「ASTRO A40 TR + MixAmp Pro TR (2019年版)」レビュー

「ASTRO A40 TR + MixAmp Pro TR (2019年版)」レビュー

本稿では、ASTRO Gaming(アストロ)のゲーミングヘッドセット「ASTRO A40 TR Gaming Headset」とUSBサウンドアンプ「ASTRO MixAmp Pro TR」のレビューをお届けします。

ASTRO A40 TR + MixAmp Pro TR (2019年版)
価格: 31,558円 (本稿執筆時点)

製品仕様と外観

「ASTRO A40 TR + MixAmp Pro TR」は、PC、PlayStation 4の両プラットフォームに対応するゲーミングヘッドセット+USBサウンドアンプのセット商品。本稿でレビューするのは、デザインや仕様がリニューアルされ、”2019年版”として発売されているものです。

まずはA40 TRヘッドセット本体から。ヘッドセット本体から操作は行えず、接続ケーブルにマイクのON/OFFスイッチが備わっているのみ。

旧型と同様、カバーやイヤークッションがマグネット式で取り外し可能となっています。また、マイク接続端子は両側に備わっている(カバーを外すと現れる)ため、好みに合わせて付け替えられます。

標準では開放型+布製イヤークッション、別売のMod Kitと交換すると密閉型+PUレザー製イヤークッションとなるので、音質傾向にも変化が現れます。音圧や低音の抜けが気になる方はチェックしてみましょう。

イヤークッションと同様、ヘッドレストも布製。それなりに柔らかいです。

スペックについても言及しておくと、開放型、ダイナミック40mm径ドライバー、周波数特性20~20,000Hz、インピーダンス48Ω、単一指向性の6.0mmブームマイクなど、旧型と変更は無いかと思われます。

次にMixAmp Pro TRですが、変更点の一つとして、横長のデザインに刷新されていることが挙げられます。モニター下などデスクの空きスペースに自然と配置しやすくなったのではないでしょうか。改めて縦に長かった旧型を見ると、余分に場所を取ってしまう印象を受けます。

もう一つ、本体の表面コーティングが改善されています。旧型は艶があって指紋が目立ちましたが、新型はマットで質感が良くなっています。

操作時にどうしても手に触れる機材なので、綺麗な状態に保ちたいという方にとって嬉しい変更点と言えるでしょう。

正面に備わったコントローラーから各種操作を行えます。それぞれの役割は以下の通り。

  1. 大きいダイヤル:ボリューム調整
  2. 小さなダイヤル:ゲームとボイスチャットの音声バランス調整
  3. 上のボタン:サラウンド・2.1chステレオの切り替え
  4. 下のボタン:イコライザーの切り替え

前面には接続モード(PC/PS4)を表すインジケーター、ヘッドセット接続端子が、背面にはそれ以外のインターフェイスがまとまっています。それぞれの役割は以下の通り。

  1. デイジーチェーン端子
  2. 光デジタル端子
  3. USB
  4. 接続モード切り替え(PC/PS4)
  5. AUX端子
  6. ストリームポート
  7. デイジーチェーン端子

細かな所で言えば、旧型では前面に備わっていた端子が背面に移動しています。前面はヘッドセットの接続ケーブルしか繋がっていない状態になるため、PCかPS4に繋ぎっぱなしで使用する筆者にとってはスッキリとして好印象を受けます。

スペック&ギャラリー

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パフォーマンス

音質傾向

A40 TRはフラット寄りな傾向にあります。どんな音源を鳴らしても不思議と聞こえが良いですが、リスニングでよくよく確かめると全音域の量感が足りない感じは否めません。良くも悪くも綺麗にまとまったサウンドになる印象。

上位品のA50 Wirelessも同様にフラットな傾向ですが、中音が若干痩せていて全体的に薄っぺらく聞こえます。A40 TRは中音も埋もれずに出ています。改めてですが、やはり有線と無線では鳴りに明確な差が出ますね。

標準状態ではFPSで重要な音が鳴る音域がさほど強調されていないゆえに、PCやPS4に直接繋いで使用する場合には真価を発揮できません。MixAmp Pro TRと組み合わせてイコライザーを調整して使用することを想定したチューニングであると言えます(ゲームプレイにおいては)。

フラット傾向な鳴りをベースとしているので、ゲームに合わせて欲しい音を強めに持ってくるのが基本的な使い方。設定によっては標準時とは全く異なるサウンドまで鳴らせるので、あらゆるゲームに適応できます。

それぞれのゲームタイトルに適したイコライザー設定例はWebページやYouTubeに数多く公開されており、「ASTRO A40 settings PUBG」などで検索すると容易に見つけられます。

ちなみに、実際に『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』で試したところ、初めから用意されているプリセット「ASTRO」でも十分に聞き分けられます。効果音が鳴っている帯域はゲームごとに異なるため、研究して強弱を行えば特化したチューニングも可能です。

Dolbyバーチャルサラウンドを有効化すると音場はグッと広がるものの、音像の位置がぼやけ、定位が掴みづらくなります。この設定で使い続ければ慣れるのでしょうが、原音を聞き取ることに慣れた筆者は違和感を覚えました。ゲームプレイ時、定位感に優れるのはステレオモードと評しておきます。

また、MixAmp Pro TRに他のヘッドセットやイヤホンを通しても余計な補正が掛からない印象を受けました。特性がピーキーな中華イヤホンを中心に複数の機器で試しましたが、筆者が抱いていた印象通りの鳴りを再現できました。

個人的にMixAmp Pro TRの評価は高いです。ゲームに特化した音作りに欠かせないイコライザー調整機能を付与でき、ヘッドフォンやイヤホンの特性を殺さずにあらゆる組み合わせでの使用が可能なので、ゲーミングオーディオ環境を手軽に構築するデバイスとして一考の価値有り。

ソフトウェア

イコライザー設定

イコライザー設定画面では、変更を加える周波数を決め、バーを上下して強弱していきます。また「詳細設定」では強弱を行う中心周波数にも変更が加えられます(よく分からない方は推奨しません)。どの帯域を強弱することで音にどのような変化が生じるのかは、ここでは割愛します。

デフォルト状態では4種類のプリセットが用意されています。設定自体はいくつも作成可能ですが、本体に保存してワンボタンで切り替えられるのは4種類まで。

ゲームや音楽鑑賞などの用途に合わせた設定を本体側に保存しておけば、ソフトウェアを起動せずに使い分けられます。

ゲームタイトルごとに適した設定がWebページやYouTubeで多く公開されています。初めから用意されている設定では「ASTRO」はFPSゲームに適したものですが、気に入らなければそちらを参考に。

マイク設定

マイク設定画面では、ノイズゲート(周囲のノイズを軽減)、マイクレベル(マイクの音量)、サイドトーン(自身の声を跳ね返す機能)の3項目が用意されています。

注意点として、ノイズゲートは「ホーム」や「トーナメント」だと声が入りづらかったり喋っている最中に途切れやすいです。最もノイズゲートの掛かりが弱い「ストリーミング」か次点で弱めな「夜」に設定することをお勧めします。

ストリームポートからは、端子ごとの音量バランスを調整できます。PlayStation 4でゲームプレイしつつ、PC側でDiscordなどのボイスチャッツールへの接続を考えている方や、MixAmp Pro TRに複数端末を接続する方は活用してみてください。

ソフトウェアは何度かマイナーアップデートが繰り返されているものの、旧型からほとんど据え置きと言っていいでしょう。

装着感

A40 TRは旧型と比べ、各部の色や素材など一部変更されているものの、全体的な形状には手が加えられていません。本体重量も360gと変更無し。有線ゲーミングヘッドセットとしてはそれなりに重たい部類です。

頭頂部へのストレスは無いのですが、長時間装着していると両耳の裏あたりに違和感が生じます。写真を見れば分かる通り、両イヤークッション下部だけが厚みを増しているので、耳周りへの収まりが良い角度を探る必要があります。

また、各クッション部は柔らかいメッシュ素材で、厚さも適切に確保されているのですが、側圧が強いのも違和感が生じる原因の一つ。頭の形や大きさによっては、少し締め付けを感じるなどの相性問題に悩まされる可能性アリ。

新旧モデルの比較

A40 TRヘッドセットについては、新旧での変化は無いと言っていいでしょう。音質傾向、解像度、マイク音質、装着感、どれも旧モデルから据え置きという印象で、既に旧型を所持している方は買い替える必要はなさそうです。

一方で、MixAmp Pro TRサウンドアンプはマイク音質の大きな改善が見られました。以前レビューでもお伝えした通り、旧型では全体的な音の輪郭を捉えづらい”ぼやけた音声”になっていました。それと比較すると新型はクリアであると言えます。

音質面については変化を感じられませんでした(普段ゲームをプレイする環境に加え、偏ったイコライザー設定なども織り交ぜて聴き比べました)。メーカーによると、遅延の改善などを中心に調整を加えたとのことですね。

結論とターゲット

「ASTRO A40 TR + MixAmp Pro TR」について詳しく見てきました。”ゲーミングオーディオ環境を手軽に構築できる”ことで人気を博している本製品ですが、使用者が多いことで、他のユーザーが研究して公開したイコライザー設定を探してきて使用できるのも強みと言えるでしょう。

オーディオ環境を極めたいならば、フラットかつ正確に音を鳴らせるオーディオインターフェイス、イコライザーを弄れるソフトウェアを併用するのがベスト。ただしそうなると知識が必要だったり労力も掛かります。MixAmp Pro TRならば多少は音にこだわりたい方でも、大勢のユーザーの知恵を借りつつ設定できるので楽です。

懸念されるのは、A40 TRが有線ゲーミングヘッドセットとしては重たい点と、頭の大きさや形によって相性問題が顕著にあらわれる点。やや強めの側圧はティッシュ箱で広げるなどして解決できます。また、MixAmp Pro TRを最大限に活用するためにはソフトウェアから設定を行う必要があるため、PlayStation 4ユーザーの方は”設定のためにPCと接続できる環境があるか”を一度確認すべき。

新旧の比較で言えば、目立った改善点はMixAmp Pro TRのデザイン(縦長→横長)とマイク音質のみ。既に旧型を所持していて新型への買い替えを検討していた方は、この2点にフォーカスして再考してみてください。

ちなみにそれぞれ個別でも販売されており、MixAmp Pro TRはある程度組み合わせの幅が効きます。A40 TRは単体買いだとゲームで活かすための設定が難しい印象を受けます。参考程度に。

ASTRO A40 TR + MixAmp Pro TR (2019年版)
価格: 31,558円 (本稿執筆時点)

以上、ASTRO Gaming(アストロ)のゲーミングヘッドセット「ASTRO A40 TR Gaming Headset」とUSBサウンドアンプ「ASTRO MixAmp Pro TR」のレビューでした。