おすすめのゲーミングチェア5選。デバイスレビュアーが厳選【2019年最新】
- ゲーミングチェアは全部似ていてどれを選べばいいか分からない
- 座り心地が良いゲーミングチェアが知りたい
上記のような方に向けて、おすすめのゲーミングチェアをご紹介する記事です。選び方についても詳しく解説しています。
この記事を書いているミオニ(@mionigg)は、ゲーミングデバイスレビュアーとして活動しています。当サイト「DPQP」の記事やYouTubeの動画を通して、ゲーミングデバイスのレビューをお届けしています。普段、ずっと自宅で椅子に座りっぱなしで作業しています。「ここがもっとこうだったらなぁ」と気付くことも多いです。
僕はこれまでにゲーミングチェアをいくつか購入して試したほか、より良い製品を探すべく実店舗へ出向いて試座したりと、デスク環境を拡充するために相当な時間やお金を費やしてきました。そんなレビュアー兼デスクワーカーの僕が、本当に良いと感じたゲーミングチェアを厳選しています。
ゲーミングチェアを探している方の参考になれば嬉しいです。
ゲーミングチェアとは
ゲーミングチェアとは、ゲームプレイを快適に行える、ゲーマーのために設計された椅子です。大会の会場やイベントスペースでも採用されており、最近では一般ゲーマーのデスク環境でもよく見かけるようになりました。一般的な椅子と比較すると、以下のような特徴があります。
- 長時間座りっぱなしでも疲れづらい設計
- ハイバックシート(大きい背もたれ)によって頭の先までカバーできる
- 良い姿勢を維持するための各機能が搭載されている
- 可動式のアームレスト(肘置き)によって腕を固定できる
ゲームの大会やイベントなどのオフライン会場によく出向くゲーマーにとって、「自宅と違う環境でゲームをプレイする」のはパフォーマンスの低下に繋がってしまいます。ゲーミングチェアを自宅に備えておけば、外出時もほとんど同じ環境でゲームプレイが可能です。
もちろん、筆者のように自宅で作業をするデスクワーカーや、長時間のゲームプレイを楽しむゲーマーにとっても効果絶大。国内ゲーミングチェア市場の製品ラインナップもかなり充実してきているので、普通の椅子を卒業するなら今です。
ゲーミングチェアとオフィスチェアの違い
ゲーミングチェアとオフィスチェアを比較してみます。まずオフィスチェアは価格帯で大きく仕様が異なります。主力なゲーミングチェアの相場はエントリーモデルで2万円台後半、ミドル~ハイエンドモデルになると5万円前後となります。5万円前後と言えば、高級オフィスチェアの製品も選択肢に挙がってきますね。
オフィスチェアは、椅子としての性能に重きを置かれています。単純に座り心地の良さが追及され、座った状態で快適に過ごせるよう各機能が搭載されています。こう見ると、ゲーミングチェアもほとんど同じ。しかし、ゲーマーをターゲット層としたゲーミングチェアは、高級なオフィスチェアと比べると相場が低いので、安価であらゆる機能が集約されているという訳です。
- ゲーミングチェア… 低価格で機能が集約されたもの。コストパフォーマンス高め。
- オフィスチェア… 座り心地など極限までこだわれるが、値段の上限がない。いわゆる”高級品”も。
個人的には、ゲーミングチェアはデザインを除いて「コストパフォーマンスの良い高級オフィスチェア」という認識で良いと思っています。予算に余裕がある方ならば、椅子としての品質や信頼性、サポート(保証期間の長さなど)が充実した、エルゴヒューマンやハーマンミラーをはじめとする高級オフィスチェアブランドに手を出すのもいいでしょう。
ゲーミングチェアの選び方
1. 座り心地
これが最優先事項です。
安い椅子にありがちなのが、クッションが薄すぎて内部のフレームに当たり、座り心地が悪いということ。大半のゲーミングチェアではそういった問題は見られないのですが、使用を続けるうちにクッションがへたる可能性もあります。というのも、筆者が1年弱ほど使用してきたゲーミングチェアがそうでした。
クッションの厚みは、安いものでは8cm、価格帯を上げると10cm以上のものが多く見られます。筆者が経験したような経年劣化を想定するならば、できるだけ分厚めの座面のものを選んでおくに越したことはないと思います。
また、クッションが厚い=柔らかいという訳ではありません。ものによっては、腰を保護するために硬めのクッションを採用しているものもあります。どちらが好みにせよ、座ったときに内部フレームに当たるのは、クッションとは程遠い感覚でとても不快です。それを避けるべく厚めのクッションを採用したものをオススメします。
2. サイズ感と座面の高さ
自分の体にぴったりと合うゲーミングチェアを選ぶためのポイントを2つ抑えておきます。
座面の奥行が狭すぎないか
前提として、ゲーミングチェアでは座面の奥行が狭すぎることはまず無いです。少なくとも筆者がこれまでに座った製品では、そういうことは一切無かったです。ただし椅子の選び方としては重要な項目の一つなので、念のために記しておきます。
座面の奥行が足りないと「体重が分散されづらい」ので、体に大きなストレス(負荷)が掛かります。これでは長時間のゲームプレイを快適にこなせないうえ、単純に体に悪影響です。
逆に、座面の奥行が広すぎる場合はどうでしょうか。これに関しては全く問題は無く、「ランバーサポート」という腰に位置するクッションが付属しているゲーミングチェアを選べばOK。クッションの厚みによって座面の奥行を狭めることができます。
かかとが床につく座面の高さに調節できるか
最適な椅子の座面の高さは、かかとが床につく程度。かかとが浮いてしまっていると、足に無駄な負荷が掛かり、快適に長時間座るのは難しいです。
ゲーミングチェアには高さ調節機能が搭載されていますが、それだけで安心せず、昇降範囲には必ず目を通しておきましょう。というのも、小柄な方だと、座面を最も低くした状態でも足がつかない可能性があります。150cm以下の女性の方だと35cm前後まで座面を下げられれば問題ありません。
DXRACERのように、各モデルごとにおすすめ身長を定めているメーカーもあります。見た目だけでは実際の座面の高さは分からないので、これはとても良い試みだと思います。本稿で後ほど紹介するおすすめゲーミングチェアは、それぞれの昇降範囲を記載しているので、そちらも参考にしていただけると幸いです。
実際にいくつかのゲーミングチェアに座ってみて感じたのは、最も座り心地に影響するのは座面の厚みと座面の奥行きだということ。座ったときにクッション感が残っている製品は本当に心地良いですが、底に当たる感触がすると疲れやすい印象です。また座面の奥行きが浅いと、満足に身を預けられず窮屈になってしまいます。
3. 表面素材(ファブリック、PUレザー)
ゲーミングチェアの表面素材は主に2種類で、ファブリック(布製)かPUレザー(合成皮革)から選択することになります。それぞれの特徴は以下の通り。
- PUレザー… 見た目に高級感あり。肌触りが良くてメンテナンスも簡単。しかし通気性が悪く、長時間座っていると蒸れやすい。価格が高い。
- ファブリック… 通気性が良く、蒸れにくい。しかし埃や細かなゴミが溜まったりと、メンテナンスの手軽さに欠ける。価格が安い。
通気性や価格重視ならばファブリックを、肌触りの良さや見た目を重視するならばPUレザーを選ぶべき、といったところでしょうか。
どちらを選ぶかの参考として筆者の実体験をお話しておきます。ファブリック(布製)のゲーミングチェアを「安くて座り心地も良いから」と購入し、結構な期間使用してきました。しかし、縫い目などに埃が溜まるたびに掃除するのが面倒で、かなり後悔しました。度重なるメンテナンスが億劫な方にはPUレザーをオススメします。
4. ヘッドレストやランバーサポート
頭や首を支えるヘッドレストと、腰への負担を減らすランバーサポートといった2種類のクッションを付属するものがあります。取り外し可能なものがほとんどで、不要ならば外してしまえばOK。僕は窮屈に感じてしまうので、基本的にはどちらも外して座っています。
ヘッドレストは首への負担を和らげるクッションで、背もたれに体を預けた際に後頭部の下あたりを支えてくれます。ゲームや作業時、しっかり体を背もたれに預けたい方には必須と言えます。また、完全に背もたれに体を預け切ったとき、頭の角度をモニターへと自然に向けることができます。
ランバーサポートは腰への負担を和らげるクッションで、椅子に座った際に背もたれと腰との隙間を埋めることで姿勢の矯正になります。猫背などの改善に役立ちますし、長時間座りっぱなしの方は活用すべきです。
先ほども解説しましたが、ゲーミングチェアは座面の奥行が広めに設計されています。小柄な方や女性だと持て余してしまうので、ランバーサポートによって調節するのもアリです。
どちらも肌に触れるものなので、ファブリックよりもPUレザーの方が清潔に保ててオススメです。
5. いつも通りの姿勢を保てるか
「椅子を買ってからいつもの姿勢がとれなくなった」というのは避けたいところ(元々姿勢が悪かったという話なら別です)。ゲーミングチェアを選ぶときは、必ず搭載されたエルゴノミクス機能が十分であるかを確認しておきましょう。
アームレストの可動域
アームレストは肘を置く部分で、腕を固定することで肩への負担を和らげる効果が期待できます。ゲーミングチェアでは、昇降機能が一切無い「固定式アームレスト」、高さのみ調節可能な「1Dアームレスト」、高さや方向をある程度自由に調節できる「4Dアームレスト」があります。
筆者はゲーミングチェアのアームレストに肘を固定しつつ、腕を振ってマウスを操作しています(いわゆる手首AIM)。もし同じ環境でゲームをプレイしているならば、アームレストの高さを調整できないものを選ぶのは厳禁です。
最低でも「1Dアームレスト」、自由度を高めるならば「4Dアームレスト」を搭載したゲーミングチェアを選びましょう。
リクライニング機能
リクライニング機能は、背もたれを自由な角度に調節できる機能です。楽な姿勢でパソコン前に向かいたい方には必須でしょう。まったりとゲームを楽しみたい時や作業に集中したい時に背もたれを倒すことで、非常に快適な環境を作り出せます。
逆に、パフォーマンスの観点からいつも同じ姿勢でゲームプレイに臨みたいという方であれば必要が無いとも言えます。リクライニング機能の有無で製品価格は変動するので、しっかり見極めたいところ。
ゲーミングチェアのリクライニング機能は、一般的に150° ~ 180°の角度まで対応しています。しっかり倒すことで寝姿勢に近い体勢を取れるので、ハイポジションのモニターアームを導入すれば非常に快適なデスク環境を構築することも可能です。
ゲーミングチェアの選び方まとめ
- 座り心地、クッションの厚みは十分か
- 座面の奥行が狭すぎないか
- かかとが床につく座面の高さに調節できるか
- 表面素材はファブリックかPUレザーか
- ヘッドレストやランバーサポートの有無
- アームレストの可動域の有無
- リクライニング機能の有無
おすすめのゲーミングチェア
以下からは、筆者が実際に使用したもの、実店舗で試座したものの中から、おすすめのゲーミングチェアをご紹介します。モデルごとの特徴や機能の違いなど、あらゆるポイントを抑えているので、あなたの購入条件に合った製品を見つけてみてください。
1. AKRacing Pro-X
ゲーミングチェアの定番メーカーAKRacingのハイエンドモデルである「AKRacing Pro-X」が個人的に最もオススメ。というのも、実店舗で試座した中でダントツに座り心地が良かったんです。分厚くて柔らかめの座面(クッション)で、腰を下ろすと軽く沈み込むタイプ。
AKRacingの他のモデルと比べても優れた仕様となっています。13cm厚の座面クッションのおかげで座り心地の良さは文句無し。
- 他モデルよりも3cm厚い、13cmの座面クッション
- 32.0~39.0cm(座面下を計測)の高さ調節機能
- 最大180°のリクライニング機能
- 最大12°のロッキング機能
- バックシートに専用設計のウレタンフォーム使用
- アームレストの位置を自由に調整できる「4Dアームレスト」採用
- PUレザー製で本体と同じ質感のヘッドレスト、ランパーサポート付属
- 騒音が少なく、床に傷がつきづらいポリウレタン製キャスターを採用
- ホワイト、グレー、レッド、ブルーの4色展開
座り心地に関わる部分は一旦置いておき、その他の部分を見ても、リクライニングやロッキング機能といったエルゴノミクスや、位置を自由に調整できる4Dアームレスト、スムーズに動作するポリウレタン製キャスターなど、不足はありません。ただし座面の厚さの関係上、身長が155cm以下の方には大きすぎるかなって程度です。
ハイエンドモデルなのでやや価格は張りますが、予算内に収まるのであればPro-Xは非常に良い選択です。本当にオススメ。
2. AKRacing Overture
AKRacingのハイエンドモデルは文句無しに良かったんですが、下位モデルである「AKRacing NITRO」も変わらず良かったです。Pro-Xよりも価格がグッと抑えられており、比較的入手しやすいモデルです。以前は「AKRacing NITRO」が標準モデルだったのですが、一部の仕様を刷新したOvertureが同じ位置付けとなりました。
- 標準的な10cmの座面クッション
- 34.0~41.5cm(座面下を計測)の高さ調節機能
- 最大180°のリクライニング機能
- 最大12°のロッキング機能
- アームレストの高さを調整できる「1Dアームレスト」採用
- PUレザー製で本体と同じ質感のヘッドレスト、ランパーサポート付属
- 騒音が少なく、床に傷がつきづらいポリウレタン製キャスターを採用
- ホワイト、ブラック、ピンク、パープル、レッド、ブルーの6色展開
Pro-Xとの違いは、座面クッションの厚みが13cm→10cmに、アームレストが4Dから1Dになっていることや、ハイバックシート(背もたれ)がやや小さくなっていること。このほか、Pro-Xはシートのウレタンフォームが専用設計となっています。個人的には、Overtureも座り心地は文句無しに良かったです。
「信頼性の高いPUレザー製のゲーミングチェアが欲しいけど、さすがに5万円以上は出せない」という方はOvertureをどうぞ。
3. DXRACER DXR
定番メーカーDXRACERのゲーミングチェア「DXRACER DXR」は、フォーミュラシリーズというエントリーモデルの製品で、コストパフォーマンスの面で非常に優れています。表面素材にファブリックを採用しており、さまざまな機能を備えながら、2万円台と低価格で購入できるのが特徴です。
DXRACERは、e-sportsの公式大会などプロフェッショナルなシーンで採用される、信頼性の高いメーカーです。
- 標準的な10cmの座面クッション
- 41.0~51.0cm(座面上を計測)の高さ調節機能
- 最大150°のリクライニング機能
- 強弱を調整可能な最大15°のロッキング機能
- アームレストの高さを調整できる「1Dアームレスト」採用
- ヘッドレスト、ランパーサポート付属
- 滑らかに動き、床に傷がつきづらいポリウレタン製キャスターを採用
- ブラック、レッドの2色展開
一つ注意点としては、ランバーサポートを付けた状態だと、座面の奥行がかなり窮屈に感じます。
ちなみにAKRacingにもファブリックを採用した「AKRacing Wolf」というモデルがあります。もちろん仕様は異なるものの、このDXRACER フォーミラよりも1万円ほど価格が高いです。コストパフォーマンス重視で選びたい方にとって、DXRACER フォーミュラは非常に優れたゲーミングチェアだと思います。
- AKRacing Wolf… 座面サイズ39×54cm、最大180°のリクライニング機能
- DXRACER フォーミラ… 座面サイズ38×44cm、最大150°のリクライニング機能
念のため比較しておきます。価格が安い代わりに、座面のサイズが小さく、リクライニング機能の角度がやや劣ると考えてもらえば分かりやすいと思います。
4. Vertagear Racing Series SL2000
とにかく組み立てが楽です。ゲーミングチェアを組み立てたことがある人ならば分かると思いますが、座面と背もたれを取り付ける工程がめちゃくちゃシンドイです。Vertagearは、背もたれの取り付けをスライドさせるだけで済ませられる「スライドインシステム」(特許出願中)を採用しているのが特徴です。
Vertagearの国内取り扱いが開始されたのはつい最近ですが、海外市場ではDXRACERなど有名メーカーとの競合に挙がることもあるポピュラーなメーカーです。
5. Bauhutte プロシリーズ
日本のゲーミング家具ブランドBauhutteのハイエンドモデル「Bauhutte プロシリーズ」は、数々の機能を備えながら低価格で入手できるゲーミングチェアです。同価格帯と比べると圧倒的に機能性の面で優れています。国内企業ということで、日本人に合わせた低座面設計となっていることもポイント。
表面素材をファブリックで考えていて、コストパフォーマンス重視で選びたい方にはオススメ。
- 標準的な10cmの座面クッション
- 低座面設計、38~45cm(座面上を計測)の高さ調節機能
- 最大135°のリクライニング機能
- オン/オフ切り替え式のロッキング機能
- 42パターンのポジション調節+6cmの昇降に対応する「4Dアームレスト」採用
- 高反発・高耐久性のモールドウレタンクッション
- フィット性の高い3Dランバーサポート、3Dヘッドレスト付属
- ブラック、レッド、ブルーの3色展開
前に数ヵ月ほど使用していましたが、程よいクッション性があって座り心地も悪くないです。この価格帯で4Dアームレストを採用する製品は珍しいので、そこにこだわりのある方は検討すべき。肘を固定してマウスを操作する方にとっては、椅子を変えても肘を置く位置が変わらないことは意外と大事です。
最後に
個人的には、座り心地を優先するならAKRacing Pro-Xが最もオススメ。しかし価格が高いことがネックです。ゲーミングチェアを安く手に入れたい方は、どの機能が本当に必要かを取捨選択しながら、予算に合ったものを見つけてみてください。
最後に、本稿で紹介したゲーミングチェアの要点を簡単にまとめておきます。比較用にどうぞ。
- AKRacing Pro-X… 座り心地が最高なハイエンドモデル。機能面でも不足無し。予算が許すならコレ。
- AKRacing Overture… Pro-Xの下位モデルで座り心地はさすがに劣るが、安心のクオリティ。
- DXRACER DXR… ファブリック製でコスパ重視。3万円以下としては信頼性が高いことがメリット。
- Vertagear Racing Series SL2000… PUレザー製で3万円以下と低価格、組み立ても簡単。国内では無名。
- Bauhutte プロシリーズ… 国産メーカー。ファブリック製。3万円以下としては最も機能性が充実している。コスパ高め。
以上、「おすすめのゲーミングチェア6選。失敗しない選び方をゲーマー兼デスクワーカーが徹底解説」でした。