Meletrix Boog75 レビュー

このページのリンクはアフィリエイト広告を含みます
Meletrix Boog75 レビュー

Meletrixのキーボード Meletrix Boog75 をレビューします。

レビュー用サンプル提供:遊舎工房

Wuque StudioBoog75
販売価格:36,300円
* ¥36,300は~2024/1/24までのプレオーダー特別価格で、1/25からは通常価格¥39,600に。
* 2024/1/24までの注文で木製ハンドレストをプレゼント

この製品について

Meletrix Boog75は、Wuque Studioの人気キーボード Zoom75 の磁気スイッチバージョンです。

Boog75は組み立て済みで、USBケーブルを差し込めばすぐに使える状態です。すでにZoom75を所持している人向けに Boog75 HE Module も販売されています。

大きめの化粧箱に入っています。

キーボード本体やアクセサリー類はすべて専用のケースに入っています。

キーボード本体のほかに、黒いコイルケーブルと、本体を分解するための六角レンチが同梱されていました。

レイアウト

テンキーレスの矢印キーを左側に詰めてコンパクトにした 75%レイアウトを採用しています。ゲーミングキーボードに多い65%と本体幅が同じで、60%とはキー1つ分しか変わりません。キーボード右側のマウスを操作するスペースを広く確保できるのは強みです。

60%や65%とは異なるのが、EscやF1~F12キーも備わっているという点。そのため、タイピング中心の作業もスムーズに進められ、ゲームと作業の両方で快適に使えます。

筆者は普段から60%か65%のキーボードを使用することが多く、おそらくその2つのレイアウトに最も慣れていますが、今のところBoog75のレイアウトに不満はありません。

ケース

Boog75は可愛いデザインとは裏腹にかなりの重厚感があります。総重量はなんと約3kg。

こういったハイエンドキーボードはタイピングの心地よさを追求するためにケースや内部構造にこだわっており、その結果とても重たくなることが多いです。

Boog75は Shockwave (黒) と Induction Coil (白) の2色展開です。

Induction Coilはその名の通りコイルをモチーフにしたデザインとなっていて、キーボード側面などの至る所に銅線のようなラインが彫られています。

普段は見えない裏側まで凝ったデザインとなっています。

色は10円玉を少し薄くしたような感じですが、光の当たり方によって色味が結構変わってきます。

背面は外側に広がっていくように角度がつけられていて、横からのシルエットが美しく見えます。

四隅は丸められており、手前側にはさりげなくレイヤーがあるなど、細かな造形を感じさせられます。

タイピング角度は5°です。手持ちのゲーミングキーボードと比べて、ケース自体の背が高く、キーボード本体が分厚いように感じます。気になる人はリストレストで手首の高さを調整しても良さそうです。

ケーブルは背面の真ん中に差し込みます。黒いコイルケーブルが付属しています。

キーキャップ

WS PBTキーキャップが付属します。材質はPBT、厚さは1.6mmを謳っています。

Cherry Profileは一般的なプロファイルなので、他のキーボードから乗り換えたときにそれぞれのキーの高さの違いによる違和感が生じづらいです。OEM Profileと似ています。

表面の質感はさらっと乾いたような感じで、指先にまとわりつかないので快適です。長時間連続で使用してもべたつきません。他のキーに指を運びたいときに指先がすんなり離れてくれるので、タイピングやゲームでの細かなキー操作が行いやすいです。

この手のカスタムキーボードはゲーミングキーボードよりも標準キーキャップに求められる品質の基準が高いようなイメージを勝手に抱いていましたが、その印象通り、標準キーキャップといえども品質は素晴らしいです。

キースイッチ

キースイッチはGATERON KS-37B 。GATERONの磁気スイッチの中でも後発のものです。

初期段階でGATERONがリリースしていた磁気スイッチは、キーのグラつきが大きいことをコミュニティから指摘されていました。

GATERONはそれを受けて、デュアルレール構造によってステムの揺れを抑えた磁気スイッチを何種かリリースしました。KS-37Bもその対策が講じられたスイッチの一種で、ステムがあまり揺れません。

個人的にはキーが揺れること自体が良いとか悪いとかはなく、その人の感じ方次第だと思っています。ただ、磁気キーボードは簡単にスイッチを取り外して交換できるのも利点の一つなので、こういった流れによって結果的にスイッチのバリエーションが増えていくのは嬉しく感じます。

GATERON KS-37B Lekker Linear60 Lekker Linear45 RAESHA White
Start 30±10gf 40cN 30cN 30±10gf
End 50±10gf 60cN 45cN 60±10gf

* 1 cN = 1.0197 gf

Gateron KS-37Bは軽い押し心地を好む人向けのリニアスイッチだと感じました。

Wooting 60HEに搭載されている Lekker Linear60 と比べると、終始キーの押し心地が軽いように感じられます。 ELECOM VK600AやDrunkDeer A75/G65/G60に搭載されている RAESHA White と比べると、押し始めはほぼ同じですが終わりが若干重たく、キーを押し込むにつれて徐々に差が出るような形となっています。

とても細かい話、デュアルレール構造のキースイッチは初期のGATERONスイッチと比べるとキーの上り下りが若干ゆっくりなように感じます。

おそらくファクトリールブやレールが2つになったことが影響していると思います。

ほとんどの人にとっては「言われてみればそうかも?」程度で済ませられるようなわずかな違いかもしれませんが、感覚が敏感な人はすぐに気付けると思います。この感触の違いもあって、個人的にGATERONの磁気スイッチはデュアルレール構造のラインナップのほうが好みです。

打鍵感

Rapid Trigger対応の磁気キーボードは10種類くらい持っていますが、Boog75はキータッチの柔らかさや吸音性といった面でそれらとは一線を画しています。

とにかく心地いいです。筐体がしっかりとしているうえ、中身もぎっしりと詰まっているため、キーを押し比べるとすぐに気付けるほどの大きな違いが生まれています。

キーを強く叩いてもその衝撃が全くと言っていいほど机に届かず、ほぼすべて吸収されてしまいます。タイピングしているときに指に返ってくる感触がとても柔らかくて心地いいです。

所持している磁気キーボードの中でもATK68やPolar 65はそれなりに打鍵感が良いなと感じていたのですが、キーを強く叩くとその衝撃が机に響いて、指に返ってくる感触も少し硬いように感じます。

こうやって他の製品と使い比べたときに明確な差を感じられたり気付きを得られるのは、Boog75のようなハイエンドキーボードの良さでもあり魅力とも言えます。

マウント方式はガスケットマウントですが、沈み込みはごくわずかです。前に他社製のガスケットマウントのキーボードを触ったときに驚くほど深く沈み込んだので、ガスケットマウントなら全てそうなると勝手に思い込んでいたのですが、どうやらそんなこともなかったらしい。学びました。

各種設定

ブラウザ上で動作するWebベースのソフトウェアに対応しています。

https://boog75.meletrix.com

Boog75をPCに接続した状態で、左上にある青いボタン CONNECT を押すと接続できます。

また、+ ADD PROFILEからは新規プロファイルの作成が可能です。作業やゲームなど用途を分けてプロファイルを作成しておけば、切り替えるだけ設定を一括で変更できます。

「キーマップの変更(Key Button)」「RGB LEDの設定(RGB)」「ラピッドトリガーの設定(Rapid Trigger)」「マクロ機能(Macro)」の4つの設定が行なえます。

「2024年1月に実施されるアップデートで Fnレイヤー機能、DKS (Dynamic Key Stroke)、MT (Multi Function Key Press)、TGL (Switch Triggering)が実装されるよ」という案内もあります。

キーリマップ

ドラッグ&ドロップのみの簡単操作でキー割り当てを変更できます。

マクロ機能と組み合わせることで、左側にFnキーを持ってきたり、右上にあるF13やHomeに好みのショートカットキーを割り当てたり、自由自在です。

ライティング

RGBライティングのエフェクトは16種類も用意されています。スピードは0~3の4段階、明るさは0~9の10段階で調整可能です。

キーボード本体には北向きのRGBライティングが搭載されています。キーキャップの手前側がほんのり照らされる形になって見栄えが良いです。

南向きのライティングだと光が直接目に入ることがあるんですが、北向きならどの角度でキーボードと向き合っても光が直接目に入らないのは良いところだと感じました。

Rapid Trigger

Rapid Triggerの設定画面では Sensitivity (感度) を1~20の20段階で調整できます。

右側にある下向きの矢印をクリックすると、より詳細な設定が行えるようになります。

  • Make Stroke:キーを何ミリ押したら入力をオンにするか。いわゆるダウンストローク。
  • Break Stroke:キーを何ミリ離したら入力をオフにするか。いわゆるアップストローク。

Make StrokeとBreak Strokeはどちらも0.1~4.0mmの範囲を0.1mm単位で調整できます。

多くのRapid Trigger対応キーボードは、アクチュエーションポイントの数値を設定でき、それとは別でRapid Triggerのアップストローク・ダウンストロークの数値も調整できます。

Boog75の場合、Make Stroke (=Rapid Triggerのダウンストローク) の数値がアクチュエーションポイントの数値も兼ねています。

既存のRapid Trigger対応キーボードの中だと、ELECOM VK600Aがこれと同じ仕様です。「Rapid Triggerの数値は最短にしたいけどアクチュエーションポイントは深めに設定しておきたい!」という人には向いていません。

動作検証

入力オン

Make Stroke 0.1mm

使われている用語が異なりますが、アクチュエーションポイント0.1mmに設定しているのと同じ状態です。キーに触れただけで反応し、入力がオンになります。

Make Stroke 4.0mm

これはアクチュエーションポイント4.0mmに設定しているのと同じ状態です。最も深く押し込んでようやくキーが反応し、入力がオンになります。

どちらも設定した数値通りに動作しているように思います。

入力オフ

Make Stroke 0.1mm / Break Stroke 0.1mm

使われている用語が異なりますが、Rapid Triggerを0.1mmに設定しているのと同じ状態です。キーを少しでも離すと入力がオフになり、再び少しでも押すと入力がオンになっているように見えます。

ゲームプレイでの動作検証

実際にRapid Trigger(Make StrokeとBreak Strokeの両方)を0.1mmに設定してVALORANTで動作を検証してみたところ、Rapid Triggerの反応性や精度は優れていることが分かりました。デッドゾーンはわずかです。キーを底打ちした状態から少し離すと入力がオフになります。

また、キーをゆっくり離しても素早く離してもほぼ同じタイミングで確実に入力がオフになります。キーを離すときの速度の違いによって入力が途切れるまでの距離に差が出ないように感じます。

直近ではZENAIM KEYBOARD、VXE ATK68、Wooting 60HEを使用してVALORANTをプレイすることが多かったですが、乗り換えたあともこれといって違いを体感することなくプレイできています。

筆者の経験上、磁気キーボードは一時的な動作不良を起こしやすいです。そのほとんどが軽いものですが、中にはゲームの重要な場面で起こると負けに繋がりかねないものもあります。

Boog75は長時間使っていて一切おかしな挙動をすることもなく、動作の安定性に優れているように思います。

自動キャリブレーション機能

どうやらBoog75にはベースライン補正による自動キャリブレーション機能が搭載されており、温度、湿度、磁気の違いなどによる異常動作が防止されているそうです。

国産の磁気キーボード ZENAIM KEYBOARD にも動作の安定性を確保するために温度補正機能が実装されていますが、そういった補助的な機能がついていると安心感があります。

結論とターゲット

Meletrix Boog75について詳しく見てきました。ずっしりとした筐体とこだわり抜かれた設計により、とても良い打鍵感が楽しめるハイエンドキーボードです。とにかくキータッチが柔らかくて、心地よい感触が指に返ってきます。

ゲームでの性能も申し分ないです。Rapid Triggerは反応性や精度に優れており、デッドゾーンもわずかで、トップティアに近い性能を有しています。自動キャリブレーションのおかげかは分かりませんが、長時間使用していても動作不良を引き起こすことがありません。

ただし、Make Stroke (=Rapid Triggerのダウンストローク) の数値がアクチュエーションポイントの数値も兼ねるという仕様なので、アクチュエーションポイントを深めに調整しつつRapid Triggerは最短に設定したいと考えている人には向かないということには注意が必要です。

ゲームでの高い性能もさることながら、ゲーミングを前面に打ち出している磁気キーボードとは一線を画したタイピングの心地よさは大きな魅力です。Rapid Trigger対応キーボードを選ぶうえで特に打鍵感にこだわりたいという方にとって非常に良い選択肢となります。

基本的にゲームでの性能を第一に考えてキーボードを選んでいたのですが、最近はすっかりBoog75が気に入って、ゲームだけでなくこのレビューのような文章入力もとても捗っています。

Wuque StudioBoog75
販売価格:36,300円
* ¥36,300は~2024/1/24までのプレオーダー特別価格で、1/25からは通常価格¥39,600に。
* 2024/1/24までの注文で木製ハンドレストをプレゼント

以上、Meletrixのキーボード Meletrix Boog75 のレビューでした。

ゲーミングキーボードの人気記事

最新記事一覧

More

この記事を書いた人

ミオニ
eスポーツ向け ゲーミング周辺機器のレビュアー
Follow :
コメントを購読する
通知
guest

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

7 件のコメント
古い順
新しい順 評価順
Inline Feedbacks
View all comments
ぶどう

質問です。
トップティアに近い性能ということかトップティアではないという認識でよろしいのでしょうか?

yakan

見た目の時点でかなり気になっていたのですが、この記事を読んで購入を決断しました。本体の仕様だけでなく、アプリケーションや実際の動作状況についても書かれていて非常に参考になりました。
ミオニさん、いつも良質な記事をありがとうございます!届くのが楽しみです!

ぶしかめん

いつも拝見しております。
もしご存じであれば伺いたいのですが、RTとAPは別々に設定きでるファームウェアアップデートなどって今後展開の可能性はあるのでしょうか?

ぶしさん

先日はご回答いただきありがとうございます。
当方もAP/RTの、個別設定ができないことに不満があり遊舎工房さんにご相談した結果メーカーから2週間ほどで改善されるとのことでした。

https://x.com/yushakobo_shop/status/1760888874258374821?s=46&t=GCfvU0o23HwzzgGYpXYXaQ