「Turtle Beach Recon 70」レビュー。5,000円台としては優れた音質のエントリー向けゲーミングヘッドセット
本稿では、Turtle Beach(タートルビーチ)のゲーミングヘッドセット「Turtle Beach Recon 70」のレビューをお届けします。
レビューサンプル提供: Turtle Beach
製品仕様と外観
低予算でゲーミングヘッドセットを探している場合、ゲーミングデバイスメーカー各社の安価な製品をチェックすることになります。となるとメーカーを選定する必要が出てきますが、ゲーム用途に限定すればTurtle Beachは良い選択肢になると筆者は考えています。
国内ではそこまで知られていないものの、アメリカ市場でのシェアNo.1という実績を持つ信頼性の高いメーカー。当メディアで過去にレビューしたElite Atlasのパフォーマンスも良好で、ゲームに適したサウンドチューニングが印象的でした。
今回は、そんなTurtle Beach製ゲーミングヘッドセットのエントリーモデル「Turtle Beach Recon 70」をレビューします。価格は5,000円台と主力メーカーのエントリー向け製品では最も安い価格帯となりますが、クオリティはどの程度なのか。早速見ていきます。
本体はヘッドバンドやイヤーカップ、長さ調整スライダーまで、全てプラスチック製です。価格相応のチープな造りという印象を受けますが、表面の艶消し加工によって多少は抑えられています。
ヘッドレスト、イヤークッションの表面はPUレザー製。
やや小さめのハウジングには、ネオジム磁石40mm径ドライバーが搭載されています。主なスペックは、周波数応答20~20,000Hz、インピーダンス非公開。
左のイヤーカップ背面には、音量調整ダイヤル、降ろした状態で左頬のあたりに位置する短めのブームマイクが搭載されています。跳ね上げるとミュート状態となるため、最低限のコントロールはヘッドセット本体のみで完結します。
なおRecon 70には3種類のカラーバリエーションが用意されており、ブラック/ブルーとホワイト/ブルーはPS4 ProおよびPS4向けに、ブラック/レッドはNintendo Switch向けに設計されているとのこと。なお本稿はホワイト/ブルーのレビューとなります。
なお接続は3.5mm4極で、PCやMac、PS4、Xbox One、Nintendo Switch、スマートフォンなどあらゆる機器に対応しています。しかしオーディオ分岐ケーブルが付属していないため、PC直刺しでマイクを利用する場合は別途用意する必要があります。
ケーブル長は1.2mと短め。環境によっては3.5mm接続デバイスの位置が近くにくるよう工夫する必要がありそうです。
スペック&ギャラリー
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パフォーマンス
音質傾向
Spotify音源のリスニングでRecon 70の音質傾向をチェック。ドンシャリ気味でやや高音寄りと、ゲーミングヘッドセットではよくある音質傾向です。ただ低音域が多く鳴る楽曲においては、音の響きにより他の音域がかき消されてしまう場面も。
これがシンプルな音源で構成されているゲームの場合、うまく機能するように思います。例えば『VALORANT』では、敵の足音や落下音,スパイク解除音などの基本的ながらも重要な局面を左右するサウンドを聞き逃すことはないでしょう。また『Apex Legends』でも足音は分かりやすく再生してくれ、敵が一気に詰め寄ってくる際など一瞬の判断が迫られるときに出遅れることはありません。
ただしRecon 70は音量を確保すると低音がそれなりに響くこともあり、足音に低音域が多く含まれているタイトルではその他の環境音まで同時に聴き取りづらい可能性があります。ざっくりと言えば、音の分離感に欠けるかなと感じます。
やはり1万円オーバーの製品と比べると明確な差を感じますが、5,000円台の低価格帯ゲーミングヘッドセットとしては大健闘。対人ゲームでもそれなりに使えるので、低予算でそれなりの音質を求めている方にとって満足できるサウンドであると評価します。
装着感
やや小さめのハウジングを備えるRecon 70ですが、イヤーカップはギリギリ耳全体を覆ってくれるため、そこまで気になりません。また、イヤークッションは十分な厚さと柔らかさで、ゲームプレイ中も気になることはありません。
しかし、ヘッドバンド側のクッションが少し薄いため、装着中は常にヘッドセットが頭頂部に触れている感覚があります。わずか232gの軽量設計ということもあり、短時間のゲームプレイならば快適にこなせますが、長時間のセッションとなると次第に気になってきます。
マイク
ブームマイクは非常に短く、左頬のあたりに位置します。一般的なものと違って常に視界に入らないのは利点ですが、結果的にマイク品質の低下に影響しているとも感じます。
Audacityで自身の声だけを録音してみると十分に聴ける品質ですが、ゲームプレイ中のボイスチャットとなると声の輪郭が少しぼやけます。周囲の環境音を拾ってしまうため、ノイズキャンセリングが効いているDiscordなどのツール上でも調整が難しいです。
マイク品質はあまり良いとは言えませんが、複数人プレイのカジュアルなゲームに気軽に参加するには十分かなと思います。小さめのポップガードなどを用意すれば少しは改善されるかもしれません。
結論とターゲット
「Turtle Beach Recon 70」について詳しく見てきました。3.5mm4極ケーブルで接続するだけでセットアップが完了する、とてもシンプルなゲーミングヘッドセットです。音量調整、マイクミュート機能も本体に備わっており、最低限の機能は揃っていると言えます。
Recon 70を同価格帯の製品と比較したときに、ゲーム用途に優れた音質傾向であると言えます。対人ゲームでも問題無く使用できるクオリティなので、複数人プレイのゲームにラフに参加したいと考えている方の初めての1台にお勧め。
一方で、かなりの軽量設計ではあるものの装着感はあまり良いとは言えず、マイク品質も価格相応なものとなっています。結局、この手の低価格帯ゲーミングヘッドセットを選ぶ際には「どこを妥協するか」が大きなポイントとなってくるのかなと。
以上、Turtle Beach(タートルビーチ)のゲーミングヘッドセット「Turtle Beach Recon 70」のレビューでした。