こんにちは、ミオニです。
今回はULTRA PLUSのゲーミングキーボード「UP-MKGA75MTL-RT」をレビューします。
ULTRA PLUS UP-MKGA75MTL-RT レビュー
レビュー用サンプル提供: 株式会社プリンストン
性能だけでなく質感や打鍵感もこだわり抜かれた日本語配列ラピトリです
基本仕様
配列 | JIS |
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サイズ | 75% |
寸法 | 330 x 146 x 46mm |
手前の高さ | |
重量 | 1.8kg |
タイピング角度 | |
ケーブル差し込み口 | 左 |
端子の種類 | USB Type-C |
ケース | アルミニウム |
プレート | |
マウント方式 | トップマウント |
キーキャップ |
技術仕様
ソフトウェア | Webドライバー |
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ポーリングレート | 8000 |
スキャンレート | |
遅延 | 0.146ms |
スイッチ | PBT (Cherry Profile) |
検知方式 | 磁気 |
アクチュエーションポイント | 0.1mm |
Rapid Trigger | 対応 |
RT中間精度 | 0.02mm |
RT底部精度 | 0.02mm |
SOCD | ☑️ |
デザイン
ライティング | |
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ライティングの向き | |
Fnキー再配置 | 不可 |
プロファイル切り替え |
販売サイト
購入先 | 29990 |
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クーポン | - |
基本仕様

キー配列とレイアウト: 日本語配列の75%レイアウトです。矢印キーの周囲に余白があり、押し間違えにくいのが嬉しいポイント。



CNC削り出しの6063フルアルミニウムケースが採用されています。ブラックとホワイトの2色展開。右上のつまみの横にあるライトバー、両サイドの切り返しデザイン、トップフレーム手前の切り欠きなど、細部まで洗練されています。

キーキャップ Esc, Spaceの2箇所に差し色が入っていますが、付属の交換用キーキャップによって単色に揃えることができ、よりシンプルな外観でも楽しめます。
上品なカスタムキーボードの質感と、ゲーミングキーボードらしい要素がうまく融合しており、個人的に見た目はすごく良いと感じています。
キースイッチ

標準搭載のキースイッチは「VARO Very Peri Magnetic Switch」。主なスペックは以下の通り。
- 特性: リニア
- トップハウジング: PC
- ボトムハウジング: ナイロン
- ステム: POM
- スプリング: シングルスプリング29nn
- 精度: 0.02mm
- ストローク: 3.4mm
- 作動荷重: 42±5gf
- ファクトリールブ済み
実はこのスイッチ、筆者のフィードバックを聞き入れてもらいながら製造したもの。主流の磁気スイッチと比べて低音寄りで、深めの音に調整しています(いわゆるThocky)。
さらに底打ち音と跳ね返り音をほぼ同質に揃えており、タイピング音が粒揃いで綺麗に聞こえるよう調整しました。
ファクトリールブ厚めで、押した時の感触がしっとりとしています。これらの特徴から「低音コトコト系が好み」という方にはピッタリ合うかと思います。
軸ブレは極小とまではいきませんが、小さめに抑えてあります。無駄なキーの揺れをなくしつつ、指にも馴染みやすい、良いバランスを目指しました。精度は公称値0.02mm。
Gateron JadeやTTC KOMなどと同じくKS-20と互換性があり、対応キーボード間でのスイッチ交換が可能です。
打鍵感
このキーボードは「VM75HE」で知られるVAROが製造したもので、トップケースに基板が固定されたトップマウント構造となっています。ガスケットマウントのVM75HEとは、また異なる構造、さらにスイッチも違うということもあり、音にはかなりの違いが出ているように思います。
キーを底打ちした際に、底にカツンと当たる感じがなく、ケース内で衝撃が和らぎます。指に伝わる感触も柔らかく、スイッチ特性と内部構造の両方がうまく作用しているように感じます。
打鍵感はしっとりとしていて、音はコトコトと低くて深め。いい意味で磁気キーボードらしくありません。少し篭り気味の”もこもこ”とした音は、好きな人は相当好きなんじゃないでしょうか。
スイッチのルブが厚いことによる弊害として、キーがぬるっと跳ね上がってくるような感じがして、人によってはキーの戻りが遅く感じるかもしれないという点が挙げられます。TTC KOMなどシャープな押し感のものと比べた時に、速度に差が出ることはありませんが、感触には確かな違いがあるので、気になる方は注意が必要です。
精度
標準搭載のスイッチで精度を検証してみたところ、公称値どおり0.02mmでの動作を確認しました。
- アクチュエーションポイント 0.1 ~ 3.4mm (0.02mm単位)
- ラピッドトリガー 0.02 ~ 1.96mm (0.02mm単位) ON/OFF個別調整可
安定性を重視しつつも、0.02mmといったピーキーながら高速で入力できる設定にも対応しています。
遅延
レイテンシーは実測値0.146msでした。最速クラスともいえる0.1ms台を記録しています。
これまでに検証したラピッドトリガーキーボードを遅延が少ない順に並べると、ジャスト0.1msのM6Lite+をはじめとする英語配列のモデルが上位のほとんどを占めていますが、このキーボードは数少ない日本語配列で上位にランクインしています。そのため、日本語配列+低レイテンシーを重視するなら、このキーボードは最有力候補と言えるでしょう。
ソフトウェア
ブラウザ上で設定が完結するWebドライバー対応。日本語を含む複数言語をサポートしています。
Web driver: https://varosoftware.com (VARO VM75HEと共通)
すっきりとしたUIで使いやすいです。ただし、人によっては不満につながるかもしれない点が2つあったので共有しておきます。
- プロファイルは5つ用意されていますが、切り替えにはWebドライバーへのアクセスが必須で、キーの同時押しなど本体から切り替えることはできません。本体のみで切り替えが行える機種は限られるのですが、できた方が便利ではあるなと思います。
- キーリマップは通常レイヤーとFnレイヤーの2層とも問題なく行えますが、Fnキーの再配置は不可能でした。普段からFnキーを自分好みの場所に置き換えている人は注意です。
さいごに
今回はULTRA PLUSのゲーミングキーボード「MKGA75MTL-RT」について詳しく解説しました。
性能はもちろんのこと、キーボードの本体の質感や内部構造はかなり本格的で、打鍵感や音のグレードも相当高いように感じます。ラピトリキーボードで”日本語配列”に選択肢を絞ると、この機種の総合力の高さが際立ちます。
もしあなたが日本語配列ユーザーで性能以外の部分も妥協したくないと考えているなら、このキーボードは有力候補になるでしょう。特に、ゲーミングデバイスメーカーのキーボードの外観よりもカスタムキーボード寄りなテイストを好む方には刺さるのかなと思います。
以上、ミオニでした。バイバイ。