DyAc(Dynamic Accuracy)とは
本稿では、一部のBenQ ZOWIEゲーミングモニターに搭載された独自機能であるDyAc(Dynamic Accuracy)について解説しています。
DyAcとは
DyAc(Dynamic Accuracy)とは、BenQ ZOWIEのゲーミングモニターの一部に備わった独自機能です。かいつまんで言えば”残像を低減する技術”で、ゲーム中の画面の激しい動きにも「Clarity(明瞭さ)」が生まれ、ターゲットを正確に見分けることが容易になります。
特にFPSやMOBAなどの展開の早いゲームでは何が起こっているのかを正確に判断することが重要ですので、DyAcを搭載したゲーミングモニターを使用することでパフォーマンスが向上する可能性があります。
仕組みについて簡単に説明すると、”ディスプレイの映像が切り替わるたびに真っ黒のフレームを挟み込む”ことによってブレや残像感を低減しています。仮にリフレッシュレートが144Hzであれば1秒間に144枚の静止画を描写しますが、DyAcが有効の場合は真っ黒のフレームが間に挟まることで、リフレッシュレートの数値を超えて明瞭に映し出されるという訳です。
G-SyncやFree Syncとの関係性
DyAcとG-Sync / Free Syncは画面描写のブレや残像を低減する機能で、もたらす効果は似ているものの、結論から言えば全く関連性がありません。
先ほど解説したとおりDyAcは、映像が切り替わる間に黒のフレームを挟むことで残像感を抑えるもので、ディスプレイ側の技術によるもの。一方でG-SyncやFree Syncは、グラフィックスカード側で動作フレームレートを制御して画面のティアリングを抑える機能です。
DyAcを搭載したゲーミングモニター
DyAcを搭載しているゲーミングモニターは、「BenQ ZOWIE XL2536」「BenQ ZOWIE XL2546」の2製品です(国内で取り扱われている製品のみ)。両製品ともに、人気バトルロイヤル『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』公式大会の公式ディスプレイとして採用されている、コアゲーマーなら必ずチェックしておきたいゲーミングモニターです。
リフレッシュレート144/240Hzの2モデル展開、応答速度は1msと最高水準のスペック。本稿で解説しているDyAc技術の他にも、コアゲーマーにとって嬉しい機能が詰め込まれています。当メディアにて両製品のレビューを行っているので、詳しく知りたい方は以下の2記事をチェックしてみてはいかがでしょうか。
DyAcが役立つ場面
FPSでは銃を射撃する際にエフェクトとともにクロスヘアが反動によって跳ね上がります。画面にブレが生じた状態ではクロスヘアを正確に目で追うことは難しく、リコイルコントロール(マウス操作によって反動を抑えること)も困難です。DyAcが有効化されていれば、残像やブレが低減されて滑らかな映像となるので、激しいエフェクトの中でもクロスヘアを目で追って反動を抑えることが容易になります。
BenQがYouTubeにアップロードした動画を確認すると、DyAcの効果は一目で分かるかと思います。実際にゲーム画面は流れるように動くので、残像やブレを肉眼でハッキリと捉えることはできません。しかしFPSやMOBAは一瞬の判断を求められることから、頭で考えることなく瞬発的に操作を行うシーンも多いはず。DyAcが有効であればモニターが映像を明瞭に映し出してくれるので、ゲーム内の瞬間的な判断に影響してパフォーマンスが向上する可能性があると言えるでしょう。