NVIDIAが「GeForce RTX 2080 Ti」を含む最新グラフィックボード3種を正式発表。オーバークロック時には”TITAN V”とほぼ同性能で価格は約3分の1へ

現地時間8月20日、ドイツにて開催されたNVIDIA主催のイベント「GeForce Gaming Celebration」にて、最新グラフィックボード「GeForce RTX 2000 シリーズ」が発表されました。
今回発表されたのは「GeForce RTX 2080 Ti」「GeForce RTX 2080」「GeForce RTX 2070」の3種ですが、NVIDIAの革新的なTuringアーキテクチャとRTXプラットフォームによって大幅に性能が向上しており、WQHDや4Kといった高解像度でのゲームプレイ向けに設計されているとのこと。
発表内ではベンチマークなどは公開されておらず、具体的な性能差は明らかになっていませんが、当記事にて「GeForce RTX 2000 シリーズ」のスペックや価格を分かる範囲でまとめています。
NVIDIA最新グラフィックボード「GeForce RTX 2000 シリーズ」
NVIDIAの最新グラフィックボードの名称は「GTX 1100 シリーズ」や「GTX 2000 シリーズ」ではなく、「RTX 2000 シリーズ」。
まずは「GeForce RTX 2080 Ti」「GeForce RTX 2080」「GeForce RTX 2070」の3種がお披露目となりました。既にNVIDIA公式サイトより予約開始されており、出荷は9月20日より順次行うとのことです。
リアルタイムタイムレイトレーシングに対応
レイトレーシングとは、映画でよくみられる炎や煙、爆発などの特殊効果を3DのCGによってリアルに表現する技術のことです。GeForce RTX シリーズは、そんなレイトレーシングをリアルタイムに演算する”リアルタイムタイムレイトレーシング”技術に対応しています。
もちろん、リアルタイムレイトレーシングに対応したGPUは「GeForce RTX シリーズ」が初めて。これまでとは一線を画したリアルな描写がPCゲームの画面内で実現することになります。
「GeForce RTX 2080 Ti」スペック
「GTX 1080 Ti」に搭載されているGP102はCUDAコアが3,584個でしたが、「GeForce RTX 2080 Ti」には4352個のCUDAコアで構成されたTU102 GPUコアが採用されています。さらにトランジスタ数では、現行のPascalが120億個に対してRTXシリーズのTuringは186億個も搭載されており、大幅な処理性能の向上が期待できます。
- GPUアーキテクチャ
- ブーストクロック
- フレームバッファ
- メモリ速度
- Turing
- 1635 MHz (OC)
- 11GB GDDR6
- 14 Gbps
- Turing
- 1545 MHz
- 11GB GDDR6
- 14 Gbps
- Pascal
- 1582 MHz
- 11 GB GDDR5X
- 11 Gbps
通常の「RTX 2080 Ti」ではクロック周波数1350MHzで、オーバークロック時1545MHz。GDDR6さらに初期生産版の「RTX 2080 Ti ファウンダーズエディション」では、オーバークロック時に1635MHzまで引き上げることが可能です。ビデオメモリは世界最速のGDDR6が11GB搭載されており、14GB/秒という驚異的な速度を誇ります。
NVIDIAのCEO Jen-Hsun氏によって、オーバークロック時の「RTX 2080 Ti」はTITAN Vとほぼ同性能で、ほとんどの場合でGTX 1080 TiのSLI(2枚挿し)よりも高い性能を誇るということも明らかになっています。
そんな高い処理能力を誇る「RTX 2080 Ti」ですが、消費電力は従来のフラッグシップと変わらず250Wとのこと。パソコン全体で見ると700W前後の電源ユニットを搭載しておけば問題ないようです。
「GeForce RTX 2080 Ti」価格

「GeForce RTX 2080 Ti」の販売価格は、初期生産版のファウンダーズエディションが1,199ドル、通常版が999ドルとなっています。既にNVIDIA公式サイト (海外) より予約可能で、2018年9月20日頃から順次出荷する予定とのこと。日本で販売される際の価格は今のところ不明です。
カジュアルゲーマーからすると決して安い価格とは言えませんが、販売価格3,000ドルの「TITAN V」並みのゲーミング性能を誇るグラフィックボードを1,199ドルで手に入れられると考えれば、ハイエンド志向のユーザーには需要があると言えます。
「GeForce RTX 2070」は499ドルから
なお、今回発表されたTuringアーキテクチャ搭載の最新グラフィックボード”RTXシリーズ”の中でも、「GeForce RTX 2070」は499ドルと比較的お求めやすい価格で手に入れることが可能です。以下にて3製品の公式スペックを掲載しておくので、気になる方は比較してみてください。
Graphics Card Name | NVIDIA GeForce RTX 2070 | NVIDIA GeForce RTX 2080 | NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti |
---|---|---|---|
GPU Architecture | Turing GPU (TU104) | Turing GPU (TU104) | Turing GPU (TU102) |
Process | 12nm NFF | 12nm NFF | 12nm NFF |
Die Size | TBD | TBD | 754mm2 |
Transistors | TBD | TBD | 18.4 Billion |
CUDA Cores | 2304 Cores | 2944 Cores | 4352 Cores |
TMUs/ROPs | 144/64 | 184/64 | 272/88 |
GigaRays | 6 Giga Rays/s | 8 Giga Rays/s | 10 Giga Rays/s |
Cache | 4 MB L2 Cache? | 4 MB L2 Cache? | 6 MB L2 Cache |
Base Clock | 1410 MHz | 1515 MHz | 1350 MHz |
Boost Clock | 1620 MHz 1710 MHz OC |
1710 MHz 1800 MHz OC |
1545 MHz 1635 MHz OC |
Compute | TBD | TBD | TBD |
Memory | 8 GB GDDR6 | 8 GB GDDR6 | 11 GB GDDR6 |
Memory Speed | 14.00 Gbps | 14.00 Gbps | 14.00 Gbps |
Memory Interface | 256-bit | 256-bit | 352-bit |
Memory Bandwidth | 448 GB/s | 448 GB/s | 616 GB/s |
Power Connectors | 8 Pin | 8+8 Pin | 8+8 Pin |
TDP | 180W | 215W | 250W |
Price | $499 US | $699 US | $999 US |
Price (Founders Edition) | $599 US | $799 US | $1,199 US |
Launch | September 2018 | August 2018 | August 2018 |
なお、今回の発表で明らかになった「GeForce RTX 2000 シリーズ」でレイトレーシングを利用できるゲームは『Shadow of the Tomb Raider』『Metro Exodus』『Battlefield V』の未発売3タイトル。リリース済みのタイトルに関しては別途対応を進めるとのことです。
最新世代GPUの登場で、これまでフルHD解像度が一般的だったPCゲームのプレイ環境は大きく変化するかもしれません。