おすすめグラフィックボードをGPUベンチマークから徹底比較【2018年最新版】

「グラフィックボードをおすすめのものに新調したいんだけど、今買うならどれが良いの?」
「グラボの種類が多すぎてどれがいいか分からない!」
当記事ではそんな方に向けて、GPUの性能を比較したベンチマーク表から徹底比較し、用途別のおすすめグラフィックボードを紹介していきます。
各グラフィックボードごとに快適に動作するゲームの例なども挙げながら、失敗しないグラフィックボードの選び方の参考になるよう、分かりやすく解説します。
[toc heading_levels=”2,3,4,5″]グラフィックボード(GPU)とは
グラフィックボードとは、モニターに映像を鮮明に映し出すためのPCパーツです。
実はCPUやマザーボードにも映像を処理する能力はあるのですが、性能が乏しいのでPCゲームは動作させることができないんです。
パソコンにグラフィックボードを搭載することで、映像処理能力が高くなり、重たいと言われているようなPCゲームも快適に動かせるようになります。
もちろんドスパラなどのBTOメーカーが発売しているゲーミングPCと呼ばれる製品には、全てにグラフィックボードが搭載されています。
最近ではPCゲームは高画質なものがスタンダードとなりつつあり、それらを動作させるにはある程度性能の高いグラフィックボードが必須となっています。
ゲーマー界隈でよく聞く「低スペック」「高スペック」という言葉は、一般的に搭載しているGPUの性能を指すことが多いです。つまりゲームを快適に楽しむ環境を整えたい場合はグラフィックボードが最も重要な部品となります。
グラフィックボードについて3行でまとめると
- PCにグラフィックボードを搭載することで高い映像処理能力を実現できる
- 高画質なPCゲームでは性能の高いグラフィックボードが必須となる
- ゲームを動作させる場合、グラフィックボードはPCスペックに直結する最も重要な部品
快適にゲームをプレイするためには
ゲームを快適にプレイできるか判断するとき、フレームレート(=fps値,1秒間に映像を何回描写するかを表している)がいくつ出ているかを参考にします。
一般的なモニターは1秒間に60回の映像描写に対応しています。このことから平均fpsが60以上を超えていれば快適なゲームプレイが可能となります。
性能が低いグラフィックボードを搭載しているとスペック不足でフレームレートが著しく低下してしまい、性能が高いものではフレームレートを安定して出せます。
なお平均fps値が60を下回ると映像がコマ送りのように感じたりカクつきが気になってしまいがちです。逆に平均60fpsを超えていれば快適なゲームプレイが可能となります。
ですので平均60fps以上をひとつの基準として、必ずプレイしたいゲームを快適に行えるグラフィックボードを選ぶことが重要です。
また144hzや240hzに対応したゲーミングモニターなど、1秒間に144回や240回の映像描写に対応している製品も存在しています。より良いゲーム環境を求める場合、平均144fps以上出せるPCスペックを整えてゲーミングモニターを導入することをおすすめします。
主要グラフィックボードのベンチマーク
では早速、主要GPUのベンチマークを見ていきましょう。ベンチマークについて簡単に説明すると、グラフィックボードごとの性能を数字で表したものです。
以下は海外ゲームメディア「PC Gamer」によって行われたベンチマークで、4種類の解像度で15種類のゲームでのfps値を計測して平均数値を比較したグラフとなります。
2014~2017年にリリースされたGPU全てでテストされており、このベンチマークによって計測された15のゲームタイトルでほとんどのゲームの基盤をカバーできるとのことです。
グラフ内の数値は、解像度によって以下の4種類に分けられています。
- フルHD(1920×1080)中間画質
- フルHD(1920×1080)高画質(最高画質に近い)
- WQHD(2560×1440)高画質(最高画質に近い)
- 4K(3840×2160)最高画質または高画質(ゲームによって異なる)
現時点では大多数のユーザーがフルHD解像度のモニターを使用しているのですが、近い将来はゲームにおいてもWQHDや4K解像度が一般的になっていくので、今から準備しておくのも手です。
しかし、過去3年に発売された10種のグラフィックボードの中で最も性能の高いGTX 1080 Tiでも、4K画質で平均59.4fpsと伸び悩んでいます。つまり現状では、4K画質では快適にゲームをプレイできると言い難いのです。
ですので、数年後も問題無く使用できる高機能なグラフィックボードを求めている方はフルHDやWQHDの高画質(グラフ内では青/オレンジ)、数年以内にもう一度ゲーミングPCやグラフィックボードを買い替えることも視野に入れている方はフルHD中間画質(グラフ内の黄色)を参考にしてみてください。
おすすめグラフィックボード
さて、全体的なグラフィックボードの性能の優劣が分かったところで、おすすめグラフィックボードを考察していきましょう。
- 主要ゲームタイトルが最高設定で快適に動作する
- 主要ゲームタイトルが中~高設定で快適に動作する
- ほとんどのゲームタイトルが低設定で快適に動作する
- 最低限の価格でそれなりにゲームが動作する
この4つの環境に分けて解説していきます。
重たいゲームを最高設定で快適に動作させたい
とにかくハイスペックで快適なゲーミング環境を構築したいという方は、現行グラフィックボードで最も性能の高いグラフィックボード「GTX 1080 Ti」か「GTX 1080」を導入しましょう。
ただ、この2つのグラフィックボードには実は大きな性能差があります。
どちらも非常に高い性能を誇っているのは間違いないのですが、どの解像度でもゲームの平均fps値に15~20の違いが出ているのです。
つまり、リフレッシュレート144hz対応ゲーミングモニターを導入してFPSなどの対人ゲームで有利なゲーム環境を整えたい場合、GTX 1080でも平均144fpsを下回ってしまうゲームが存在します。
価格は「GTX 1080 Ti」が¥100,000前後、「GTX 1080」は¥70,000前後ですので、値段も考慮しての選択がベストだと言えます。
「GTX 1080 Ti」「GTX 1080」は高スペックを要求する重たいゲームを最高画質で快適に動作させたい場合や、数年間はPCやグラボを買い替えずに快適にゲームを動作させたい方向けのグラフィックボードとなります。
1つ言えることは、この2種類のグラフィックボードを導入することで「スペック不足でゲームが動作しない」という悩みからは解放されるということ。とにかく快適なゲーム環境を整えたい方には非常におすすめできるグラフィックボードです。
個人的には「GTX 1080」を買うならば、数万円を足して「GTX 1080 Ti」を買っておきます。
現行で最も性能の高いGTX 1080 Ti
次いで高性能なGTX 1080
重たいゲームを中間設定で快適に動作させたい
重たいゲームも快適に動作しつつ、上記1080や1080Tiに比べれば価格も抑えられる、現状で最もコスパの高いグラフィックボードと言えるのが「GTX 1070」です。
グラフでは6番目に位置する「GTX 1070」ですが、数年先のゲームでもフルHD解像度で問題なく動作させられる高い性能を誇るグラフィックボードとなります。
というのも上記で紹介した「GTX 1080 Ti」「GTX 1080」は、WQHDや4K解像度での映像処理を見据えたGPUなのです。フルHD解像度であれば「GTX 1070」がベストな選択と言えます。
「GTX 1070」は、フルHD中間画質で重たいゲームを130fps前後で動かすことが可能です。つまり高スペックを要求されるゲームでも設定を下げてしまえば144fpsも十分に狙える性能です。
さらに「GTX 1070」の価格は¥50,000前後と、高スペックを求めている人にとって最も費用対効果が優れているグラフィックボードと言えます。
ちなみにベンチマークにもある通り、「GTX 1070 Ti」というグラフィックボードも発売されています。こちらは1080と1070の中間性能を引き出すニッチな製品となっているのですが、値段が安定しておらず1080とほとんど変わらないので、まだ買うべきではないです。
フルHD画質でのゲームプレイに最適なGTX 1070
重たいゲームを最低設定で快適に動作させたい
もっとコストを抑えつつ、流行りのゲームを楽しみたいという方におすすめのグラフィックボードは「GTX 1060 6GB」「GTX 1060 3GB」です。
比較的軽めのゲームであれば最高設定で快適に遊べますし、高スペックを要求されるゲームも設定を落とせば大体のタイトルで平均60fps以上は出せてしまいます。
さて、この「GTX 1060」ですが、6GBと3GBでは全く別物のグラフィックボードと言えます。6GB版の最安値が¥30,000前後、3GB版は¥24,000前後となっており、その差は¥5,000~10,000ほどです。
ベンチマークからも分かる通り、ゲームでの平均fps値は6GB版が約8%ほど上回っています。しかし、それだけではありません。
この6GBや3GBという数値はVRAMの容量を表しています。VRAMとはグラフィックのテクスチャ処理時に消費するメモリ量なのですが、それなりのスペックが必要な高画質のPCゲームでは3GB以上のVRAMはどうしても必要になってきます。
このVRAMが不足してしまえば、ゲームのフレームレート(fps値)が急激に低下する現象が起きます。つまりゲームのfps値が安定しないということです。これは快適なゲームプレイを求めるならば致命的となります。
プレイするのが高スペックを要求する重たいゲームで出費を抑えたい場合、迷わず「GTX 1060 6GB」を選ぶことをおすすめします。最安値で¥5,000ほどの差ですが、それすら惜しいと思ってしまう価格重視の方は「GTX 1060 3GB」を選びましょう。
さらに先のことを考えれば、VRAMは6GBでも厳しくなってくると思われます。しかし「GTX 1060」を導入しておけば、あと1,2年は新作の重たいゲームも最低設定ならば快適に遊べるでしょう。筆者は6GB版をおすすめします。
安定性を求めるならばGTX 1060 6GB
コスパ良好なGTX 1060 3GB
とにかく最低限の価格でゲームを動作させたい
とにかく価格を抑えつつ、ゲームをそれなりに動作させたい場合、おすすめのグラフィックボードが「GTX 1050 Ti」です。
販売価格は¥20,000を切っています。安いものだと¥16,000~17,000ほどで販売されており、どんなユーザーにも非常に手が届きやすい価格となっています。
さらに、比較的軽いゲームであれば快適に動作する性能を誇っています。Twitch視聴者人数ランキングから例を挙げると、League of Legends、Overwatch、Dota 2、CS:GOなどです。
またCoD:WWII,PUBG,Fortnite,Destiny 2など比較的重たいゲームでも、最低設定ならば60fps前後で動作します。(CPUの性能やその他の要因で60fpsに届かない可能性があります)
重たいゲームを動作させる場合、快適かどうかギリギリのラインとはなりますが、とにかく価格を重視したいのであれば「GTX 1050 Ti」は十分におすすめできる選択と言えます。
とにかく価格重視ならばGTX 1050 Ti
おすすめグラフィックボード まとめ
ここまでおすすめのグラフィックボードを6種類紹介してきました。
- とにかく快適なゲーミング環境を求める方は「GTX 1080 Ti」「GTX 1080」
- 出費も抑えつつ高いスペックが欲しい方は「GTX 1070」「GTX 1060 6GB」
- とにかく価格重視でゲームを楽しみたい方は「GTX 1060 3GB」「GTX 1050 Ti」
ざっとまとめましたが、個人的に最もおすすめのグラフィックボードは「GTX 1070」です。フルHD解像度ならば重たいゲームも最高設定で動作可能ですし、非常に高いコストパフォーマンスを誇っています。
フルHD中間画質 平均165.7fps
フルHD最高画質 平均121.7fps
WQHD最高画質 平均95.3fps
4K最高画質 平均59.4fps
フルHD中間画質 平均149.4fps
フルHD最高画質 平均102.1fps
WQHD最高画質 平均75.1fps
4K最高画質 平均45.3fps
この記事がグラフィックボードの導入や換装を検討している方の参考になれば幸いです。
参考:PC Gamer