先にお伝えしておきたいのが、本稿のレビューの方向性について。BenQ EX3200Rはレーシングゲームに最適と謳うゲーミングモニターですが、既に当メディア以外でその適合性は証明されているため、あえてその他のジャンルのゲームタイトルでも検証して使用感をお伝えしていきます。

組み立ては工具不要、取り回しやすい

BenQ EX3200Rは、横幅が約1m、高さ60cmほどの大きな外箱に包まれて到着しました。片面には丁寧に梱包された湾曲パネルが、もう片面にはケーブル類やスタンドなどの付属品が収められています。

  • EX3200R 専用スタンド
  • 電源アダプター
  • 電源ケーブル (1.8m)
  • miniDP to DPケーブル (1.8m)
  • HDMIケーブル (1.8m)
  • 配線部分のカバー
  • 説明書、ドライバー、保証書

組み立てを要するスタンド部分、電源アダプターとケーブルに加え、HDMI / miniDP to DPケーブル(約1.8m)が付属しています。それぞれHDMIが~120Hz対応、miniDP to DPが144Hz対応ですので、基本的にはDisplayPortで接続することをオススメします。

組み立ては工具不要で行えるうえ、手順も分かりやすい。付属パーツ2種を繋ぎ合わせ、据え付けられたネジを手で回すだけでスタンドは完成。続いてスタンドをパネル背面の枠にはめ込み、カチッと音が鳴れば固定されます。以上でBenQ EX 3200Rの組み立ては完了です。

パネルとスタンドを分解するのも簡単で、パネル背面のボタンを押しながらスタンドを引き上げるだけで取り外しが可能。ここまでの工程で特に迷うことはなく、非常に取り回しやすい設計と感じました。

BenQ EX3200Rの完成図。横幅約73cmで高さ約53cmと、31.5型のディスプレイはさすがに大きい。本体重量は9.1kg(スタンドを含む)とサイズ相応の重たさで、両手を使って持ち運ぶ必要があります。なおVESA規格 (100×100mm) に対応済みなので、~10kg対応のモニターアームを使用可能。

果たして画面全体を見渡せるのかと不安になりますが、そこに湾曲パネルを採用したことが活きてくるはず。BenQ曰く、31.5インチに最適な湾曲率1800Rによって十分に視野を満たしつつ、ゲームへの没入感を得られるとのこと。ゲームプレイ時の使用感については後ほど確かめていきます。

BenQならではの配線周りの配慮が嬉しい

BenQは液晶モニター製品に定評のあるメーカー。モニター自体の品質はもちろんですが、配線周りなどの配慮まで作り込まれた製品本体のデザインはBenQならではです。

  • 電源
  • HDMI 1.4
  • DisplayPort 1.2
  • Mini DisplayPort 1.2
  • ヘッドフォン

入出力端子は以上の5種類で、パソコンと接続する際はHDMI / DisplayPort / Mini DisplayPortの3つから選べます。前述の通りHDMIでは最大120Hzでの出力になるため、144Hz駆動させたい場合はDisplayPortもしくはMini DisplayPortで接続しましょう。

ケーブルを接続した後は付属のカバーを被せることで綺麗に収納できます。

スタンドに空いた丸い穴は接続したケーブル類を整理するためで、BenQのモニターでは定番の設計です。モニターをデスクに設置した際にケーブル類が見えづらく、配線を綺麗にまとめられます。

モニター位置調整は高さ・ティルトの2つ

モニターの位置を調整するための機能として「高さ調整」「ティルト調整」の2つに対応しています。

「ティルト調整」はパネルの角度を変えることができる機能で、画像のように-5°~15°まで角度を付けられます。ゲーミング用途のモニターとして必要十分な調整幅で、モニターを高い位置に設置してパネルを下方に向ければ見上げるような形で使用することも可能です。

「高さ調整」は60mmとやや狭めに思えますが、パネルが大きいことを考えると妥当です。実際に環境に合うようにパネルの位置を調整してみると、問題なくベストな位置を見つけることができました。

スウィーベル機能(左右回転)やピボット機能(画面縦向き)はゲーミングモニターに搭載される代表的な機能ですが、BenQ EX3200Rではそれらが削ぎ落されています。そもそも本製品はゲームへの没入感が重視されており、31.5型の大型湾曲パネルを採用していることから、設計上不要でしょう。

製品仕様をより詳細にチェック

大きめの31.5型も湾曲パネルなら容易に見渡せる

ゲーミング用途でモニターを選ぶうえで一般的とされるサイズは24型前後で、BenQ EX3200Rのような31.5型の大型ディスプレイは選択肢となりづらい。その大きな理由として、あまりにパネルが大きいと全体を見渡しづらいという問題が挙げられます。

しかしBenQ EX3200Rは湾曲パネルによってその問題を払拭し、さらに大型ディスプレイによってゲームへの没入感を得られやすいというメリットまで生み出していると感じました。

左BenQ ZOWIE XL2536(24.5型)、右BenQ EX3200R(31.5型)

比較対象としたのは、以前『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』に最適なゲーミングモニターとして紹介した「BenQ ZOWIE XL2536」(レビュー記事)。リフレッシュレートは144HzでEX3200Rと同様ですが、ゲーミング用途に用いられやすい24.5型で、ゲーミングモニター定番製品の一つです。

24.5型と31.5型では相当なサイズの違いがあることは一目瞭然ですが、BenQ EX3200Rに採用された湾曲パネル、さらに先ほど紹介した高さ・ティルト調整機能により、大きい画面全体を見渡せるうえにゲームへの没入感も得られやすい設計となっています。

BenQ EX3200Rで最適な距離感は70~120cmとのこと

ただしBenQ EX3200Rで最高の没入感を得るうえで、自身とモニターとの距離の調整は重要なポイント。BenQ曰く、BenQ EX3200Rで最適なモニターの距離は70~120cmとのことで、湾曲率1800Rによって31.5インチの大型ディスプレイを一般的なPC環境に落とし込みやすくなっています。

実際にゲームプレイ中に快適なモニターの距離を探してみました。筆者の使用するPCデスクは奥行55cmのBauhutte BHD-1200M(レビュー記事)で、平均的と言える奥行60cmにはやや届かないもの。

BenQ EX3200Rをできるだけ奥に設置してやや深く椅子に座ってみると、モニターとの距離は約82センチ。これが筆者にとってのベストポジションで、ゲームの臨場感を最大限に味わいつつ、意外にも24.5型モニター使用時と変わらない感覚で画面を見渡すことができました。

個人的なレポートとしては、顔を動かすことなく画面全体を見渡したい場合は110センチ以降が目安で、ゲームへの没入感を最大限に得られつつ視覚的にも不自由を感じないのは80センチ前後といったところでしょうか。プレイするゲームタイトルによって微調整するのも良いでしょう。

湾曲パネルがもたらす”ゲームへの没入感”

実はこれまで湾曲モニターを使用した経験はなく、その使用感については非常に興味があったというのが本音。今回BenQ EX3200Rを使用してゲームをプレイした感想を一言で表すならば「ゲームの世界に入り込んだ気分になれる」といったところでしょうか。

31.5型の湾曲パネルによって映し出されたゲーム画面は、視界を包み込むようにして広がります。つまり24インチ前後のモニターと比較して、ゲームプレイ中に余計なものが視界に入る機会が少ない。つまりゲームに最大限に集中できる設計で、それがゲームへの没入感が得られる要素の一つ。

BenQ EX3200Rが最適であると謳う『Forza Horizon 4』をはじめとするレーシングゲームに置き換えても、広い視野角と最大限に集中できる環境により、スピード感や疾走感を肌で感じることができ、まるで現実世界で運転しているかのような底知れない臨場感が得られるということ。

他、人気シリーズの最新作『Battlefield V』、リアル志向バトルロイヤル『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』、世界で最も遊ばれているMOBA『League of Legends』、疾走感溢れるパルクールが特徴的なゾンビアクションRPG『Dying Light』、基本無料のMMORPG『黒い砂漠』など、とにかく幅広いジャンルのゲームタイトルでBenQ EX3200Rの使用感をチェック。

  • FPS/TPS:31.5型では対象が大きく映るので相性良し、湾曲パネルなのでマウス操作に慣れが必要
  • MOBA:視覚的には問題無いが、24インチ前後と比較して視線の動きが目まぐるしく疲れやすい
  • RPG:24インチ前後でプレイするよりもグラフィックを楽しめる、没入感を得られて相性抜群
  • レーシング:言わずもがな相性良し、24インチ前後と比較して走行中に疾走感などのリアリティを感じられる

意外にもFPS/TPSは快適にプレイできました。当然のことですが24.5型よりも31.5型の方が敵プレイヤーなどの対象が大きく映り込むので、画面の細かい変化に気付きやすいという点ではシューティングゲームとも相性が良いと感じました。また近年流行りのグラフィックが綺麗なRPGは、31.5インチの大画面でゲームの世界観にのめり込むように楽しめます。

フルHD解像度(1920×1080)、リフレッシュレート144Hz対応という点では、様々なゲームタイトルに適したスペックを持つ本製品。検証した結果、メーカーから推奨されたレーシングゲームだけでなく、ジャンルを問わずにゲームプレイを”没入感高めに”楽しめるゲーミングモニターだという結論に。

どの角度でも色が褪せず、発色にメリハリのあるVAパネル

ゲーミングモニターで一般的に採用されているTN液晶の弱点として、黒の発色が弱いことや、画面を見る角度によって発色が異なることが挙げられます。31.5インチと大型かつ湾曲率1800Rの湾曲パネルを搭載するBenQ EX3200Rは、VAパネルを採用することでこれらの問題を払拭しています。

横幅約70センチの大型ディスプレイですが、真横から見てもしっかりとした発色で、角度によって色が褪せることはありませんでした。「湾曲パネルは色彩が崩れがち…」なんて心配は無用。

BenQ曰く、ゲーミング用途のほかに映像鑑賞にも向いているとのこと。先ほど少し登場した「BenQ ZOWIE XL2536」と比べても、色彩のメリハリはBenQ EX3200Rの方が数段優れている印象です。

さらに画面に近づけて撮影。木々の描写も影の深部まで綺麗に表現されており、元々美しいグラフィックをさらに後押ししてくれます。BenQ EX3200Rは31.5インチ/フルHD解像度(1920×1080)で、それ以下のものと比べると1ドットが大きいのですが、色鮮やかな発色のおかげで映像の粗さを感じづらい

色彩表現や視認性を向上させる各種設定

BenQ EX3200Rでは、本体の電源ボタンの横に搭載された6つのボタンによって各種設定が行えます。「輝度」「コントラスト」などの基本的な設定はもちろん、「AMA」「Color Vibrance」をはじめとするBenQ独自機能についても変更可能です。

なお、初期状態でプリセットとして搭載された6種類の画像モードに加え、ユーザー好みに作成した設定を2種類までスロットに保存できます。簡単なボタン操作によって容易に切り替えられるので、頻繁にプレイするゲームタイトル用の設定を作っておくことをオススメします。

  • 輝度:画面全体の明るさの度合いを調整する。
  • コントラスト:画面全体の色の対比の強弱を調整する。
  • シャープネス:映像の輪郭の強弱を調整する。
  • ガンマ:グレー色の明るさを調整する。
  • 色温度:低いほど暖色が強く、高いほど寒色が強く発色する。
  • AMA(BenQ独自機能):いわゆるオーバードライブで、応答速度を速める。
  • 色の鮮明さ(BenQ独自機能):別名”Color Vibrance”。色の彩度を調整できる。
  • ブルーライト軽減(BenQ独自機能):青色を弱めて目に優しい発色へ。
  • スーパー解像度(BenQ独自機能):低解像度の映像を鮮明に映し出す。

設定できる項目の名称と効能をまとめました。もともと色彩表現に優れたBenQ EX3200Rですが、これらの設定項目を適切に調整することでゲームへの没入感をさらに増すことが可能です。

特に、色彩の鮮やかさを0~20の数値で変更できるBenQ独自機能「色の鮮明さ(Color Vibrance)」は非常に優秀です。左から設定値は0、10、20で、見ての通り色彩表現にかなりの違いが表れます。

映像美がウリのRPGであれば、数値を高く設定することで豊かなグラフィックを楽しむことができます。FPS/TPSなどのシューティングならば、ゲームタイトル毎に敵プレイヤーの視認性を高めるための最適な設定を見つけられるでしょう。

BenQ ZOWIE XL2536に搭載済みの暗所の視認性を高める機能「Black eQualizer」は未搭載。とはいえVAパネルはTN液晶と比較して黒の発色が優れているので、通常状態でも暗所の視認性はやや高め

ゲームへの没入感を重視する方は”買い”

ここまで「BenQ EX3200R」の製品仕様やゲームプレイ時の使用感について詳しくお伝えしてきました。結論として、本製品は「ゲームへの没入感を重視する方」には是非手に取ってもらいたいモノ。

  • 組み立ての手軽さ、配線周りにも配慮されている
  • 高さ調整・ティルト調整によって適切なモニター位置を見つけられる
  • 大きめの31.5型だが湾曲パネルによって画面全体を見渡しやすい
  • VAパネルは発色が良く、角度による色褪せも見られない
  • 幅広い設定項目によって色彩表現・視認性をユーザー好みに調整できる
  • フルHD解像度、応答速度4ms、リフレッシュレート144Hzは間違いない
  • 24インチ前後のモニターでは得られない”ゲームへの没入感”を体験できる

再三お伝えしていますが、一般的な24インチ前後のモニターと比べると数段大きめ。筆者はこれまで最大27インチでしかPCゲームを遊んでこなかった身でしたが、今回BenQ EX3200Rを使用してみてこれ程までのゲームへの没入感はこのサイズでしか得られないだろうと率直に感じました。

サイズ感を再度比較しておこう(左24.5インチ、右31.5インチ)

極端な話、24.5インチのモニターに極限まで顔を近づけても迫力は無い… そこで大型な31.5インチのVAパネル。さらに視界を覆うように画面が包み込んでくれる湾曲パネルを採用したことが重なり、ゲームの世界に飲み込まれるような没入感を得られる設計が実現されている。

実際にゲームプレイに使用した感触としては、メーカー推奨のレーシングゲームはもちろんですが、その他の対人ゲームと呼ばれる部類(FPS/TPS、MOBA)も快適にプレイすることが可能でした。また鮮明なグラフィックを特色としたRPGは特に没入感を得られる絶好の的と感じました。

一般的なサイズとはかけ離れた、ある意味”変わり種”な一台

映像に関する設定項目の幅広さも外せない。モニターに基本的に備わっている輝度やコントラストはもちろん一通り備わっていますし、やはりBenQ独自機能(特にColor Vibrance)が優秀です。ユーザーそれぞれの好みに合わせた設定でゲームプレイや映像鑑賞を行えます。

正直な話、BenQ EX3200Rのレビューを進めていくうちに、使用するモニターが変わるだけでゲーム体験がここまで変化するのかと思い知らされました。個人的には「普段使っているゲーミングモニターとは別にもう1台」という楽しみ方も十分にアリだと感じます。


パネル:湾曲、VA・ノングレア/LED湾曲率:1800R画面サイズ:31.5型解像度:フルHD (1920×1080)リフレッシュレート:144Hz応答速度:4ms(GtoG)本体重量:9.1kg本体サイズ:W727.37×H529.52×D223.73mm入出力端子:HDMI 1.4、DisplayPort 1.2、Mini DisplayPort 1.2価格:45,139円 (2019/1/7時点)


以上、「BenQ EX3200R」のレビューでした。

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この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
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