「Razer DeathAdder V2 Pro」レビュー。IE3.0クローンユーザーは試すべき88gの無線デスアダー

「Razer DeathAdder V2 Pro」レビュー。IE3.0クローンユーザーは試すべき88gの無線デスアダー

本稿では、Razer(レイザー)のゲーミングマウス「Razer DeathAdder V2 Pro」のレビューをお届けします。

Razer DeathAdder V2 Pro
価格: -円 (本稿執筆時点)

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製品仕様と外観

初めてDeathAdderが登場したのは2006年。まだゲーミングマウスの種類自体がそこまで存在しなかった当時と比べれば、今では膨大な選択肢から最適解を導くことができます。それでもなお、DeathAdderシリーズは頻繁にモデルチェンジされ続け、一定の人気を保っています。

さらに昔話を続けると、少し前までのワイヤレスマウスと言えば、安定性に欠けるだとか、遅延が酷いだとか、とにかくコアゲーマーからは避けられる存在でした。さほどゲーミングデバイスに関する情報を追っていない層だと、今でもそのような考えが残っているかもしれません。

しかし、今ではプロゲーマーまでもが無線デバイスを好んで使用するようにもなっているくらいで、ゲーミンググレードのワイヤレス技術は既に一般的なものとなっています。そういった中で、Razerの主力製品であるDeathAdderも今回遂にワイヤレス化、ということで早速見ていきましょう。

DeathAdder V2 Proは、7つのボタンを備える左右非対称ゲーミングマウス。カラー展開はブラックのみ。

表面材質は、前面がプラスチック、サイド全体が射出成形のゴム製グリップとなっています。これはシェルの一部として成形されているようです。

有線版の最新モデルDeathAdder V2のサイド。指先部分だけがグリップとなっている
DeathAdder V2 Proのサイド。全面がグリップに変更されている
ホイールにも若干の変更。1枚目がDeathAdder V2、2枚目がDeathAdder V2 Pro

ちなみに有線モデルDeathAdder V2(と以前のモデル)では、サイドの一部のみがゴム製グリップとなっていたので、前モデルからの変更点の一つとして挙げられます。

また、ホイールユニットにも若干の変更が見られます。

形状を4方向からチェック(もちろんDeathAdderシリーズ前機種と全く同じ形状です)。サイズは127.0 x 61.7 x 42.7mmで、大型サイズに分類されます。

本体重量は88g(ケーブルを除く)、実測値は87.5gでした。有線版DeathAdder V2と比べてわずか6gしか増加しておらず、サイズ感を考えれば随分と軽いです。

センサーはRazer Focus+ (PixArt PMW3399カスタム)が搭載されています。主なスペックは 最大20,000DPI対応、最大速度650IPS、最大加速度50Gで、これに加えてリフトオフ/ランディングディスタンスの細かな調整も行えます。

接続方法は3種類(有線接続, HyperSpeed (2.4Ghz)ワイヤレス接続, Bluetooth接続)で、Speedflexケーブル(1.8m)と レシーバーを好きな場所に設置するための簡易スタンドが付属します。バッテリーはHyperSpeedワイヤレス接続時で最大70時間、Bluetooth接続時には最大120時間持続します。

USBレシーバーは本体底面に格納されており、これをPCに接続するか、Razer Mouse Dock Chromaにレシーバーを差し込めばセットアップ完了。Viper UltimateやBasilisk Ultimateとは違って充電ドック同梱パッケージは用意されておらず、別売りとなっています。

DeathAdder V2 Proは、Razer社製デバイスの統合ソフトウェア「Razer Synapse 3」に対応しており、キー・ボタン割り当て、パフォーマンス、ライティング、キャリブレーションに関する詳細設定が行えます。

スペック&ギャラリー

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Razer DeathAdder V2 Pro
価格: -円 (本稿執筆時点)

パフォーマンス

持ち方の相性・操作感

DeathAdderは人間工学に基づいて設計された左右非対称のエルゴノミクス形状で、相当昔からある「IE3.0クローン」です。もっと簡単に言えば、マウスに手を覆い被せたときのフォームに合わせて設計されているので、自然とフィットするようになっています。

形状について掘り下げていくと、人差し指・中指の第一関節から第二関節が触れる中央あたりが最も背が高く、全体的に見ると左から右にかけて背が低くなっています。

また、マウス本体をしっかりとグリップできるよう、人差し指と中指、親指の指先がくる位置が窪んでいたり、薬指と小指の付け根から先端までが違和感なく配置できるように工夫されていたりと、精密にデザインされています。

これらを踏まえたうえで、一般的な持ち方3種類との相性をチェック。筆者の手の大きさは幅9.5cm 長さ18.5cmで、日本人男性の平均サイズとなります。指の太さや長さ、それぞれの持ち方での細かな癖など、さまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があることを前置きしておきます。

かぶせ持ち

かぶせ持ちは非常に相性が良いです。マウス本体は比較的大きめですが、筆者の手の大きさでちょうど良いくらいで、手首を接地させるかさせないかを選べます。

筆者の場合、先に薬指・小指の位置を決め、ほんの少しだけマウス本体を斜めにして覆い被せると吸い付くようにフィットします。ただし、裏を返せば”フィット感と引き換えにマウスを握る角度まで制限されてしまう”とも取れます。このあたりは左右非対称マウスの強みですが、見方によっては難点でもあると言えます。

つかみ持ち

つかみ持ちとも相性が良いです。本体後部の幅が広くてコブの位置も適切なのと、親指側の窪んだ部分がちょうど指先にくるので、非常にグリップしやすいです。

本体後部を手のひらのどの位置に当てるかによって、マウスを握る角度をある程度自由に決められるので、細かな持ち方の違いにも比較的適応しやすいのではないかと感じます。

つまみ持ち

つまみ持ちとの相性は悪いです。その理由を挙げていくと、まず一つはマウス本体の背が高くて全長も長いため、指の関節を使ってマウスを動かしたときに可動域が狭いからです。マウスを垂直方向に動かしたいとき、本体後部が手のひらに当たってしまいます。

もう一つは、親指側のサイドの窪みが奥の方にあるからです。マウス本体を3本指だけでつまんで固定する場合、この左サイドの窪みが干渉し、親指の位置が強制的に決められてしまいます。その結果マウスをかなり深めに握ることとなり、上記の可動域の狭さがより際立ちます。

ボタン配置・クリック感

メインスイッチ

メインボタンにはRazer独自の光学式スイッチ「Razer Optical Mouse Switch」が搭載されています。物理的な接触によって信号が送られる主流のスイッチとは違い、クリック時にシャッターが開いて赤外線が通過し、それを読み取ることで信号が送られるため、誤作動が起きづらいという仕組み。

また、このDeathAdder V2 Proからは「第2世代」のOptical Mouse Switchが積まれており、タクタイル感が向上したことで、より明確なクリック感とクリック音が得られるようになったとのこと。

新旧の違いは、有線版DeathAdder V2と複数回押し比べたときに感じ取れます。ストロークの短さはそのままに、押し心地が僅かに固くなっており、跳ね返りも僅かに強くなっているといったもの。それでも押し心地は非常に軽い部類に入ります。

以前のDeathAdder V2レビューでは「メインボタンの跳ね返りの強さが物足りない」と評しましたが、このDeathAdder V2 Proではごく僅かな違いながら、そのような印象を受けませんでした。ミクロレベルでしっかりと調整してきたと言っていいでしょう。

サイドボタン

ちょうど親指の上側に沿うように配置された大きめのサイドボタン。こちらは有線版DeathAdder V2と比べてやや固くなった印象です。短いストロークで「カチッ」と歯切れの良い音が鳴り、操作に影響は及ぼしませんが押す角度によっては「パキッ」と鈍い音が鳴ります。

ホイール

ホイールはノッチ感と抵抗感がどちらも強まっており、以前と比べて誤入力しづらいものとなっています。本来のホイールに近い、軽い操作感は保ちつつ、より明確に回した感覚を得られるように細かな調整を入れてきたという印象を受けます。

ホイールクリックはやや固めで誤爆しづらいです。ホイールの構造自体が見直されたのか、クリック感が少し明瞭になった気がします。

サイドボタンは好みが分かれそうですが、メインボタンとホイールに関しては有線版DeathAdder V2やそれ以前の機種と比べて優れていると感じます。また、新製品それぞれにしっかりと改善点が見られるというのは、とても良い傾向だと思います。

センサー

センサーはViper Ultimateにも搭載されていた「Razer Focus+」。これはPixArt PMW3399のカスタム品で、最大20,000DPIに対応しており、同社製マウスでは最上位センサーという位置付け。特筆すべきはリフトオフ/ランディングディスタンスの細かな調整が可能という点でしょうか。

例のごとく、Mouse Testerでセンサーの正確性を検証。DPIはそれぞれ400, 800, 1600, 3200で、ポーリングレートは1000Hz、マウスパッド「Razer Gigantus V2」上でテストを実施しました。ツールの性質上、環境によって結果が変動する可能性があることを前置きしておきます。

MouseTester: xCounts

MouseTester: xSum

Mouse Testerの波形、実際にゲームプレイで使用して検証した結果も含め、センサー挙動に問題はありません。

リフトオフディスタンス (LoD)

マウスを浮かせてセンサーの反応が途絶えるまでの距離 リフトオフディスタンス も検証。0.1mmのプレートを1枚づつ重ねてマウスを動かすという工程を繰り返し、センサーが反応しなくなる高さを測ります。使用するマウスパッドによって数値が変動する可能性があります。

マウスパッド「Razer Gigantus V2」上で、ソフトウェアから較正を済ませたうえでリフトオフディスタンスの値を2(カスタム選択時、最小)に設定して計測した結果、DeathAdder V2 Proのリフトオフディスタンスは0.8mmでした。十分に短い数値です。

センサーの位置

ほんの僅かではありますが、有線版DeathAdder V2と比べてセンサーの位置が上に寄っています。センサーの位置が上にあればあるほど、手首を支点にマウスを動かしたときのカーソルの可動域が広がります。

どの持ち方でもカーソルの細かな調整に手首を使用している場合がほとんどなので、普段と変わらないDPIや感度設定でゲームをプレイしていても、人によっては「マウス感度がちょっと高い」と感じる可能性があります。ちなみに筆者は体感できるほどではありませんでした。

当然、マウスの種類によってセンサーの位置も細かく違ったりするので、マウスを変える=手首支点でマウスを動かしたときのカーソル動作に細かな変化が生じるということです(市販のゲーミングマウスはだいたい真ん中あたりにセンサーを搭載しているので、体感できる人は少ないかも)。

もっと言うと、マウス感度はセンサーとマウスパッドとの距離(=ソールの厚さ)でも細かく変わってきます。まあこのあたりは、プロレベルでこだわりを持っているという方以外は聞き流しても良い話だと思います。豆知識として頭の片隅に入れておいてください。

マウスソール

角が丸められた100%PTFEのマウスソール。当然マウスパッドとの引っ掛かりは感じず、かなり滑りやすいです。初期ソールとしては品質の高いものを備えていると思います。

バッテリーを搭載している影響から、下部ソールの形状が有線版DeathAdder V2から変更となっています。また、充電ケーブル接続ジャックの関係で上部が2枚に分かれ、下部に1枚とセンサー周りにO型が1枚、合計4枚となっています。

ケーブル

DeathAdder V2 Proは有線接続(充電しながらの使用)にも対応しており、無印Viperから採用されているパラコードケーブル「Razer Speedflex Cable (1.8M)」が付属しています。

有線版DeathAdder V2と比べて質が落ちているというか、折れ目がくっきりとついており、芯が固くなっているような印象を受けます。それでも従来の編組ケーブルと比較すれば取り回しやすくはありますが、そこまで快適ではありません。

やはりRazer製の無線ゲーミングマウスは、別売のRazer Mouse Dock Chromaと組み合わせることで真価を発揮するように思う(対応機種が限られています)ので、予算に余裕のある方・快適性を求める方はそちらもチェックしてみては。

ビルドクオリティ

たびたび内部構造やシェルの造りに難点が見つかる新興メーカー製のゲーミングマウスとは違い、Razer製マウスは一貫してビルドクオリティに難が見られないという印象。このDeathAdder V2 Proも堅固に作られており、ハードな使用を想定していても心配は要らないかと思います。

ソフトウェア

DeathAdder V2 Proは、Razer製デバイスの統合ソフトウェア「Razer Synapse」に対応しています。以下のURLよりダウンロード可能です。

Razer Synapse:https://www2.razer.com/jp-jp/synapse-2

設定項目は、各キーへのボタン・マクロ割り当て、100~20,000のDPI調整(50刻み)、ポーリングレート切り替え(125/500/1000)、LEDライティング設定、リフトオフディスタンス調整、キャリブレーション。

キャリブレーションは「較正」タブから行えます。既存のRazer製ゲーミングマウスパッドから選択するか、それ以外を使用している場合は「カスタム」を選択して手動で最適化する方法があります。

キャリブレーションを終えると、リフトオフディスタンスが段階式で設定できます。これは通常のリフトオフディスタンスに加え、マウスを斜めに向けたときにセンサーの反応が途絶える距離「ランディングディスタンス」も調整できるため、プレイスタイルに合わせて細かな設定が行えます。

結論とターゲット

「Razer DeathAdder V2 Pro」について詳しく見てきました。最近のRazerは凄まじい頻度で製品を発表していますが、毎回しっかりと改善点が見られるのは好印象。今回で言えば、グリップ面がサイド全体に変更、メインボタンとホイールの操作感向上でしょうか。

個人的に気になるのは、サイドボタンが若干固くなったことで押しづらさを感じるところですが、それを除けばこれといった難点は見つからないものになっているのではないかと思います。

細かい部分にも触れるとなると、有線版と比べて僅かにセンサーの位置が上に寄っていることも”旧型から新型に乗り換えたデスアダーユーザーにとっては使用感が変わってしまう可能性がある”という観点では気になります。体感できるかできないか分からないレベルの細かな話ではあります。

結論として、無線マウスの課題の一つである本体重量の増加も 有線版と比べて+6g(88g) に抑えられていますし、IE3.0クローンを好んで使用している方にとってはかなり好条件な無線ゲーミングマウスになっていると思います。言わずもがなデスアダーユーザーは要チェック。

Razer DeathAdder V2 Pro
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ちなみに、HyperSpeed(2.4Ghz)ワイヤレスのほかにBluetooth接続にも対応していて、底面のスイッチで接続が切り替えられるので、仕事環境などで「1つのデスクで複数のPCを操作する」って場合にも便利です。テレワーク勢へ。

以上、Razer(レイザー)のゲーミングマウス「Razer DeathAdder V2 Pro」のレビューでした。

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